【mixi meetup 2010】②グローバルSAPの参入戦略、議事録
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引き続きmixi meetup2010議事録です。そのうち公式なプレゼンがアップされると思いますが待ちきれない方はどうぞ。記述ミスや抜け、漏れ等ありましたらコメント欄でご指摘いただけると助かります。
最初に前提情報として、最近あったソーシャルゲーム界隈の買収劇をまとめておきます。
■ソーシャルゲーム界隈のできごと
- 2009年11月
- EAがPlayfishを買収($2.7億+α)
- 2010年7月
- ソフトバンクがZyngaに$1.5億出資
- ソフトバンクとZyngaが「ジンガジャパン」を設立
- DisneyがPlaydomを$5.6億で買収。
- GoogleがZyngaに$1〜2億を出資。
- 2010年8月
- Zyngaがウノウを数十億円で買収
- Googleが中堅ソーシャルゲーム開発会社Slideを買収
まったくあわただしいですね。以下、プレゼンメモです。
■グローバルSAPの日本参入戦略
司会はメガネ美人オカザキマミさん。続いてKristian Segerstrale氏登場。控え室で見かけた金髪はPlayfishのGMだったのか。
■Playfishについて
- 日本はゲーム、特にモバイルでのリーディングイノベータという認識。西側諸国では日本に非常に注目している。
- Playfishは2007年に設立。ゲームのあり方を変えていきたいという志。評価額$50億程度。拠点はロンドン、日本、サンフランシスコ、ノルウェー。
- ゲームの潮流は戦い、戦争のようなアグレッシブなものからソーシャルなものへ。キーワードは友情、愛、駆け引き、一緒に何かする。ボードゲームのようなゲームの原点に回帰している。
- 提供しているソーシャルゲームは15タイトル、5000万人のユーザーがいる。
- EAではモバイルゲームにも注力している。
■ゲームの進化
- ゲームの進化は人類の進化に似ているかもしれない。
- 「フィジカル(テレビ、コンソール)」から「デジタル」に。
- 「製品」から「サービス」へ。
- 「スタンドアロン」から「ソーシャル」へ。
- 「(製品の販売によって)最初に課金が発生する」から「使ってから課金が発生する」へ。
- ゲームの物理的なアクセス障壁がなくなり、敷居が下がっている。それによって参加者が増えている(動画や音楽だってそうだ)。
- PS3
- Xbox360
- Wii
- iPhone / mobile
- Free-to-play / Online / Social / Mobile
(「1」が一番複雑。下に行くほどシンプルで身近な存在に。)
- Facebookは「ゲーム界のYoutube」になってきている。日本ではmixiがそれにあたる。(岡村注:Youtubeが動画をテレビやビデオプレーヤーのような物理的な障壁から解き放ったのに例えての発言)
- 競争がものすごく激しい。業界では「Hyper competition」という。(岡村注:日本ではパクリ合戦と呼ばれている)ただし、結局は消費者に受け入れられたものだけが生き残る。進化についていくスピードと、覚悟がないと戦い抜けない。
- 裁判を起こしても置いて行かれるだけ。現実的な対処ではない。
- ゲームの生産性を計る基準は「価格×販売数」から「LTV(Lifetime Value」へ。
- 勝者となるために最も重要なのは「ユーザーを正しく理解すること」。
- 多様な嗜好性
- 成功要因
- 製品のクオリティ
- ユーザーが密につながっているため広告や企業のメッセージでコントロールできない。良い噂も悪い噂もすぐに広まる。
- フランチャイズ
- 複数のプラットフォームやルート、市場で展開していく。
- 正確なユーザー像・ペルソナの把握
- ゲームのライフタイムを最大化するためには、常にユーザー動向を確認し、フィードバックを得て、改善していく必要がある。
- ブランドの確立、認知の拡大
- Facebook、iPhoneには大量のゲームがあるが、ユーザーの目に触れられるのはほんの一部。
- かつては個人が開発したゲームや、革新性が重要だった。2009年からはトップ10アプリのうち8つがブランドから発表されたゲームになった。
- 製品のクオリティ
- 大企業は新しいプラットフォームへのゲームの投入に関して、初動は早くないが、市場の拡大に伴って参入を開始し、そのブランド名で市場を奪い返す。
- ゲーム産業のトレンド
- マルチプラットフォーム
- コンソールゲームとネットの連動
- 統合と国際化
- 個別のプラットフォームだけではなく「ゲームマーケット」全体をトータルで見ないと戦っていけない。
- Playfishもそういった目線で日本を見ている。
- 「ソーシャルゲーム」という呼び名はなくなっていく。
- ソーシャル性はコモディティ化していくだろう。
- 革新
- 2〜3年後農園ゲームがもっとも人気がある可能性は低い。次々と新しいゲームを開発していかなければならない。
- 新しい技術が次々と生まれている。これらを取り込んでいかなければならない。
- マルチプラットフォーム
- オープンプラットフォームは、コンテンツ提供者と良い関係を築くことが成功要因となる。
- コンテンツ提供者は短期的な利益を優先するだけではいけない。
- ゲームを作る側が環境を革新していく、消費者、プラットフォームを理解すること。そしてそれを共有していくこと。
- mixiはオープンで公正なプラットフォーム。
■質疑応答
Q.スマートフォンへのソーシャルゲーム市場規模をどれくらいと見積もっているか。
A.市場としてはまだ小さいという認識。ブラウザベースのモデルが日本で生まれ、世界に広がっている。
Q.プラットフォームにおけるフランチャイズの成功要因は何か。
A.プラットフォーマーがコンテンツを作ることは、創成期には意味がある。ただいつまでもそれを続けるとサードパーティーの意欲をそぎ、成長を阻害する。また、自社の経営資源を集中することもできない。フランチャイズを最大限に活かすのであれば、たくさんのプラットフォームを視野にいれ、ひとつに依存しないことが重要。
Q.ソーシャルゲームが増えてくるとユーザーの登録意向や興味関心が薄れてくる。現在は広告でカバーしているが、今後はどういう方向にいくのか。
A.まずは素晴らしいゲームを作ることに集中する。広告やプロモーションは大切だが、ゲーム会社がユーザーとどのように対話していくのかを考える必要がある。よいものを作ればバイラルする。前述した通りブランドは重要。
Q.韓国や中国など世界展開について聞かせて欲しい。
A.ますマーケットに携わっているが、ローカルに対応することも大切。韓国ではサイワールドでゲームをローンチしていく。国際的なゲームをつくって国際的にやっていこうという単純な話ではなく、その国の文化を理解し、ローカルなゲームを展開していく、そしてそのユーザーと対話るることが重要。