「話が軽く見られてしまうのはくやしい」 知的で説得力のある響きを手に入れるビジネスボイストレーニング『深い母音編』
私が提唱するビジネスのための良い声とは、知的でリーダーシップを感じさせる声です。
そのためには、明るくハキハキとしゃべって好印象を与えるというよりは、「この人は真実を語っている」「この人は魂から話している」と聴き手が感じてくださるような声です。
そのために、日本語の発声において、マイナスになってしまう部分があります。
特に最近に見られる傾向なのですが、例えば、時代劇の役者さんにしても母音が明るく、平たくなっているように思えます。それはそれで良い面もあるのですが、昔の時代劇のビデオを観ると、若い役者さんでも声が低く奥行きのある響きを持っています。思わずその時代に自分が引き込まれて、感情移入してしまうような日本語の迫力を感じさえてくれるのです。
だからと言ってわざわざ「古めかしい」話し方をしなさい、と言っているわけではありません。
日本語の発声は、ラテン系の発声に比べると確かに浅い響きがします。
特に日本語の「あ」は、広くで発声しやすい母音なのですが、さらに薄く広がってしまうような響きにエスカレートしやすい。
「そうですからァ」「どのように思いますかァ」など、「あ」の母音が、語尾で響きが「散ってしまう」のは、深みがなく損をしています。
語尾の母音は「お」の響きを少し混ぜてください。
「あ」の場合
「お~」と言いながら、「あ」と聞こえるまで口を調整してください。途中で「あ」と聞こえたらそこでとめる。その響きが深い「あ」です。
また、「そうですね」などの語尾。「え」の母音も同様です。
「え」も浅く平たく響きやすいので、これも同様に「お~」と言いながら「え」と聞こえるまで口や舌を調整する。少しでも「え」と聞こえたらそこでとめる。
全体的に子音も含めて口を常に「お」に近い状態に制限して話せればベストです。
「お」の口をして、そのまま左右の人差し指を口の脇にそえて枠を作ります。その枠から出ないように全てを話せますか。
そのためには、
1、舌の筋肉(滑舌)を鍛える
2、口の中を広く保つ
3、[m][n][ng]トレーニングにより響きを作る
この3点が必要です。
あまり 口の前をハキハキと開け過ぎると肝心の響きが散って逃げてしまう というマイナス面があります。とくに日本語の母音の響きは、普通にしていても浅く広がりやすいものです。もちろん、お友達同士の会話では、そのほうが親しみが持てて良いと思いますがビジネスのシーンではそぐわないこともありますね。
母音の響きが「浅く広がらないように」するということが、知的に感じさせるポイントです。
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