2008年が始まったと言うことで、欧米でイントラネットでの情報共有や情報流通を専門にしているコンサルタントやベンダー、専門家等の今年の予測をざっと見て回ったところいくつか面白いネタを見つけたので順次紹介してみたい。

#失礼しました。当エントリーは昨日(1/22)に下書き中に操作を誤って公開してしまったもので、一端下書きに戻させていただき、本日(1/23)に再公開させていただきました。

 FAST Forrward BlogにTrampoline Systems社のCEOのCharles Armstrong氏が「Enterprise Social Computing: What will happen in 2008?」と題して2008年の予想を4つ挙げていた。

  1. Facebookの企業内利用について多くの企業で試行が始まるが、大部分は失敗する
  2. マイクロソフト社ののSharepointがシェアを伸ばす
  3. より業務に特化したソーシャルコンピューティングアプリケーションが登場する
  4. 「エンタープライズソーシャルコンピューティング」という言葉が普及する

 さて最初のFacebookの企業内利用についてだが、例えば日本ではMixiを企業内のビジネスに活用するというのは想像がつかないが、米国では真面目に議論されているようだ。何万人もの社員をいくつもの国にまたがって雇っているような国際企業では人材の流動性も高いので、社員を所属やプロジェクト、専門分野などで捜し出すのが結構大変らしい。これをFacebook上のデータベースを使ってデータベース化して、社員がプロジェクトに必要なスキルを持っている他の社員とコンタクトするなど社員同士のコミュニケーションにつなげようということが模索されているようだ。FacebookをSaaSとして使い、そこに社員名簿を構築する試みとでも言えばよいのだろうか。
 実際に昨年末にイスラエルのWorkLightという会社からはWorkBookという企業向けFacebookアプリケーションが発表されている。このアプリケーションはFacebookイソフトで、これを使うと、FaceBook上のデータの一部を他社の人から見られなくしたり、自社が他社の社員へアクセスすることを禁止したりすることができるらしい。{参考:ITproの記事「「Facebook」を職場で活用,WorkLightが対応アプリ「WorkBook」を発表」}ちなみに価格のほうは、1ヶ月1ユーザ10ドルの従量課金とのこと。
 但し、Charles Armstrong氏はこうした試みについては、大半は何も生み出さず失敗するとも言っている。理由は2つあって、企業内とコンシューマではソーシャルネットワークの普及に求められるテクニックが異なること、もう一つはそもそも企業内業務においてソーシャルコンピューティングがあまり必要ないのに一時の熱狂でだけ導入が行われるケースが多いことをあげている。
 この部分については、いつものパターンということもあり、私もちょっと耳が痛い。

 2番目は、ソーシャルコンピューティングに注目する企業は増えるが、彼らの多くがあまりなじみのないWeb2.0系の技術への抵抗感からSharepointを選択して、結果としてSharepointのシェアが上がるという予想については、私は日本でも同じ事が起きると予想する。ソーシャルコンピューティングがよく分かっていないのに「BlogとWikiを入れたい!」とだけ叫ぶような担当には、Sharepointのこなれたデモンストレーションは魅力的だし、エンタープライズ契約の内容によっては追加コストなしで使えるというのも手軽だ。
 これも過去に良くあった歴史の繰り返しで、その中でよく勉強して調べた企業は、Sharepointでの模擬的機能ではもの足らないことに事に気づいて、より専門的なWeb2.0系ツールを選択するという予想にも同意する。

 3つめと最後のはよく分からない。
 確かに業務特化型のものが出れば面白いけど、そもそもミッションクリティカルな業務でソーシャルコンピューティングが必要だという業務は少なく、コールセンターやコンタクト管理といった数少ないそれらには既に業務特化型のものが登場しているから。さらに裾野が広がるということだろうか。
 「ソーシャルネットワーキング」「エンタープライズ2.0」「ソーシャルソフトウェア」「ウェブ2.0」「ソーシャルグラフ」を包括する言葉として「エンタープライズソーシャルコンピューティング」が適しているとは、私にはあまり思えない。また一つバズワードが増えるだけのような気がする。

yoi

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吉川 日出行

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