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ブロガーの社員に対してどうするか

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先日マーケティングの授業でブログに関するケースを扱いました。

ケーススタディは大抵実際の企業についてのケースを読んでディスカスするのですが、今回のケースは架空のケース(それでも実際に起こったことを参考にしている場合も多いですが)でした。

内容は、ある医療用の手袋の製造販売をしている企業の話で、工場長のアシスタントをしている女性のブログがものすごい影響力を持っている。CEOはその彼女に対してどうすべきか?というのが主なテーマ。それに関連して、ブロガーはなぜブログを書くのか?目的は何か?ブロガーは会社にとっての資産か問題児か?などなど議論がありました。

彼女のブログ記事は以下のとおり。

1.プライベートライフについて。

2.以前販売されていた手袋についてベタ誉め。その結果、宣伝も一切していないその手袋が爆発的に売れた。

3. 新製品の手袋について。取引先の病院について、「帝王切開の数が異常に多い病院。そのようなところを取引するのは倫理的にいかがなものか?」と書いた。

主にクラスのディスカッションでは、3を問題にあげて、「彼女をクビにすべき。」という意見を言った人が何人もいて驚きました。それ以外には、徹底的に無視する、彼女をPR部門に異動させて会社のオフィシャルブログの担当に、とか、会社のオフィシャルブログを立ち上げて彼女に対抗する、などなど、様々な意見が出ましたが、やはり、国や地域によって、まだまだブログというのが社会的にあまり認知されていなかったり、個人の日記の延長という捉え方が多いんだなあという印象を受けました。(そもそもブログ自体を知らない人も・・・)

私自身、ブログを始めたのは2004年。(当時は偽名でプライベートライフや社会に対する意見を赤裸々に書いていました。)それ以来執筆はずっと続け、2008年にはアジャイルさんと協力しつつ、クライアント企業のために一からブロガーミーティングの企画運営を担当したこともあり、ブログについては誰よりも知っているという自負がありました。そこで、やっと発言の機会を得られた時には、私自身ブロガーであるということと、自分の経験から学んだことや意見などを発表し、一躍「ブロガーMamiko」としてクラスで有名になってしまいました(笑)

そこで私が主張したのは、①(よほどの法律違反を犯したり、企業に著しい損害をもたらしたのでない限り)危険だというだけで彼女をクビにするのは大きな間違いである。②企業は社員のブログに関して最低限のガイドラインを作るべきだし、実際すでにガイドラインを持っている企業も多々ある、③ブログの信憑性はコントロールが及んでない素直な意見だからこそあるのであって、会社がなんらか関与することはそもそも前提を覆す、④私は自身のブログに学校のことを書いているが、それは学校にとってはむしろ喜ばしいことであり、私は学校にとっての問題児でなく、価値ある資産である(これは半分冗談ですが)。

特にクビにすると主張した人に向けては、「ブログの読者もまたブロガーである場合が多い。ブロガーゆえに解雇というニュースはブログからブログへと広がりあっという間にブログスフィアを駆け巡り、会社にとっては大きなイメージダウンになるだろう」と脅しておきました。またブロガーがブログを書く目的としては、以前オルタナティブブロガーの交流会で林さんが、ブロガーとしてのキャリアについてお話されたのがとても印象的だったので、あるブロガーの話、としてクラスで紹介してきました(許可もなく。すみません。)「ブログ継続365日(1) ブログを書きはじめたきっかけ

企業がどうブログとつきあうか、というのは正解のない議論であり、授業の後のランチでもブログについての質問責めにあいました。特にコスト対効果というところは大変に難しく、私は特に外部の人のブログに関しては「企業として一切無視」というのも有効な選択肢であり続けると思っています。ただ、私自身もブログを書き続けるであろう身として、企業は最低限のしっかりとしたガイドラインを作ると共に社員のブログに関しては奨励していくべき、と個人的には考えています。ちゃんとしたことをやっていって社員がその会社で働いていることを誇りに思っているならば、企業にとってマイナスになるようなことはきっと書かないでしょう。また、ブログスフィアで間違った情報が出た場合、社員の多くがブログをやっていれば、そこで反論したり、誤った情報を正したり、といった自浄作用、監視作用のようなものも働くと思います。

今後も一ブロガーとして会社とうまくつきあっていきたいなと願う今日この頃でした。

追伸:私のブログを読みたいけれど日本語だから何が書いてあるか分からない、とクラスメートから文句を言われました。ある人は、Google translaterを使って読もうとしてました(笑)が、訳が分かりにくいと言ってました。日本には結構いいブログがいっぱいあって(オルタナティブブログも!)、世界の人にも読んでもらいたいと思いますが、今後translaterの機能が向上すれば、それも可能になるかもしれませんね。

Comment(8)

コメント

こんにちは。すごく納得するところなので、TBさせていただきました。ありがとうございます。

Mamiko

ookiさん。ありがとうございました。エントリ読ませていただきました!

久野さん
海の向こうで私のブログを事例としてとりあげていただきありがとうございます。
国によっていろんな考え方があるんですね。勉強になりました。
今まさに、企業との付き合い方を試行錯誤しています。でもマイナスではなく、会社にとってもプラスに作用しているような気はしています。
でもおっしゃるとおり、置かれている立場や企業の風土も違うので正解はないと思っています。自分が当事者になることによって、結構考えさせられることは多いと思います。また、ブログの議論の続きがあったら、共有してください(笑)。

Mamiko

Hayashiさん。コメントありがとうございます。これまでは日本のブログ文化をアメリカとの比較で認識していましたが、世界規模で考えるとアメリカのようなジャーナリスティックなものは少ないにしても日本でのブログは情報源としてかなり広まっていますね。日本語ブログは英語に次ぐ世界第2位の多さということを思い出しました。会社経営をやっている人などはやはり自分のコントロールの及ばない(及ぼせない)ブログに対して不快感のようなものを抱いているようでした。国によって会社内でのパワーディスタンスが大きいか小さいか(=フラットな組織)かなども関係しそうですね。

仰る通り、会社として明確な指針があって然るべきですね。経営する側としては、管理できず「暴走する」危険性を孕んでいるので、二の足を踏むのも理解できます。

この架空のケースですと、(2)と(3)に問題があると思います。

(2) 従業員として会社の業績と密接な利害関係があるため、この関係が明記されていることが必要ではないでしょうか。つまり会社に勤めていることを明らかにしたうえで「一個人の意見」として述べる。

(3) 病院に対する名誉毀損あるいは相手からの取引停止という事態を招く可能性があります。このブロガーには、医学的判断を下すことはできないし、また企業の倫理観と照らし合わせて、取引を止める権限もありません。あと「帝王切開が多い」という情報が、個人として得られる公のものなのか、取引関係にあるから得られたものかで、守秘義務に反する可能性もあります。病院側に会社の意見と受け止められしまうと、会社の取引に害を与えるかもしれないので大問題です。

Mamiko

wasaweblogさん。コメントありがとうございます。ご指摘の点はクラスでも議論されました。
(2)に関しては、ブロガーの責任と共に読者もブログをどう読み取るかという責任があると思います。ブログではありませんが例えばアマゾンのレビューコメントに筆者自身がベタ誉めのコメントを書くこともありうるということは、コメントを読む私たちが意識すべき点でもあります。実際、会社の見解でなく一個人の意見であると明記するという指針は多くの企業で実践されていますね。
(3)に関しては、守秘義務に反したり、取引停止を招いて企業の損害をもたらした時点で確実にクビ(&/or損害賠償)でしょうね。ちなみに本ケースでは、帝王切開が多いのはその病院がその道に関してのエキスパートだという理由だったということを当ブロガーが病院の看護婦から聞いて、最初の主張を撤回し、結果的に取引はめでたく成立、というところで話が終わっています。彼女の製品に関する深い洞察、業界内での人気、知名度と影響力の大きさに鑑みると、会社としてはしっかり彼女と話し合ってブログを書く上でのガイドラインを定め、お互いに不利益にならない道を模索するのがベストかと思っています。リスクを考えると「ブログ一切禁止」にしたくなる経営者の気持ちもわかりますが、エントリ内でも書いたブロガーのもたらす利点を考えると、リスクマネジメントした上で利点を得るという方向を探っていって欲しいなあと個人的には思います。

追伸、について、おもしろいですね。

わたしのブログは、基本的に英語で書いて、簡単な日本語訳をつけるというスタイルをとっています。

ある日、クラスメートから「本文は読めるけれどコメントの仕方がわからない!」と言われました。そうですよね。日本のブログサービスを使っているので仕方ないですが・・・
なので英語版コメントの方法を作成して、掲載してみました。
http://ameblo.jp/shunsuke4126/entry-10203779370.html

それから、Flagcounterなるもので、どこの国からのアクセスが多いのかを測定しています。いまのところ日本6割、アメリカ4割という感じです。

実際にはアメリカからのアクセスでも日本人もいらっしゃいますので、日本7割といった感じでしょうか。ユーザ満足度向上の観点からいくと日本語で書くべきかもしれないですが、自分の英語の練習も兼ねちゃってますので・・・、英語で書いています!

Mamiko

>Seanさん
コメントありがとうございます。
英語と日本語両方つけるというのが理想だと思います。私もアメリカ人に「ブロガーです」と言うとたいてい皆さん読みたがるので、「日本語なんでごめんね」と言っていますが、時間と能力があれば両方で書けたらいいなと思っています。そうすれば読者も倍になるのに。ネットの世界はワールドワイドと言いつつ、やっぱり日本語が分かるのは日本人だけということで日本人は損してるところもあるように思いますので、Seanさんのような取り組みはすごくいいと個人的に思います。

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