広告営業さんは訪問しなくなったというビジネスの変化
IT業界の話で恐縮です。一昔前、広告を出そうと検討する前にも、広告営業の方は頻繁にベンダーを訪問していました。新しい媒体の情報をそこで聞き、またベンダー側も「こういう広告なら出したい。今はこのくらいなら予算がある」というフィードバックを広告営業の方に伝えるような。
でも、以下によってその状況が大きく変わったように思います。
- 世代交代して、「営業は訪問しないといけない」と感じる担当が減った
- ネットが普及しそこで媒体資料も見られるしメールの添付も容易で、訪問しなくても大丈夫になった
- 企業買収により超大企業と、中小企業ばかりになり、中小企業の数が多すぎて訪問しきれないうえに、お金にならない(→超大企業のみの訪問となる。パレートの法則により8割の売上げは2割の客、つまり大企業から入ってくる)
- 営業担当の人数が少なくなり、1人で数多くのクライアントを抱えており、小さいところを訪問する余力がない(訪問できたらしたほうがいいのだけど、あまり売上げにもならずに優先順位が下がる)
- マーケティング担当者も少ない人数で仕事を回しており、昔のように頻繁に営業担当者に会う時間が取れない
以前ある編集長に「加藤さん、うちの営業が訪問もせずにメールで済ませてしまってビックリしたよ。会いに行くのが普通でしょう?」と言われたのですが、どうもそうではなくなった印象です。
もちろん個人差もあり、某社のアラサーの広告営業の方は訪問重視で、予算等に合わせて企画も考えたりする方です。
ただ、統計をとったわけでなく肌感覚でしかないのですが、営業担当者の訪問が減っているように思います。やはりごく一部の超大手に集中しているのかもしれません。
良い面は、ネットでラクに済ませることが可能になった事であり、悪い面は、顔も見ずに仕事が事務的に進んで行くことでしょうか?
若干古めな私は、出稿が決まっても広告営業の方が訪ねて来ないので、自分から訪問をしてしまったのですが、今考えると先方は迷惑だったのかもしれません。そしてそんなことを言いつつも、何事もメールで済ますことが増えて来た自分がいます。
何事もネットで済ませるといえば、2008年にこんな記事(ネットの利便性の裏、失われる対面コミュニケーション力)を書きました。当時はまだ今のようなソーシャルメディアの盛り上がりもなかったわけですが、対面が減ったことによる危機感をもっており、その気持ちは今も変わりません。
世代の違いか、個人差なのか、時代が変わったのか、本当のところはわかりませんが、ネットの便利さと対面の良さとをうまく組み合わせて仕事をしていきたいものです。