[定点観測]実名ブログ界の動向 2007年10月版~過剰な自意識が継続的な情報発信を生む
今月はデータ入手が遅れて報告も遅くなってしまったが、10月分の実名ブログの動向レポートを行う。ITmediaのオルタナティブ・ブログとイザ!(iZa)記者ブログと専門家ブログの3つの実名ブログでの2007年10月の投稿状況を分析した。
オルタナティブ・ブロガーの継続率は横ばい~オルタナにもついに大量投稿者が登場
10月のオルタナティブ・ブログには、2名の新規ブロガーが参加し、総投稿数は846件。アクティブ・ブロガー(毎月月に1回以上投稿するブロガー)率は先月と同じ51.0%を維持、アクティブ・ブロガー内での月間平均投稿数は、前月の10.68から11.13へ急上昇し過去最高となった。実は平均投稿数が急上昇したのは、1人で月に50通以上投稿をするブログの登場が原因である。辻俊彦氏の「キャピタリストの視点」の10月の投稿数は、実に52通。これは従来の大木豊成氏の「走れ!プロジェクトマネージャー!」2006年2月の46通の投稿を上回って過去最高記録になる。
持ち直したiZa
先月に来年以降の存続を心配したイザ!(iZa)であるが、10月は継続率では持ち直しを見せている。記者ブログが61.4%(8月)→55.4%(9月)→66.3%(10月)、専門家ブログは71.4%(8月)→60.3%(9月)→61.9%(10月)となった。しかし平均投稿数は、記者ブログで15.30(9月)→14.45(10月)、専門家ブログのほうが8.82(9月)→7.97(10月)と投稿数は減っている。10月は産経新聞社内で若干の異動があったようでそれでブログを復活した記者も何名かいるようだが、iZaにおけるブログ疲れの傾向は止まらない。
自意識の高さは情報発信につながる
さて、今月はちょっと面白い視点でブログの継続率を分析してみたい。実は実名ブログの特徴というか実名ブログだからできることに、ブログのタイトル名に自分の名前を入れるという行為がある。この特徴に注目してみた。
基本的にブログのタイトルを何にするかはブロガーの自由である。実を言うと私もオルタナティブ・ブログを始める際にブログ名に名前を入れることを一旦は検討をした。が、辞めた。
ブログのタイトルにまで自分の名前を入れるからには、自意識が他の人よりも強い可能性が高い。自意識が高ければ認知欲求も高くなると思われるし、なにより自分の名前のついたブログならば愛着が沸いて辞めにくくなるのではないか。ならばブログのタイトル名に自分の名前を入れたブロガーは継続率が高いはずだ!残念ながらiZaの場合は記者ブログは全員名前入りのブログタイトル、そして専門家ブログには名前をブログ名に入れているブロガーはいないので自然と分析対象はオルタナティブ・ブログに絞られる。
オルタナティブ・ブログでブログ名にブロガーの名前を入れているブログは26個(うち19個は姓名全体を使用、残りは姓名のどちらかを使用)で、これは全体の17.4%にあたる。そして、この26個のブログの10月時点での継続率は65.4%、平均投稿数は12.8となり私の仮説は裏付けられた。
このことから得られたノウハウ(教訓)は「社内ブログなど投稿を積極的に行わせたいときはブログ名にブロガー名を入れることを(やんわりと)推奨した方がよい」あるいは「自分でブログを続けるぞと思ったときにはブログ名に自分の名前を挿入したほうが良い」ということだ。