高い音から低い音まで自在に歌えるようになりたい そのためは喉のリラックスと舌のトレーニングから 江戸ッ子のようになってやってみよう
皆さん、前回ご案内した「リップロール」やっていらっしゃいますか?
そう。唇をブルブルとするあのトレーニングです。
コンサート当日本番直前は、このリップロールとハミングだけで準備する有名歌手もいるくらい、喉の状態を良くするにはとても良いエクササイズです。
声を出すのに一番必要なのは喉のリラックス。
喉に力を入れて声を出そうとすると、かえって本来もっている声が発揮できないのです。どんな人でも素晴らしい声帯という楽器を持って生まれてきています。
それを上手に生かしてサポートしてくれるのがリップロールなんです。
忙しいときでも、ちょっとした時間を見つけてトライしてみてくださいね。
一週間に2日だけ1時間続けて練習するより、毎日数十分、小分けにして練習するほうがはるかに効果的です。
さて、今日はもう一つ良いトレーニングをご紹介しますね。
私の発声基本方針は、以下の通り。
1、どんな人でも
2、簡単で、
3、防音室がなくても
4、立派なピアノがなくても
5、やれば効果がある
どんな人でもコツさえつかめば必ず出来ます。
皆さん、「タングトリル」ってご存知ですか?
「巻き舌」です。
江戸っ子が、荒っぽい感じで威勢良く、べらんめえ調でののしっているとき使われるあれです。
落語家さんは、皆さん巻き舌上手ですよね。
外国語の歌を歌う場合、巻き舌が出来たほうが良いですね。
ラテン語やイタリア語はもちろん、ドイツ語、スペイン語、など・・・も必要です。
「タングトリル」は「リップロール」と同様の効果があり、舌のトレーニングもできる最高のエクササイズです。
「RRRRRRR・・・・」と音の無い状態で20秒くらい続けられるようになってください。「トゥル・・・」というように「トゥ」から開始するとやりやすいと思います。
それが出来るようになったら、巻き舌をしながら、「オ」と「ウ」の中間くらいの母音で音程をつけていきます。
声部関係なく、なるべく低音から高音まで行います。
音を動かさずにロングトーンで、4分音符メトロノーム60くらいで4拍ずつ、中間のドから半音ずつ下降してファくらいまで、男声ならさらに下のドまでは出したいですね。
それからまた半音ずつ上がり、真ん中のドに戻り、今度は真ん中のラよりオクターブ上のラくらいまで上がって、また真ん中のドに下がる、というように、広い音域をまんべんなくトレーニングしてください。
タングトリルの口の状態なのですが、唇は少し開いています。
そして、口の中は当然狭くなっているのですが、これを出来るだけ広く保つように。
「0.1ミリでも広くとろう」と思ってみてください。
ブレスの時は、あくびをイメージして、必ず一回ずつ口を開けて息を吸うようにしてください。
リップロールもタングトリルも、口をほぼ閉じた状態になっていますから、ブレスで口を開けるのがちょっと面倒になってくるかもしれません。
でも、歌にとって口の中が開いていることはとても大事なことなんです。
ブレスによって口の中の空間をとるエクササイズにもなりますからぜひ行ってください。
リップロールとダブルで行うと効果はさらにアップします。
一日おきに交互にやってもいいですね。
巻き舌がどうしても出来ない人のために、続きはまた次回。