政治と信仰と野球と・・・飲み屋で話題にしてはいけないテーマとその理由
はじめに
先日、北海道長万部町のゆるキャラ「まんべくん」がTwitterをつかってとある発言をしたためにニュースになるという事象があった。同町が委託した運営者によるつぶやきが、「町」の象徴たるキャラクターの発言内容として適切かどうかを巡るものだ。
「まんべくんTwitterアカウント停止へ 発言を長万部町が問題視」記事はこちら
あくまでも感想だが、、「毒舌」であることで人気を博したまんべくんの特性と、運営者が「私見を述べる」ことは分けて考えるべきだろう。
毒舌が特性として必要ならそれを貫けばいい。好きな人はフォローするし、気に入らなければリムーブすればすむ話だ。
一方で、私見を述べたいのならば、それはその人自身のアカウントを通じて堂々とやればいい。基本的に発言は自由だし、公の秩序と善良なる風俗に反しない限り、たいてい問題は、ない。上記のように好きな人はフォローするし、気に入らなければリムーブできる。
今回は、運営者の私見が、キャラクターを通じてあたかもそのキャラクターの意見のようにブロードキャスト(散布)されてしまったことに課題がある。
うがった見方かもしれないが、公的チャネルの私的利用。(ソーシャル)メディアの本質に反する行為ととらえられかねない。
必要にかられ、企業や組織の公式アカウントを使って私見をつぶやくような場合には、予め誰が、どういう理由でそうするのかを明らかにしておくといい。そうすれば、少なくともその発言を目にしたときにびっくりする人は減るだろう。
批判めいた言い方をして申し訳ないが、今回、発言をされたご本人や町が十分に状況を理解して、良い経験として次のステップに活かされることを願っている。
さて本題。
飲み屋で話題にしてはいけないとされるテーマのトップ3は
・政治
・信仰
・野球
である。これは、怖いものベスト4の地震カミナリ火事オヤジ、くらい概念的なものだが、少なくとも私が頻繁に訪れるお店の店主は口々に同じことを言う。だから、当たらずとも遠からずと思っていただければありがたい。
では、なぜ、政治、信仰、野球を飲み屋で話題にしてはいけないのか。
飲み屋とは、社交場である。そこに集まるお客というのは、多様性に富み、様々な視点や考え方をしている。これが大前提である。
*極端だがトラファンしか集まらない居酒屋とか、お寺隣の和菓子屋とか、永田町のラーメン屋とかはもしかしたらこの話は関係ないかもしれない。
いずれにしても、多様な視点や考え方を持った見ず知らずの人を相手に、「トラは最高だ」「xx党万歳」「アーメン」とか投げかけてみたところで、コミュニケーションはほぼ成り立たないのである。
*もし成り立ったとしたら、それは最高の出会いとして自身の幸運を喜ぶべきだが。
なぜなら、自らが、その政党や、宗派や、チームを支持していることが明白な場合、あなたの視点は「絶対に」変わらないからだ。つまり、相手に賛同を求めることはあっても、反論は許せない、という構図になる。
*「絶対」と書いたが、世の中に「絶対」は絶対にない。あるとしたら、-273.15℃(絶対零度)くらいだ。経験したことないけど。念のため。
で、万が一、話しかけた相手が、水と油の関係にある政党、宗派、チームだったらどうなるだろう。
絶対にたぶん喧嘩になる。
いや、これは空想で言っているのではない。僕がxx党のことを褒めたらものすごい剣幕でからまれたし、とある宗派のことをネタにしたら気持ち悪がられたし、巨人ファンと阪神ファンが喧嘩しているのを見たこともある。
と、ここまでは当事者の話。
もっと切実なのは、お店のマスターである。
「お店で喧嘩は困るよ。」
困るんです。本当に。
お店で喧嘩があると、ほかのお客は寄り付かなくなるし、物が壊れることだってある。たいていの損はお店が被ることになる。店主は誰もそんなことを望んでいない。
つまり、
- コミュニケーションをしても視点が変化しないテーマは喧嘩のもと
- お店は喧嘩を望んでいない。コミュニケーションをしてほしいのだ
ということなのだ。
ちなみに「野球」と書いてしまったが、サッカーでも同じといえよう。日本では野球ほど顕著じゃないかもしれないが。
*少々不快な表現があったかもしれませんがお許しください。
*記載内容はすべて私見です。会社その他所属団体とは関係のない内容です。