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西武百貨店有楽町店が年内に閉店で思うこと~決め手は今年の秋の銀座三越リニューアルオープン~‏

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西武有楽町店の年内閉店ニュースで思うこと。

先ほど、私の中で、衝撃が走った。

セブン&アイ・ホールディングス傘下の西武百貨店有楽町店が年内に閉店との知らせ。売上は170億円程度しかなく、2005年ごろから赤字が続き、おそらくピーク時の60-70%程度の売上しかない。店舗の家賃や光熱費などの維持コスト、加えて人件費となると、今後も厳しく、先が全く見えなかったのだろう。今後、こうしたケースが相次ぎ、失業者が増加するのではないかと心配だ。

有楽町はここ数年で再開発が進み、人の流れが変わった。最近オープンした有楽町イトシアに加えて、丸ビル、新丸ビルなど周辺のショッピングゾーンは、駐車場も多く、駅からも近い。丸の内カードホルダー向けには、最初の一時間は駐車場無料にするなど地域全体で集客しているし、文化情報発信やイベントも数多く熱心だ。銀座からほど近い豊洲には大型の商業施設ららぽーともあり、こちらで事足りてしまうのも事実。休日にわざわざ銀座に来るよりも、近隣にはショッピングセンターがあるし、アウトレットモールに行った方がイベント性があるのかもしれない。

銀座周辺では、ユニクロ、H&M、ZARAに代表される低価格衣料が出店ラッシュ。それよりも西武にとって、致命的になりそうなのが、今秋の、三越本館全面改装(8階建て)と新館開設(地上13階・地下6階)だろう。売場面積は1.8倍になる。三越伊勢丹ホールディングスの共同プロジェクトで、「新しい価値を、スタイルとして創造し、時代の扉を開ける店」(株主通信より)として、合併後の試金石となるフラッグシップストアをオープンさせる。店内には、パブリックなスペースも確保され、託児所、国際観光案内所、広場「銀座テラス」なるものを設け憩いと癒しの空間を持つ。本館と新館の吹き抜けには、区道を廃止した代わりにパサージュを作り、道路の整備もばっちりらしい。

今の百貨店にとって大事なことは、店頭の顧客接点の強化と、商品とサービスの再構築ではないか。お客様の期待や価値に合わせて、取引先の見直しを行い、生産の部分まで関与し付加価値をつけるか、無駄を排除していくかのどちらかを徹底すること。その仕組み作りが重要だと考える。本業再構築と新規成長戦略が必要だが、アジア戦略、カードなどを連動させたマーケティングソリューション、ネット販売、高齢者向け宅配サービスなど、いろいろやれることあるはず・・・人材や体質がボトルネックなのでは、と感じる。

それにしても、栄枯盛衰、JALの件にしてもしかり、大きく時代は変わりだした。それぞれの出来事が、日本の新しいスタートであることを信じている。


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