私は会社を経営する傍ら、これまで採用の“現場”を見て、さまざまなアドバイスを行ってきました。また、学生のビジネススクールの運営にも関わっており、最近の学生の生の声にもたくさん触れています。本ブログでは、「いまどきの採用・教育・若者」と題して、これまでの経験で得たノウハウを少しでも現場で活かせる為の情報発信を行っていきます。

中小企業は将来、経営を任せられそうな人材のみ新卒採用すべき

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3月に入り、今年も新卒採用活動が解禁となりました。
しかし、これはあくまでも建前上の解禁で、2月でもリクルートスーツの学生を多く目にしていました。
大手企業が前倒で採用活動を進めることで、中小企業の新卒採用が更に厳しくなるのは必至です。

事実、新卒採用ナビの中小企業のプレエントリーは伸びが鈍く、各社は追加施策を考えてはいますが、なかなか妙案が出ずに苦労しているところも多いようです。

採用ナビの掲載社数は増加の一途をたどっているのに、売り手市場で学生の動きはのんびりとしているため、学生1人あたりの採用ナビへのプレエントリー数は減っています。
加えて、大手志向の学生が多い訳ですので、中小企業のプレエントリーが減るのは当然と言えば、当然です。

こうした環境下で今後、中小企業はどのように新卒採用を進めていくべきかを考えてみたいと思います。

●2月内定率がすでに4.7%

「就職情報大手のリクルートキャリアが2019年春卒業予定の学生の2月1日時点の内定率(速報値)が4.7%と発表」という日経新聞の記事を目にした方もいるのではないでしょうか。

採用スケジュール上では3月1日が就活の解禁日なのですが、すでに100人のうちの5人が内定をもらっているのです。
採用スケジュールは倫理憲章として定められていますが、いつの時代にも守られたことはないのにこのルールが何故存在しているのか、このルールを継続させることで利益を得ているところはどこなのか・・・いつも考えさせられます。

かつ、今やインターンシップが新卒採用における学生へのファーストコンタクトと位置づけられ、大手企業の多くはどうしても採りたい学生をその時点で選別しているのが実情です。
またインターンシップ以降は「事前マッチング」などと称して学生と接触して選考を進め、どうしても採りたい学生については既に内定といったニュアンスを伝えている大手企業もたくさん存在しています。

だからと言って中小企業が同じように早めから動いても同じような結果にはなりません。
大手と同じことをやっても勝ち目が薄いのは当然です。
さらに経団連は2021年入社から選考解禁を3月に前倒しすることを検討しており、採用スケジュールはますます有名無実化することは確実です。

●年々甘くなっている感を受ける学生の仕事意識

先日、テレビで就活学生応援番組を見ましたが、学生から聞こえてくるのは「残業のない会社じゃないと嫌」「休暇制度をはじめ福利厚生制度がしっかりしている会社が良い」といった声が大半で、古いと言われるかもしれませんが、個人的には「少し考えが甘いのではないか。長い目で見てそれで本当に社会人としてやっていけるのだろうか」と感じてしまいました。

新入社員は就業経験がないため、先輩社員と同じ作業をするのにその何倍も時間がかかるのは当たり前のことです。
としますと新入社員が極端な話、入社後一切残業をせず、勤務時間内だけ仕事をし続けて、残業もやって仕事を覚えてきた先輩社員と同じレベルで仕事を進められるようになるにはいったいどれくらいの月日がかかるのでしょうか。

皆さんが何かの手術を受けることになった時は同じ手術の症例数が多い医師を希望するはずです。
当然のことながら、その域に達するには手術に従事している時間が多ければ多い程、たくさんの経験を積める訳ですし、人より早くその域に達したいと思ったら、人より多くの経験を積むしかないと思います。

確かに世の中はワークライフバランスや働き方改革といった言葉が日々使われるようになるなど、時代はどんどん変わっています。
結果、学生の意識が甘くなるのも仕方ないことかもしれません。

ので、大手企業と比較して、残業含め、福利厚生環境があまり整っていない中小企業は上述した学生には魅力的に映らないでしょう。
「じゃあ、中小企業はどうやって新卒採用を行えばいいのか」と言われそうですが、以下でしっかりと考えてみたいと思います。

一応、誤解のないように申し上げておきますが、私も無暗やたらに残業や長時間労働を推奨している訳ではまったくありません。
公私の切り替え、プライベートの充実は社会人生活を長く続けていくために本当に大切なことだと思っています。

●将来、経営を任せられそうな学生だけを採用する

考えが甘い学生が多いと感じるのは事実です。
しかし、その反面、起業を目指している学生や就職先で自分がやりたいことが既に明確に決まっている学生もあくまで感覚値ではありますが、全体の1〜2割はいるように思います。
人数で申し上げますと毎年、就活生は50万人ぐらいいますので、5万人〜10万人の学生がそれに該当します。

ちなみにこういった学生達はまったくもって大手志向(福利厚生が整備されている)の学生達ではありません。
私が総合プロデュースさせていただいている学生起業家支援プロジェクトで起業を目指している学生達と日々接しさせてもらっていますので、それは間違いないと思います。
起業を目指しているような学生達は土日関係なく、本当によく働き、自己成長のために日々勉強し続けています。

ので、自分の夢や目標を実現させるためには多少のことは苦にならない学生、中小企業はそうした考えを持っている(1割〜2割の)学生を採用していくのが良いと考えます。

新卒学生を採用する目的の一つに自社の企業文化をしっかりと受け継いでもらうということがあります。
そして将来は経営を任せていきたいというのが本音だと思います。
ですので、新卒採用ではそうした志向の学生のみを採用していくというのが一つの方法だと思います。
採用担当者は量と質とか、量より質とか言いますが、本当に質のみを求めるのです。
(今後、量は中途採用で補っていくのです、中途採用も決して簡単ではありませんが)

私のクライアントの中には私がアドバイスをさせていただきながら、一般的な新卒採用(量)を進めつつ、別途、幹部候補採用(質)を行っている会社があります。
幹部候補採用の場合、一般採用とは説明会から選考もすべて別で、将来幹部になりたいという学生以外は一切採用しないのです。

要は夢や目標を明確に持っている学生の気持ち「のみに」刺さる新卒採用を考え、入社後の処遇、教育体制含め、それらを夢や目標を明確に持っている学生「のみに」提示していくことが重要なのです。

わかりやすい例を挙げますと「30歳で年収1000万円欲しい学生集まれ!」というのもあります。
入社から30歳まで連続で売上120%を継続すれば、30歳で年収1000万円を約束するといった採用条件を提示し、それに反応する学生を採用していくのです。
今の若い世代はお金にあまり興味はないと言われますが、お金に興味がある学生もかなり少数ではありますが、確実にいますので、そういった学生だけに刺さればいいと割り切ればいいのです。

今まで新卒採用は「マス・マーケティング」で戦略構築してきましたが、今後はダイレクトリクルーティングに代表されるように「One to Oneマーケティング」で戦略構築する流れが一層加速すると思います。
今までお話してきたことは「One to Oneマーケティング」の最たる例だと思います。

時代の変化とともに学生の意識もものすごいスピードで変化しています。
そうした中で、企業側も守るべき考えは守りつつ、変えるべきところはスパッと変えていくことが必要です。
それが自社が求める人物像に合った人材を採用していくことに繋がるはずです。

私も変化のスピードが激しい現代社会に合った新卒採用の手法をしっかりとクライアントにご提案し続けたいと思っています。

今回はかなり割と極端なお話をさせていただきましたが、今の採用難を乗り切るにはこのぐらいの振り切った発想も大変重要だと思います。

以上、何かのご参考になれば幸いです。

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