最近1ヶ月くらい、お家で空き時間を見つけつつやっていたのが、お家のIPv6化でした。

(追記:書いてしまった後、ひょっとしたら誤解を引き起こす恐れがあることに気づきましたが、ここで「IPv6化」と言っているのは、「IPv4をかなぐり捨ててIPv6だけで生活する」ではありません。IPv6にも対応してデュアルスタック化する、という意味でした。

まだまだ、ISPからIPv6をネイティブでもらえるというケースは少なく、特に個人宅へというケースはほとんどないと思います。というわけで、今回IPv6のコネクティビティをもらったのは、トンネリングです。IPv6 over IPv4、という感じです。実験的にやっている業界同僚のエンジニアにお願いしてトンネルの設定をしてもらって、IPv6のアドレスもちょっと(といっても膨大な数)分けてもらいました。-- こればかりは、自分の社団で分けているからと言って、そこから持ってくるわけに行かないんですよね。

僕自身はIPv6に特に強いわけではないし、エンジニアというものは2,3年前に足を洗っていますから、かなり「見よう見まね」ながら、まーそこそこ「やればできんじゃん」という感じでした。

ルータ
作業は、ルータにおけるトンネル設定から。いつかIPv6のコネクティビティがもらえる日を想像しながら、ルータはIPv6対応済みのものにしてあったんです。このルータは、Webインターフェースでもコマンドラインでも設定ができるのですが、Webインターフェースだけだと、超典型的な構成しか実現できず、コマンドラインで多少修正を。勘違いなどでちょっと遠回りはしましたが、当初考えた構成が実現。めでたしめでたし。

サーバ
自宅に置いてあるサーバ箱にIPv6の設定を。OSはFreeBSDで、IPv6へはコンフィグだけで対応可能。インターフェースにIPv6アドレスを設定すると、とりあえずそのサーバからIPv6でインターネット上の対地に通信が可能になっていました。これは想像通りの簡単さ。

その後、サーバで動いているDNSやらメールサーバやらでIPv6でも動作するように設定変更していく。こちらは、既に動いているサービスなので若干慎重に。メールサーバの設定ファイルに、IPv6対応の行例が含まれていなかったが意外だったけど、それもWeb引きした情報や参考書籍から、数行付け加えるとOK. ワンタッチとは行かないまでも、さほど苦労せずにIPv6対応が完了。


クライアントたち
我が家には、WindowsXPマシンとMacBookがありますが、こちらも、かなり難なく。
WindowsXPの場合、「コマンドプロンプトで"ipv6 install"と打てばv6化完了」と言われています。僕のマシンは既にそうなってたので、ルータの設定が完了した時点で、IPv6のアドレスを自動的にもらって、通信可能な状態になっていました。

MacBookはMacOS X。ネットワーク設定のところで「IPv6」を「自動」にする、だけ。設定を適用するとともに(以下同文)
ちなみにParallels上でWindowsXPも動いていますが、こちらも "ipv6 install"一発でサクッと動くように。Macとの間の仮想ブリッジなんか、単純じゃありませんが、心配は杞憂に終わりました。


。。。で?
全くの一般ユーザの方でもここまで簡単に行くかというと、きっとそうは行かないんでしょうね。少なくとも前はネットワークエンジニアだった人間が、それなりの情報を持ち合わせた上でやっているというアドバンテージはあったんでしょうが、そうはいっても、IPv6化に関しては想像通りスムーズに完了しました。

さて、使ってみましょう!

IPv6アクセスを噛み締める伝統的な方法:kame.netに行くと亀が踊っているはず。 をー、踊ってる踊ってるー。
最近だと:ipv6.2ch.net に行くとひろゆきが踊ってるらしいぞ。。 をー、踊ってる踊ってるー。
APNICのWebサイトに行くと、IPv6でアナウンスするとひと味違うはず、、をー、ページがリニューアルされたけど、IPv6向けバナーもちょっとかわったぞー。


。。。 で?  

そう思われた方多いと思いますが、これが重要なポイントかも知れません。

以上のようなサイトは「IPv6でアクセスしたユーザに、IPv4とはちがったコンテンツをわざわざ見せている」だけなんです。アプリケーションが違わない以上、ユーザが違いを感じることができることは、皆無と言って良いと思います。過去にもIPv6推進のために「IPv6だけにキラーコンテンツを」とか、そういう議論はたくさんあったんですが、そんなキラーコンテンツがあるんなら、人がたくさんいるIPv4に置きたいに決まっているわけです。

僕だったり、ネットワーク屋の皆さんは、正にネットワークの部分が興味の中心にありますから、pingやtracerouteの結果や、アクセスログにIPv6のアドレスが見えるだけで、ウハウハ言って喜べるんですけどね。。


ただ、ですね、僕がここまでの間で、IPv6のために特別に何か準備したものと言えば、ルータくらいです。それ以外のMac,Windowsのクライアント,FreeBSDのサーバは普通に手に入るものでした。LANのスイッチは、5年前くらいに買った2,000円くらいの何の変哲もないものだけど、なんの不都合もなかったですし。

ユーザのレベルでは、コネクティビティが手元に来さえすれば、そんなに苦労することなく、IPv6化ができてしまう、と言うことです。これは、あと3年もするとIPv4アドレスがなくなるという状況の中で、非常に大きな好材料です。

ちなみに、誰がIPv6化しているかという意味で言うと、最近IPv6 Forumで "IPv6 enabled program" という認定ロゴプログラムをやっていまして、こちらからIPv6でアクセスできるWebの一覧や、対応ISPの一覧が見られます。これはサイトやISPの申請ベースなので、申請していない人、というのは見られないんですけどね。

また、上で書いたようにメールサーバがIPv6対応になりましたので、誰がIPv6でメールを送っている(SMTPのセッションをIPv6で張る)か見たんですが、昨日見た限りでは、APNIC, ARIN, IETF, NANOG といった辺りは、IPv6でメールを届けてくれていますね。地味ながら、こうやってログやヘッダを見ながら、IPv6対応の浸透をにやけながら見る、というのがしばらく楽しみかも知れません。(やっぱ変ですかねぇ。。)

maem

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前村 昌紀

前村 昌紀

JPNIC インターネット推進部 部長。
インターネット自体とそのガバナンス・コーディネーション全般に興味あり。

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