このところのブログとSNSブームにのって、国内でも様々な会社からイントラブログや社内SNSの構築パッケージが発表・販売されてきているようだ。何度かこのブログでも書いているが、こうした個人単位での情報発信を可能とするツールを使っての企業内での情報共有や情報流通については、従来のものとは違った可能性がある。
しかしながら、ブログやSNSも今までのツールと同じように、まずは使ってもらわないと始まらない。ここで言う使うということはブログ(日記)を書くということだ。しかしながら他のナレッジマネジメント関連ツール同様に、この書く=発信するという行為が最もハードルの高いものである。先日紹介した90:9:1の法則のように発信者は全体の一部にとどまったり、最初はものめずらしさもあって日記を書いても2、3ヶ月で飽きたり、書くことが無くなって面倒くさくなって辞めてしまう人も多い。
ブログ/SNSベンダーは自社製品を売るときに、このあたりをどう説明しているのだろうか。このツールは便利ですよとかこれで情報共有や活用ができますよといって売り込んでいるはずであるが、書くのが面倒なブログなんてだれも書かないのではないだろうか?たとえ書いたとしてもじきに飽きて書くことを辞めたりしないのであろうか?という疑問にどう答えているのか、ちょっと知りたいと思った。
そんな疑問を検証すべく、古今東西でエンタープライズ向けにブログ/SNSツールを販売しているベンダーの公式ブログをひととおり調べてみることにした。ブログ/SNSツールベンダーのピックアップは、業界誌である日経ソリューションでの2006年4月15日号の記事「ブログ構築ソフト」およびブログ/SNS関連イベントである「Business Blog & SNS World」の出展者リストを元に私が知っている数社を加えて作成した。
また何がベンダー公式ブログかという定義も曖昧であるが、とりあえずは製品紹介の掲載されたホームページ上にリンクのあるものをベンダー公式ブログとみなすこととした。ブログが複数ある場合は、社長や事業部門責任者といったより高位な人あるいはブログのリンクの掲載位置が企業紹介ページよりは商品ページにリンクのあるものといったように私のほうで勝手に判断をした。逆にブログが1つしかない場合はブログ部門の社員が書いているもの以外のブログでも公式ブログとした。
ブログを調べ始めて中身を読み始めたところ、前述したような私の疑問に答えてくれるエントリーはあまり無かった。それどころかブログ/SNSツールベンダーであっても公式ブログを持たないベンダーが全体の4割もある。まさに「紺屋の白袴」である。さらに実名ブログの調査と同じように投稿数をカウントしてみたところ、ブログ/SNSツールベンダーの公式ブログの2006年10月の月間の平均投稿数は9.7件(9月は9.1件)であった。この数字を実名ブログでの数字である14.39と10.12と比較すると若干低い。そして、驚くべきことは4社のベンダーの公式ブログがご他聞にもれず2、3ヶ月で更新停止(全体の継続率は71%)となっているのだ。飽きてしまったのだろうか?
参考までに調査シートのイメージを掲載しておく。この画像ではここ1年分の投稿データしか表示していないが、リスト中最古のものは2003年7月に始まり今も継続している。他にも1年半以上継続しているブログが4つある。こういった地道で真摯な取り組みには素直に讃嘆の声をあげたい。
自社でそういったツールを売っておきながら自らはブログを書くことを辞めてしまう姿と投稿数は少なくともたんたんと書き続ける姿。別にブログを書くのも個人の勝手だといえばそれまでであるが、ブログを書くのに飽きるのなら製品をサポートするのにもいずれ飽きてしまうのではないだろうか。こういう組織としての姿勢は製品の品質に影響を与えそうだ。今後ブログ/SNSのパッケージ製品選定をする際にはこういった部分も評価ポイントに加えたほうが良いと思った次第である。
(注)文中にもあるがベンダーのピックアップとエントリー数のカウントは私が個人的に手作業で行ったものである。漏れなどがあってもご容赦をいただきたい。
===2006/11/02 PM追記。リスト追加の為、画像差し替え
こんなエントリーを深夜に書いていたら本日午前中に以下のニュースを発見。
富士通ソフトウェアテクノロジーズ、企業向けSNSを発売
なんとタイミングの良いことかと思い早速ページに行ってみたが、今のところ公式ブログは見つからない。国内大手ベンダーとしては、日立製作所に続いての富士通系の参戦である。今後この市場はしばらく活性化しそうなので定期的にウォッチしておきたい。
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- PR -| さかい | 2006/11/02 13:38 |
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この間、お話をされていたヤツですよね。他人事だと思うと、面白い!! ただ、紺屋の白袴は、当社にとっても、かなり、耳の痛い話です。。。 | |
| Nobu | 2006/11/02 22:34 |
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やや乱立気味ですね。1年経たずして淘汰が始まるのではないでしょうか。他のナレッジ系製品にも言えると思いますが、導入後の運用を見据えた製品、システムでないと長続きはしないでしょうね。これが生き残りのポイントではないでしょうか。 | |
| 通りすがり | 2006/11/03 00:23 |
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Wikiも注目を集めていますね。Why Wikis Are Conquering The Enterprise(http://www.internetnews.com/xSP/article.php/3640486)という記事もあります。参考まで。 | |
| Kawakami | 2006/11/03 07:38 |
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SNSにせよ、Blogにせよ、ビジネス分野で定着しないのは、ビジネスヲタクが現われないからではないかと思いますね... | |
| ひとこと | 2006/11/27 01:50 |
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http://it.nikkei.co.jp/internet/news/index.aspx?n=MMITba000010112006 というのがありますね。 | |
| yoshikawa | 2006/11/28 00:50 |
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みなさまコメントありがとうございました。 | |
| 小野 有紀 | 2007/05/01 18:13 |
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ベンダーとしては頭の痛い問題です。 | |
| Yoshikawa | 2007/05/03 12:29 |
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小野さん、コメントありがとうございます。 | |
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