中堅中小企業における書類選考とは?
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大手企業の多くはエントリーシートを導入しています。
エントリーシートとはいわゆる論文のようなものであることが多いです。
エントリーシートを会社説明会の前に提出させることで事前に書類選考をしている訳です。
大手企業の場合、その目的の多くは採用レベルに達しない学生の足切りです。
また、企業によっては応募数そのものを絞り込むために難しいテーマを出す等、ハードルの高いエントリーシートを導入しているところもあります。
しかし、中堅中小企業で同じやり方をしたら、ほぼ確実に失敗すると思います。
今回は中堅中小企業における書類選考について考えてみたいと思います。
●エントリーシートは必ずしも必要ない
書類選考とは応募者が募集要項などの要件を満たしているかどうかを確認するために事前に履歴書やエントリーシートを提出させることです。
履歴書では氏名や住所などの基本情報のほか、学歴(中身、1浪・2浪・・・)、資格や特技、志望動機などを確認します。
ただ、履歴書では志望動機や自己PRを記入する欄が足りないので、以前から別途、自社で作成したエントリーシートを使用する企業がありました。
結果、今では、大手企業のほとんどがエントリーシートを導入しています。
応募者数が多い大手企業の多くはエントリーシートによる書類選考を1次選考と位置付けて、応募者を絞り込んでいます。
しかし、大手企業のように応募者数が多くない中堅中小企業がむやみやたらにエントリーシートを導入するとかえって応募者を減らすことになるケースもあります。
また、エントリーシートを導入すれば、当然のことながらそれらを読むといった作業が伴いますので、人事スタッフの負荷が増えることになります。
他の企業がやっているから我が社もといった安易な気持ちでエントリーシートを導入するのはお勧めできません。
ただ、事前情報確認の意味で事前になんらかの提出書類は必要ですので、履歴書を提出させるのは問題ありあません。
というよりも事前情報の確認であれば履歴書の情報で充分把握することができます。
●学生に書かせることも大きなポイント
前述したように履歴書だけではスペースが少なくて、多くの情報が得られないと言う方もいるかと思います。
しかし、志望意識が高く、優秀な学生であれば、限られたスペースに簡潔に自分の思いや自己PRをまとめることができます。
簡潔にまとめた自己PRから、思考のプロセスを読み取ることで、基本的な情報は把握できるはずです。
また、履歴書は学生に手書きで書かせることも大切です。
決して文字がきれいでなくても、相手に読んでもらうという気持ちで、きちんと読みやすい文字を書いているかなど、直筆の文字を見ることでわかることが多々あります。
それでも履歴書だけでは次のステップである面接等へ進めるべき学生か否かの判断や面接に進んだ際の事前情報が少ないというのであれば、会社説明会で簡単な作文を書かせるといった方法があります。
会社説明会時に小論文のようなものを書かせるのでは時間がかかりすぎて、学生が敬遠し、会社説明会の参加数が減少してしまう可能性もありますので、簡単なテーマで作文用紙1枚程度(400字)の文章を短時間で書かせることで、本人の考え方はもちろんのこと、考えをまとめる力などを比較的平易に見ることができます。
この際、会社説明会の場で書かせて回収することがポイントです。
まれにテーマと作文用紙を渡して、次回の選考時に持参するようにとした企業がありましたが、作文が書けないために次のステップをキャンセル学生が大幅に増えてしまい、その後の採用活動に苦労したことは言うまでもありません。
決して学生に迎合する必要はありませんが、応募者数が多くない中堅中小企業では、学生に過度な負担をかけるのは得策では無いと思います。
●書類選考にこだわり過ぎない
中堅中小企業においての書類選考とは大手のような1次選考ではなく、最低限の基準を満たしているかの確認作業と捉えた方が採用活動がスムーズにいくと思います。
また、事前の書類選考に労力を割くよりも、実際に会って話をする面接に時間をかけ、行動特性等がわかるSPI等などの結果を踏まえ、判断するほうが自社に合った学生を採用出来る可能性が高くなると思います。
ただ、書類選考は最低限の基準を満たしているかの確認作業とはいっても、自社にその基準がなければ意味がありません。
ので、何よりも重要なのは、自社の「選考基準」を明確にすることです。
明確な「採用基準」は何度もお話させていただいている「求める人物像」につながります。
学生からの提出書類をどのような形にするかを考えることも大切ですが、その書類から何を判断すべきかを考えるとどんな書類を提出させるのが一番いいかが見えてくると思います。
中には、そうしたことを考えず、毎年やっているからといって形式的に書類提出させているといった企業もあります。
学生は履歴書やエントリーシートなどの提出書類の作成に相当な時間をかけています。
しかし、それに目を通さずに内容を把握しないまま、面接を行ったりすることは応募学生に対して失礼ですし、学生の方も企業の姿勢に疑問を持ちます。
学生のほうも事前に書類を読んでくれた上で面接に臨んでくれているのかそうでないのかは一発でわかります。
釈迦に説法みたいな話ですが、提出させた書類にはきちんと目を通し、その後の採用活動に生かしていくことが、書類選考の基本なのは言うまでもありません。
以上、何かのご参考になれば幸いです。