先月の終わりに発表されその後ベータ版の提供も始まったマイクロソフトのポータル製品であるSharePointServer2007についてだがその後、各方面から続報が報じられその概要が明らかになってきた。
まずマイクロソフトが製品名をSharePointPortalServerからSharePointServer(略称はMOSSになるそうだ)へ変更してきたように、製品のポジションというか狙いがこのバージョンで再度修正された模様である。SharePointPortalServerは一番初期の2001では、グループコラボレーションの促進と効率化を狙いとした製品であったが前バージョンのSharePointPortalServer2003の際にターゲットを企業内情報の総合的な入り口としての全社ポータルまで広げたのである。言葉を変えると中心的機能が文書管理やコラボレーションからコンテンツ統合やアプリケーション連携へとシフトしたのである。以前のエントリーで書いた3階層ワークプレイスモデルで言うと「グループ・コラボレーション・ポータル」だけでなく「コーポレート・インフォメーション・ポータル」をターゲットとしたのである。この件については、この際にガートナーなどいろいろな調査会社から「姿勢が不明瞭」や他のMS製品を売るためのおとり製品だと揶揄されたりしていた。
ところが今回のバージョンでSharePointServerは再度ターゲットを「グループ・コラボレーション・ポータル」に絞りなおしたようである。このことは今回のSharePointServerではProjectListと呼ばれる、同じプロジェクト内で仕事を行なう人同士でのToDoの共有やブログやWikiといった共同作業系の機能を強化してことに現れている。一旦WSSに移された文書管理機能がどこまで機能拡張(回復?)されたかまではわからないが、少なくとも今後、Exchangeサーバからパブリックフォルダ機能を移行される方針になったようである。
Exchangeサーバは先ほどあげた3階層ワークプレイスモデルの最下層にあたる「パーソナル・ワークプレイス・ポータル」にあたる製品であるが、複数人間での情報共有ツールであるパブリックフォルダ機能をExchangeからはずすことは、モデルの各階層のユーザニーズに製品とその機能がきちんと合致することになる。
このコンセプトは案外的を射ているのではないだろうか。前バージョン時代に目指した全社ポータルという面ではSharePointPortalServerは実際にあまりシェアを広げることは出来なかった。この原因はSharePointPortalServerのスケーラビリティや拡張性によるものと接続性の課題だと推測している。全社ポータルの場合は基幹系のシステムとアプリケーション連携をする必要が必ず発生するが、この連携する相手の基幹系システムは現状まだまだマイクロソフトワールド以外のプラットフォームで稼動していることが多く、連携の実現面には大きなハードルがあった。
話を元に戻すが、今回焦点を絞りなおしたチームコラボレーションの分野はもともとマイクロソフトの得意とする分野であり彼らのこなれたユーザインターフェースやOffice系アプリケーションとの細かい連携など魅力的な部分は多い。現在のこの分野での覇者はノーツ/ドミノであるがここ最近ノーツ/ドミノの勢いは弱まっており、今後逆転の可能性は充分にあるのではないだろうか。
あえて今後の課題をひとつあげるとすれば、ノーツ/ドミノの利用ユーザでおきた、プロジェクト(グループ)別データベースが多量に乱立してその結果欲しい情報のありかがわからなくなるいった現象にどう対応するかということだろう。複数のチームサイトをまたがって作業をするユーザにどう情報を効率的に通達・配布・共有するのかという問題である。
SharePointServerがこの「グループ・コラボレーション・ポータル」として充分な機能を持つとすると、特にパーソナルワークプレイスとしてのメールやスケジューラにExchangeやOutlookを使っている企業にとっては魅力的な組み合わせとなる。またそうなるとSharePointServerが一旦あきらめた「コーポレート・インフォメーション・ポータル」部分については、BEAAquaLogic(ポータル専業ベンダーであるPlumtreeを買収した製品) あたりを組み合わて複数のSharePointSeverを統合するというのが、現時点では最良の組み合わせということになりそうだ。
さて、実のところ、筆者はまだSharePointServerのベータ版を実際には触っていない。近々評価環境を構築して具体的な機能を仕様評価して見るつもりである。その時はまだ続報を書いてみたい。
※Groove2007については一応自分の端末にインストールして触り始めたので、これについてもおいおいコメントを書いていくつもりである。
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