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いくら滑舌がよくても語尾不明瞭は大損している 「語尾落ち」しないための方法

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どんなにボイストレーニングを積んでいても、たとえ良い声を持っていても、しゃべっていて語尾が不明瞭なのはいただけません。
 
スピーチの現場にたちあうと、語尾の不明瞭な方がとても多いような気がします。もちろん語尾に向かってだんだん強くなる必要はありません。
 
例えば、
「これはこういうことで良ムニャムニャ・・・」
と文章の終わりまでしっかりお話しなさらないと、「良いのです」なのか「良くないのです」なのか、肯定と否定の区別がつかないことさえあります。
聴き手の聞こえかたによっては、全く正反対の解釈をされてしまうのです。
これだと、せっかく話していても不本意ですね。
 
語尾を不明瞭にお話しなさると、聴き手は、話しの意味を一生懸命聞き取ろうとしてストレスがかかります。
大事なプレゼンでそうなってしまうと、どんなに親切な人でもフェードアウトしてしまいますので気をつけなくてはなりません。
 
一対一だったら、聞こえにくくて意味が分からない場合、また、想像力で補えないほどの場合は、「今のところ、もう一度おっしゃっていただけますか?」とたずねることもできます。でも、相手が自分よりあきらかに年上の方だったり、大事なお客様ですと、意味を探ろうとして何度も聞き返すと失礼になるかと思ってしまいたずね難いですね。
以前、途中で諦めてしまい、メールで確認したこともありました。
 
すごく声が良くて、ある程度の滑舌を持っていても、語尾が不明瞭なの例はとても多いです。
そして、そういう方々は、自分の録音を聞くと大変驚かれます。
 
「え?やだ!最後まできこえてない!」
 
そう。お話ししているご本人が気がついていないのです。自信があったので、出来ていると思っていたと言います。
 
それでは、気がつけば出来るのか?
こちらが何度も注意すれば直るのか?
そういう方を何人もレッスンしてきましたが、「気がついてもそんなにすぐには直らない」ものです。
 
たまに直る方もいらっしゃいますが、しゃべり方のクセのようなものがあるようです。
ずっとそうやって話してきてしまった、というリズムのようなものがあるのです。
だから、いきなり「語尾までしっかり~!」と意識しすぎると、なにをしゃべっていいのか分からなくなり、口が止まってしまう方もいました。
 
語尾の不明瞭は、色々な原因があります。
頭の回転が早く、次にしゃべることや次のチャートが気になってしまう。そういうときは、たいてい前のめりで、リズム感が早く間がとれていないので、聴衆はついてこれていません。
お優しい性格で、日常から、はっきりとしたものの言い方をなさらない方も多いように感じます。
言葉の最後で、口や鼻に手をやってしまうクセのある方も響きがストップされてしまい聞こえ難いですね。
 
私も以前は、「最後が落ちてるよ」とよく注意されていました。言われたときは「え?そうなの」とあまり気にしていなかったのですが、録音を聞くと意味が伝わらず、語尾落ちは本当に良くないことが分かります。
 
滑舌が悪ければ最初から最後まで聞こえ難いので、「語尾が聞こえない」という現象は、滑舌の問題ではありません。
 
語尾落ちは、語尾の最後で横隔膜を抜いてしまうのが大きな原因です。
横隔膜を緩めてしまうと、呼吸が流れなくなり、とたんに声の響きが落ちてしまい、滑舌の良い人でも聞こえなくなってしまうのです。
 
語尾落ちをなおすためのコツはまず第一に横隔膜を最後までしっかり使い、息を流すこと。
そして、語尾を横隔膜でしっかりと止めることです。
横隔膜を最後まで使えれば、多少語尾落ちのクセがあっても、自然にしっかり話し切ることが出来るようになります。
「語尾落ちしないように!」と考えると、かえって話しがしにくいものです。トレーニングによって無意識に横隔膜が使えていれば話しの内容に集中出来ますし、自然に語尾落ちしないようになります。

 
それでは、最後まで語尾落ちしないための横隔膜のトレーニングをご紹介します。

★★横隔膜止めボイストレーニング★★
 
1、横隔膜のあたり(おへそと一番下のあばら骨の間)に両手を当てる
 
2、顎を下げて口を開け、思い切り息を吸う
 
3、口を閉じ、唇に針一本通るくらいの隙間を開けて、呼気の空気で頬と鼻の下をパンパンにふくらませたまま、思い切り息をはきながら「ふぅ~~~」と「う」の母音で発声する。大きな声は必要ありません。軽い声で行います。唇の間で常に息が摩擦しながら流れているように。手の当たっている場所、横隔膜やベルトのあたりが手を風船のように「張り返している」感覚を意識してください。
 
ポイント:息の流れは、口の前にティッシューをかざすと地面と平行に5秒以上はためくように
 
4、息がなくなる前に、お腹が張り返していた手を「グイッ!」と押して止める。「ふう~~~(押す)う!」となります
 
5、再び口を開けて2から繰り返す

基本の「横隔膜ボイストレーニング」を応用しています。

朝オフィスに到着したら5回行ってください。5回行ってもたった1分弱です。

☆☆参照記事☆☆

本番で良い声を出すために 一日1分簡単な「横隔膜ボイストレーニング」

滑舌を良くしたい方向けには・・・

舌筋を鍛える簡単なトレーニング方法 これで滑舌が良くなり歌にもプレゼンにも効果があります

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