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エンタープライズコラボレーションの今と今後を鋭く分析

安易にできると応えないで代替案を考えて

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 仕事柄システムの調達のお手伝いをすることが多い。導入したい仕様を定めてそれにあった製品を探したり、各種サービスの提案を受けてそれを評価する作業だ。もう何度もやっている作業だが、相変わらずひどい営業に会うとげんなりする。

 特に困るのは、なんでも“やります”“できます”と応える営業だ。以前にもこのブログで愚痴を書いたことがある。

 

 不景気で案件が少ない昨今では営業がこうやって案件獲得に必死になるのはある程度は理解できる。技術者も交えてちゃんと中身まで吟味して判断してくれていれば良いのだが、中にはパッケージ製品なのに追加機能をなんでも受ける営業もいる。安易なカスタマイズや本来の製品コンセプトからかけ離れた機能追加は製品バランスを壊し良い結果にならないだろうにとこちらが心配してあげることさえある。自社製品なのに本来のコンセプトや中身をあまり理解していないで安易に売ろうとする営業が増えているように感じる。

 では安易な“やります”“できます”を見破るには、どうすれば良いか。私がひとつ判断軸にしているのは「代替案の提示の有無」だ。
 提示された機能や仕様の表層面だけを見ている営業は答えに“できる”か“できない”の2つしか思いつかない。しかしその仕様の背後に隠されたニーズを理解している人なら提示された機能や仕様以外の実現方法を提示できる。ITだけでなく人間系まで含めたシステムで考えた場合実現手段がひとつしかないニーズというのは少なく、ちゃんと考えれば代替案をいくつか提示することはできるはずだ。
 こちらからは最終的にやりたい事やその機能を使うシーンを説明し、その実現索について回答を受けるとちゃんと考えているかそうでないかは結構わかる。

 安易に“やります”“できます”と答えて受注した後に実はできないとか別途コストがかかりますなんて言われることは少なくない。無理して実装してもらっても使いにくかったり、製品のバージョンアップ時にサポート対象外になったり法外なバージョンアップ費用を請求されたりすることもある。頼む側も“やる”“できるようにする”にはコストがかかるのだから、どこかで回収されるということは理解した上で要望を出すべきだろう。

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