ジャパネットたかたの5億円寄付で調べてみた。東北関東大震災(東日本大震災)、義援金ランキング100社、総額200億、企業の対応状況速報
3月11日に起きた東北関東大震災。連日現地の被害状況が伝えられ、日本中が復興を祈っている。私も祈る多くの人の一人だ。実は、昨日、福島県から避難してきた家族に宿泊場所を提供し1泊していただいた。現地の状況を直接聞き、自分でできることは何かと考え、この文章を書いている。また、遅ればせながら少額ではあるが日本赤十字社にクレジットカードで寄付をさせていただいた。
さて、震災当日から義援金や救援物資の支援表明が相次いでいるが、これらの企業について可能な限りの情報を集めてみた。これをきっかけに企業のよい取組とは何かを再考してみたい。(尚、義援金ランキングと記載したが、義援金を出した企業を軽率に順位付けしているわけではなく、誤解のないように切にお願いしたい。尚、100社超のリストには企業の取組内容なども記載し、このページの最後にPDFとして添付した。)
義援金額上位は、ファーストリテイリング、日亜化学工業、ジャパネットたかた、ゴールドマン・サックス、三菱グループの順
義援金総額の上位は、カジュアル衣料品「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングの14億円がトップ(柳井代表が10億円、会社として4億円、加えて衣料品7億円相当)。2位に日亜化学工業の10億円、3位同列にジャパネットたかた、ゴールドマン・サックス、三菱電機、三菱重工4社の各5億円だった。ここでは便宜的に金額順に併記してみたが、決して金額の大小を言及しているのではない。会社の規模感、業界、オーナー、対応スピードを想像してこの順位を見ていただくと、いくつかの発見があるかと思う。たとえば三菱グループの義援金総額は日本で最大級と思われる。
発生当日に支援表明したセブンやローソン。翌日に36万本の水を緊急出荷したサントリー
地震発生当日の3月11日に救援物資の支援を表明したのは、大手小売業のセブン&アイ・ホールディングスとローソンだ。彼らの物流のパワーやノウハウを活かして、素早い対応が取れたことは賞賛に値する。彼らの対応を見ていると、強いリーダーシップに加えや実行力スピード力がある、それは組織の強さを示していると思う。小売業では義援金そのものを渡すより、複数回の物資支援と募金箱設置が多い。セブンは3/13時点で約14,000店舗で募金受付、ローソンは8,000店で募金受付を開始している
震災翌日には、大手金融機関が義援金の寄付や募金開始の表明が続いた。被災者への窓口対応も含め迅速な情報リリースは有事対応を念頭に置いた体制、仕組化ができている。金融機関では迅速に義援金の発表が相次いだ、PDFを見ていただければわかるが、金額が非常に似通っており横並びの傾向が見て取れる。
今回支援表明が早かった企業は、3億円と100万本の水を寄付したサントリーのようなオーナー企業やトップダウンによる経営判断ができる企業、あるいは、非常時の意思決定フローを整備していると見られる成熟した企業、金融機関や商社が多かった。サントリーは、100万本のうち、翌日に水36万本を緊急出荷している点も見逃せない。
今後CSRの観点からも、非常時の迅速な経営判断は外側から見られ、賞賛されていくことになると思う。注目を集めたのは、ユニクロ柳井氏とジャパネットたかたの高田氏の取組だろう。ジャパネットたかたは、年間1400億円の売上規模だが、5億円を義援金として寄付し、さらにエネループ1万台、加えて、TVショッピングの1日の販売額7000万円(テレビ3機種計1500台と充電式ランタン1000個)を寄付をした。ユニクロでは、柳井氏の10億に加えて、ユニクロ3億、世界の社員1億、全世界2200店舗で募金活動を行うことを表明している。両社に共通しているのは、お金だけでも、物資だけでもなく、複合的に会社でできる支援を考え抜いた結果であることが伝わるからだ。他にもさまざまな賞賛される取組をしている企業があるので、下記に調べた100社を参考までにご覧いただきたい。すべての企業を書ききれないのが悔やまれてならない。
最後に
先般調査結果の一部をTwitterでツイートしたところ、「ある企業の義援金は利益に対して少ないのではないか」という意見をいただいた。その企業が出している利益を考えれば、確かにその通りかもしれない。しかし、今大切なことは、「自分の会社でできることとは何か」を考え、復興に向けて多くの継続した支援が行われるような方向に向かわせることだと思う。
とりとめのない文章で恐縮だが、企業のよい取組は、ソーシャルメディアを通じて一瞬にして広がる。広告では絶対に買えない長期的なブランドを形成する。このブログをきっかけに、企業のCSRについて一考いただき、支援の輪が広がるきっかけになることを期待している。
補足
※3月17日に独自調査したものです。その時点ですべての企業を網羅しているわけではありませんので、ご了承ください。3月17日以降も、多くの企業が被災地の支援に名乗りを上げています。リストに未掲載の企業をご存じでしたら、ぜひ以下のコメント欄に支援内容や金額が記載されたURLをお知らせください。あるいは、私のtwitter
でも構いませんが、支援内容や金額と参照元のURLをいただけると助かります。
サンプル数:100社以上
調査期間:2011年3月11日~16日
調査方法:プレスリリースや公式発表、各メディアのWebニュース記事を手動でリストアップし、集計しました。
(以下、画像クリックで拡大します)
東北関東大震災、義援金・物資支援企業(2011.3.17時点)PDFダウンロード
3月28日追記
非常に多くの方にアクセス頂き、関心が高いことがわかりましたので、サイコスで追加調査を行いまして、調査対象を200社に拡大し、リストを更新いたしました。以下の記事に最新版のPDFをご用意しておりますので、ぜひご覧ください。↓↓↓
【企業支援200社まとめ】コカ・コーラ25億、吉野家、ココイチの炊き出しなど支援続々。ジャパネットたかた5億円寄付でさらに調べてみた。東北関東大震災、義援金と企業の支援内容~その2
企業の義援金関連リンク
- 2011/4/4 【義援金300社まとめ】ソフトバンク孫社長100億円寄付で調べてみた。赤十字と中央共同で合計1,000億円、楽天三木谷社長10億円、ニトリ12億、台湾からは100億円超――東日本大震災、義援金ランキングと支援内容~その3
- 2011/3/25 【企業支援200社まとめ】コカ・コーラ25億、吉野家、ココイチの炊き出しなど支援続々。ジャパネットたかた5億円寄付でさらに調べてみた。東北関東大震災、義援金と企業の支援内容~その2
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4/4 第三回目のブログを更新しました。 【義援金300社まとめ】ソフトバンク孫社長100億円寄付で調べてみた。赤十字と中央共同で合計1,000億円、楽天三木谷社長10億円、ニトリ12億、台湾からは100億円超――東日本大震災、義援金ランキングと支援内容~その3 http://blogs.itmedia.co.jp/saiqos/2011/04/300100010010121-10fb.html