新人マーケを狙う商売その1ー月刊○○
今日は、新人のマーケティング担当者を狙う商売について、少し書いてみたいと思います。1つめは、取材商法です。
取材と言えば、ITメディアさんのようなところから記者が来て、製品の説明やビジネス戦略などを聞いてくれて、趣旨があうようであれば、後で記事になるというものです。ベンダーではなく、ユーザー企業のところに取材に行くケースもあります。もちろんお金を取られることはありません(広告ではないので)。
よくある取材商法はまず電話から始まります。
「○○という月刊誌を出している編集部です。○年前から出しており、経営者層などに読まれております。実は、御社の社長とXXさんとの対談を企画しておりまして・・・」
などと言ってきます。XXのところに入るのは、一昔前に流行した熟年女優、元Jリーグの監督、昔流行した、日本語の堪能な外国人タレント、元野球選手、元お笑いタレント、元オリンピック選手などの名前が入ります。確実に聞いたことのあるタレントの名前ですが、共通点は最近はテレビでみかけない人たちだということです。
ここで、まあ取材ならいいかなと思ってしまうと、電話の相手は更に続けます。
「実はこの取材にかかる費用の一部を、いくつかの企業の方々にご負担していただこうと思っておりまして・・・1社あたりのご負担は○○円を考えております」
そこで初めて、取材とは言いながらも、純粋な取材ではなく、ペイドパブ(Paid Publishing、つまり広告企画という、お金を払って記事の形の広告を雑誌に掲載してもらうこと。記事体広告ともいいます)の勧誘だと気づくわけです。
ただ、金額もそれほど高くないし、有名人と対談したら、社長も喜ぶかな、まあ、受けてみようか、と考える企業も比較的多いようです。
その結果、まったく聞いたことがない雑誌、書店でもおいていない、誰も読んでいない雑誌に社長と一昔前の有名人の対談が掲載されることになります。
もちろん、製品の売上や認知度の向上にはまったくつながりません・・・
そればかりか、「あ、この雑誌に引っかかったようなら、うちのにも引っかかってくれるかもと、他の怪しげな会社からの勧誘が増えるらしいと聞いたことがあります」(これはあくまでも噂ですが)
新人マーケの人は、「取材」という名の商売に是非気をつけてください。
有名人に会えて社長が喜んだとしても、それは、「マーケティング」とは関係のないことなのです。
ちなみにこの月刊誌の名前を入力してぐぐると、ご丁寧にもこの会社の取材を受けた企業がこぞって、
月刊○○に弊社社長が取材されました!!
と書いているのを見ることができます。
それが、かえって怪しげな雰囲気を醸し出しています。
どんなに探しても月刊○○自体のWebにはたどり着きません。
もちろんその月刊誌を出している出版社のサイトも見つかりません。
地方のシステム開発会社、ベンチャー企業などが多く取材を受けているようです。
もしこのブログの読者の人で、この月刊誌は有名で、たまたま加藤が知らないだけじゃない?という人がいたら、教えてください。一応IT業界の人30人くらいに確認したのですが、どなたもこの雑誌の実物をみたことがありませんでした。