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【読んでみた】「本屋さんで本当にあった心温まる物語」はただほっこり系やお涙頂戴系ではなく、、、

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以前、家が近所だった、あさ出版の編集者古川さんが本を送ってくださった。感謝。しかもご自分の担当した本ではないという。それでもあえて送ってくれた理由は、、、何となくわかるのです。

その本とは、この本。

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内容的には、見た通り「本にまつわるいいお話」が28編収録されているものということで、何となく予想できる雰囲気なのですが、思った以上にいろいろ考えさせられる一冊です。

気持ちがほっこりwするほのぼの系のお話もありますが、まさに奇跡としか思えない物語もいろいろ出てきます。中でも震災にまつわるお話などは、読んでいて泣きそうになってしまうものもあります。

というか、毎週読書の朝活に参加していて、本好きのみなさんと顔を合わせるわたくしとしましては、このタイトルは素通りできません。ズルい!(笑)

そうなんです。わたくし、今年の年初から毎週月曜日に読書の朝活に参加しているのですが、最近は毎回テーマを決めて、メンバーに紹介する本を持ち寄っています。

今朝は、『職場に同い年の人が入社しました。「本好きなんですか?私あまり本読まないんでオススメ教えてください」と言われた時に勧める本』ということで、そもそも本を読む習慣のない人に、何かきっかけになるような本をということで、実は別の本を予定していたのですが、急遽いただいたばかりのこの本にチェンジ。行きの電車で急ぎ読みながらの参加となりました。

このブログでも何度書かせていただきましたが、ご存知のように書店の数は年々減り続けています。本好きにとってはこの「文化の砦」がなくなってしまうのは本当に寂しいものです。一方、この本の中で紹介されている「エピソード」は、書店員さんの本への愛、情熱が起こした奇跡、お客さんの書店への思いなど、書店というリアルな「場」がないと成立しないものばかり。

ひたすら便利なネット書店ではなかなか起こりえない現象なわけです。

そこで思ったことがいくつかあります。

・都会の大きな書店ではイベント開催も普通に行われているが、つぶれるのをただ待つしかないような小さなお店でも、例えば少しスペースを作って本の朝活をやってみるとか、ブクブク交換をやってみるとかできないものか?

店内で無理ならば、近くのカフェに集まってお話したっていいと思うんですね。本の好きな人は日本全国にいます。そして、「気の合った仲間と本の話をしたい人」も相当数いるはずです。文具のイベントをしてみてわかりましたが、みなさん文具大好きなのに、それについて話す友達が見つけられないだけなんですね。で、本も同じ。

なかなか本について話すきっかけがないだけだと思うんです。そこで、そのちょっとしたきっかけを提供すれば、読書仲間と楽しい時間を共有でき、主催者であるお店も感謝される。その結果親近感を覚えてくれて、お店に通うことも多くなる、というわけです。

確かにそんなに単純ではないかもしれませんが、例えば長崎の老舗文具店、石丸文行堂さんは、開店前の店内に文具ファンを集めて、文具の朝活を始めています。ソーシャル時代のコミュニケーション、行き着くところは、このあたりなんじゃないかなと思います。

・書店員さんは、本が好きな方が多いはず。そして、当然オススメ本というのもたくさんあると思うのです。しかし、POP以外でなかなかそれを伝える手段がない。もっと生の声でそれをプレゼンする機会が作れないものか?

もちろん文字による情報も重要ですし、文字でしか伝わらない要素もあると思うのですが、言霊ってやはりすごい力を持っているんですよね。朝活やブクブク交換をやっててわかるのは、本の内容もさることながら、なぜこの本をオススメするのか?というストーリーのおもしろさです。その人の生い立ちや人となりが浮かび上がる「プレゼン」は、思った以上に聴きこんでしまうものです。

それを思うと、せっかくの書店員さんの知見を埋もれさせてしまうのは、もったいなくて仕方がない!いろいろ事情はあると思いますが、もっとリアルの「声」でオススメを聞いてみたいものですし、絶対に売れ行きに反映されるものだと思います。

最近は本の刊行点数が増える一方で、棚への出し下げなど、本屋さんの負担は増えるばかり。余裕がないのはわかりますが、やはり本来のお仕事は「本のコンシェルジュ」のはず。ぜひできることから何かやっていただきたいなと勝手に思っております。そして「本」でなく「本屋さん」のファンを増やして欲しい!

おせっかいながら、この本を拝読しながら思ったことを少々書かせていただきました。m(_ _)m

本屋さんで本当にあった心温まる物語 (心温まる物語シリーズ)

        川上 徹也 あさ出版 2012-11-16
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