日本人が持っている”もてなし”の文化。ソフトウェア開発に取り入れてますか?
日本の文化の特徴に”もてなし”がある。
それは、茶の湯の時代から気遣いや気配りの配慮が築かれてきた。
世界に誇れる文化である。
この”もてなし”を今も引き継いでいる代表格が旅館であろう。
お客様が到着する時間に玄関前でお出迎えして、荷物を部屋まで運んでくれる。
女将さん、従業員の笑顔。
玄関内では、スリッパを準備していて靴を脱ぐと指定の場所へ置いてもらえる。
従業員は廊下の端を歩く。
部屋ではお茶を入れながら食事やお風呂の時間を確認している。等々。。。
お客が望んでいること、自分たちが提供できること、そしてどのようにどのタイミングで提供できるのかが気遣いや気配りと共に考えられ実行されているのある。
そこで、ソフトウェア業界の中でこの”もてなし”を率先して取り入れているのがテレビゲームである。
良く考えると、ヒットしているゲームはプレイヤーの気持ちを先回りしながら、さりげないサポートをしている。
例えば、
●プレイの目標を見失いそうなところでさりげなく提示する次の目標。
●単調なプレイである場合、楽しくなるアニメーションや効果音を入れる。
●お手伝い役は派手に主張しない。
●プレイヤーの操作を想定してその先回りをすることにより、アイコンやボタンを分かりやすくレイアウトする。さりげなく発見を与えることもある。
●良いところをさりげなく褒める。
●さりげないヘルプの表示。
どうも最近はその”もてなし”を海外の製品も吸収しているように感じる。
例えばApple社。特にiPhone4やiPadの外観やユーザーインターフェイスから私たちはもてなされていると感じる。
”もてなし”を必要としているのは接客業だけではない。ましてやソフトウェア開発業の中ではコンシューマ向けのゲーム業界だけが対象の話でもない。Web制作、基幹システム、eラーニング等々、ユーザーインタフェースが関連する全てが対象となる。
その”もてなし”こそが、ソフトウェアを活用する際のワクワク感、そして感動に繋がると感じている。
そして”もてなし”から「IT業界ヒットを出し続ける企業の共通点(1)『スマート』」、「IT業界ヒットを出し続ける企業の共通点(2)『夢中にする』」
が生まれてくる。
旅館もソフトウェアも同じ。”もてなし”要素が十分備わっているところが成功するのであろう。
ソフトウェア開発の中にもどしどし”もてなし”を組み入れていきたい。
◆関連サイト
・テレビゲーム理論(序論)
・テレビゲーム理論(iPad、そしてニンテンドーDS、制限がある中で・・・)
・テレビゲーム理論(『安心感』)