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もしも洞察力があったなら……。

決してゾンビになってはいけない

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自分が担当した仕事に愛着があればある程、その仕事から離れなければならないときにはそれまでの愛情が転じて憎悪にも似た感情を持ってしまうことがある。

新しい担当者や責任者に向かって、かつての担当者である自分は、良かれと思って様々な苦言、質問、提言を繰り出すわけだが、時にこうしたことが、チームや事業の生産性を著しく下げることを認識しなければならない。

一昨年、自分の住むマンションの理事会で副理事長を担ったときには、過去に理事を務めた先輩からの助言や質問や苦言が相次いだ。実は当時現役の理事たちは、これらのさばきにとてつもない労力と時間を費やしたのだ。中にはもちろん良い助言もあったが、多くはそうではなかったりする。

長年勤めた会社や担当した仕事を離れると、否応なく、後任者の不出来が目につく。「自分だったらこうしたのに」、「こうあるべきなのに」、「なんでもっとちゃんとできないのか」など、苦言を提示したくなる気持ちは、よくわかる。私にも経験がある。

しかし、会社を離れ、あるいは担当を外れたあなたはもう、担当者でもなければ、マネジャーでもない。そうした苦言は良い気付きを与えるどころか、逆にチームの生産性を落しかねないことに気づかなければならない。そう、邪魔をしているのは、あなた自身なのだ。むしろ、過去のチームに向けてしまっていた意識を、自分の将来のために、新しいチームのために注ぐべきだろう。そうしないと、限られた時間がもったいない。

もちろん、真に有益なアドバイスはするべきだろう。これは、相互の価値を高めるために必要なコミュニケーションだ。しかし、こうしたアドバイスを実際にする前に、自問自答して欲しいことが3つある。

  • このアドバイスはそもそも有益か
  • このアドバイスはチームに勇気を与えるか
  • このアドバイスでお互いの時間を有効活用できるか

人が活き活きと仕事をするためには、未来に目を向ける必要があると思う。いつまでも、過去の世界を徘徊する「ゾンビ」には決してなるべきではないのだ。

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