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子音に音程をつけると上手に聴こえてくる

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母音と子音。
普段話しているときというのは、あまり気にしないでしゃべっていると思います。
 
しかし、歌となると別。
この母音と子音をどう歌うか、というところで決定的な差がついてしまいます。
 
2012年3月10日合唱団コール・リバティストに東京混声合唱団の秋島先生をお招きしての練習を行いました。
 
今までは、「あ、い、う、え、お」の母音をいかに発声するか、ということを中心に書いてきました。
しかし、子音も同じように大事な役割があります。
この日は子音について、特に[n]の子音について。
 
[n]の子音は、「第六の母音」とも言われています。
歌の場合、[n]に音程がつきますので、母音と同じような扱いが必要なのです。
 
他には[z]や[m]や[l]や[r]などにも、時間がかかって音程がつきます。
特に外国語は、音程がつく子音に音程がついていると、外国語らしくきこえます。
 
例えば「Ave Maria」と歌うときの「Maria」。
 
「m~まr(巻き舌)~り~あ」というように[m]と[r]に音程がついていると、あたかも外国語がよく分かっているように聴こえてきます。
 
そして日本語の場合、[n]の発音「ん」がとても多い。
 
「ん」は[m]のときもありますが、たいていは[n]です。
[n]は口を開けますが、[m]は口を閉じる、という違いがあります。
 
[m]の場合は、「新聞紙」「先輩」など、「ん」の次に[b]や[p]などの破裂する音がくるときに用います。破裂させるときに一度口びるをしっかり閉じなくてはなりませんから、[m]を使って、口の動きを一度ですませたいのですね。
 
[n]「ん」の発声のやりかたは、口を少しあけて、舌が上がって上アゴに舌先がべったりとつきます。舌の筋肉が弱いと、舌先が上アゴにしっかりつかず、[l]に聴こえてしまうか、空振りして母音しか聞こえないこともあります。「バナナ」が「バララ」とか「バアラ」と聴こえてしまったりするのです。

舌の筋肉の筋力トレーニングはこちらを参考にしてみてください。
舌筋を鍛える簡単なトレーニング方法 これで滑舌が良くなり歌にもプレゼンにも効果があります
 
この日は、林光編曲の「日本抒情歌集」より「椰子の実」「叱られて」「曼珠沙華」を歌いました。
 
高い音域での「ん」が頻繁に出てくるので、「ん」が決まるまで苦労します。
 
山田耕筰の最高傑作「曼珠沙華」などは、曲の始まりから「Gon~ shan~」と[n]を響かせながらのばすところがたくさん出てきます。
[n]がよく発声できないと、なかなか言葉が聞こえてきませんから、[n]のトレーニングは必須ですね。
 
稽古では[n]の「ん~」にビブラートをかけることを練習しましたが、これはすごく大事な方法です。
「ん」にビブラートがかかるということは、きちんと腹式呼吸と横隔膜がつかえている証拠。「ん」は息が通りにくいですから腹式呼吸で息を送り込んであげることが必要です。[n]がよくなれば表現にも幅がでてきますから、ぜひ試してみてください。
 
「曼珠沙華」本当にすごい曲。奥が深くて怖くなります。でも、ぜひ良い演奏をしたいですね。

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