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夏目房之介の「で?」

映画『GSワンダーランド』

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http://eiga.com/movie/53816/

すがやさんのおすすめにしたがって、TSUTAYAでさがして観ました。

ま、正直いって、おすすめするような内容のドラマではないかもしれません。が、いくつか好きなとこがあって、総体としては好きかも。能天気だし。映画の中で好きなのはほぼ以下の3点。

①当時の日劇が再現されて一瞬だが懐かしい。
②ラストのオチ(おじさんコーラスの場面ね)が好き。笑った。
③音楽構成のセンスが好き。モロしょうもないGSサウンドを今わざわざ作っていて、それがわずか数年で「ジミヘン」だ、「ツェッペリン」だといいだすようなサウンドに変化し、そのあげくに主人公たちのベタベタなタイツ姿のGSサウンドに戻る場面で、時代の急激な変化をサウンドで表現してるところ。ここは、なるほど、と思わず納得。いきなり「古くさく」感じてしまう、あの感じ、たしかにあったと思う。
映画内で使われる現代に作り直したGSサウンドと歌は、じつによくデキてますが、実際はもっと音楽的にも歌的にもヒドイのが大半でした。いいかえると、さすがに当時のまんまでやると、今の映画的にはもたないってことでしょう。ずぶの素人が出てきた的に描かれる主人公たちの音にしても、当時のGSのレベルでいえば、相当にうまいはず。いはやは、時代だ。

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