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買い占め問題と「蜘蛛の糸」

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やっとブログを書く気になりましたので、またぼちぼち書かせていただきます。

11日(金)14:46に地震発生、自分史上最大の揺れを経験したとはいえ、渋谷の事務所は大きな被害もありませんでした。
電車はさすがに止まりましたので、状況を見守る中、広島の中学生の奮闘振りについて記事をアップしたり、電気とネットというライフラインがセーフだったため、まだ比較的のん気でした。

ケータイや固定電話はパンクしていましたが、Twitterで連絡を取ればいいということがわかり、すぐに家族の無事も確認、府中まで20km歩いて帰る途中も、ところどころ写真で居場所を伝えながら、帰宅しました。

渋谷18:30頃発→富ヶ谷なう。代々木上原なう。大原の環七なう。明大前なう。甲州街道環八交差点なう。千歳烏山ぶっちぎりなう。仙川なうなう!これより旧甲州街道に入ります。みんな歩いてる。調布なう。がまん。飛田給まで来たなう。家なう。(府中22:27着)

家族への連絡のつもりでつぶやいていたのですが、全国のTwitterとfacebookのお仲間からたくさん応援のツイートをいただき、大変励みになったのを思い出します。(その節は有り難う御座いました。)

それで、言葉ってすごいなと思い、せめてツイートだけでも被災地の方を応援しようと思ったのですが、家に帰ってテレビを見るにつれ、現地の惨状に愕然としてしまいました。被害のレベルが違う!
数時間前、歩いてヘトヘトになりながら、「ワイン飲みたい」とつぶやいてしまったのを、激しく後悔、これを現地の方が見ていたら、どんな気持ちになるか!配慮が足りなかったと反省しました。

ソーシャルメディアは広範囲の方々とのおしゃべりの場です。たとえ物理的に離れていたとしても、わかっている範囲では空気を読むことを怠ってはいけませんよね。恥ずかしい限りです。

そして地震から数日、救助・復興や原発の問題は、専門家にまずはお任せするとして、自分の周りではこんな問題が勃発しました。
そう、買い占めです。

「自分さえよければ!」
という、人間の一番嫌な部分が露呈してしまったわけですが、もしこれについてはマスコミや口コミによる扇動でのパニックということで目をつぶったとして、次にもうひとつ問題が待ち構えているような気がします。

即ち、買い占めをした人たちの危惧したとおり、関東に大地震が来たとします。そのときに、その食料や生活用品は本当に独り占めできるの?という問題です。

つまり、買い占めによってお店の棚がスッカラカンになり、後から来て何も買えなかったお年寄りが、隣の家でひもじい思いをしているのに、自分の家族だけ知らん顔でお腹いっぱい食事が出来る?という意味です。

普通ならお裾分けしますよね。
だったら最初から買い占めすんなということです。

いや、自分で買ったものだから、誰にも渡さん!
というなら結構です。人間やめていただいて結構。
「蜘蛛の糸」のカンダタの如く、地獄に落ちていくのでしょうか。

 御釈迦様は極楽の蓮池のふちに立って、この一部始終をじっと見ていらっしゃいましたが、やがてカンダタが血の池の底へ石のように沈んでしまいますと、悲しそうな御顔をなさりながら、またぶらぶら御歩きになり始めました。自分ばかり地獄からぬけ出そうとする、カンダタの無慈悲な心が、そうしてその心相当な罰をうけて、元の地獄へ落ちてしまったのが、御釈迦様の御目から見ると、浅間しく思召されたのでございましょう。

 しかし極楽の蓮池の蓮は、少しもそんな事には頓着致しません。その玉のような白い花は、御釈迦様の御足のまわりに、ゆらゆら萼を動かして、そのまん中にある金色の蕊からは、何とも云えない好い匂が、絶間なくあたりへ溢れて居ります。極楽ももう午に近くなったのでございましょう。 

変な感じになってしまって御免なさい。

でも、こんな記事も、こういう時じゃないと書けないなと思うと、認めておいたほうがよいのかなと思い、アップさせていただきました。

蜘蛛の糸 (ポプラ社文庫―日本の名作文庫)
蜘蛛の糸 (ポプラ社文庫―日本の名作文庫)

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