第31回 SkyDriveの強化(1) ファイル管理をより簡単に
2011年11月30日にマイクロソフトのWindows Live SkyDriveの機能強化がありました。以前もSkyDriveの機能強化のお話をしましたが、今回もそれに続いての機能強化です。
SkyDriveとは?
SkyDriveはマイクロソフトの提供するオンラインストレージサービスです。使用料は無料で容量は25GBまで使えます。まさにパーソナルクラウドと言ってもいいでしょう。SkyDriveは、全世界でユーザー数5億人、毎月1700万のファイルがアップロードされ、今までアップされたMicrosoft Officeの文書は3億以上、WindowsPhoneのユーザーから毎月平均120枚/ユーザーの写真の自動登録があります。
今回の機能強化
今回の機能強化は大きく分けて二つあります。
- ファイル管理をより簡単に
- 共有をよりわかりやすく便利に
それぞれについて今回と次回の二回に分けてお話したいと思います。今回は、「ファイル管理機能の強化」です。
ファイル管理がより簡単に
ドラッグアンドドロップのサポート
従来Webベースのオンラインストレージサービスで、ファイルをアップロードする際には「ファイルアップロード」のメニューを選んでファイル選択ダイアログボックスが出てファイルを選択していました。SkyDriveでは、ドラッグアンドドロップによるファイルのアップロードをサポートしました。と言っても、もともとドラッグアンドドロップはサポートしていました。InternetExplorerのみで、Silverlightの機能を使っています。ファイルの追加をクリックすると下記のような画面が出てきて、ここにファイルをドラッグアンドドロップすればアップロードできました。
さらに今回はファイルの追加メニューを操作するのではなくSkyDriveのファイル一覧に直接ドラッグアンドドロップできます。
アップロード中は、下記のように進捗状況を示す画面も出ます。
このようなファイル転送中の状態で別のページに移動しようとすると下記のようなメッセージが出て知らせてくれます。
ファイル一覧に直接ドラッグアンドドロップできる機能ですが、HTML5のFile APIの機能を使っています。よって、この機能をサポートしているWebブラウザでのみ動作します。対応しているブラウザは、InternetExplorer10、Chrome、FireFox、Safariです。InternetExplorer9は皮肉なことにHTML5 File APIをサポートしていないため、ファイル一覧への直接のドラッグアンドドロップはできずに先に書いたファイルアップロード用のボックスにドラッグアンドドロップすることとなります。IE10の正式リリースが待たれます。(実は私はこの機能のためだけにChromeを入れました。)
複数ファイルの同時処理(バルク処理)
今回からファイルやフォルダの左側にチェックボックスがつきました。Windowsのエクスプローラと同様ですね。このチェックボックスをチェックすることにより複数のファイルを同時に選択でき削除、移動、ダウンロードができるようになりました。複数選択されたファイルのダウンロードはZIP形式で圧縮アーカイブされてダウンロードします。
フォルダ・ファイル名の作成と変更
ファイルやフォルダの新規作成や名称変更が、ファイル一覧の上でそのままできるようになりました。従来は変更ダイアログボックスが出ますが、下記の図のように画面全体を書き換えることなくWindowsのエクスプローラと同様にできるようになりました。名称変更は名称変更メニューを選択するかF2キーを押すと変更できます。
右クリックのサポート
従来は、ファイルを選択して画面右側にある操作のリンクをクリックしてダウンロードや削除を行っていましたが、右クリックによるメニューがサポートされました。よりWindowsに近い感覚で操作できます。
最近使ったドキュメントの表示
最近使ったドキュメントを表示させるメニューができました。(共有については次回説明します。)これで最近操作したファイルが容易にわかるようになりました。
よりWindowsとシームレスな関係に
ここまで読まれて、「なんだWindowsのエクスプローラの話をしているだけじゃないか」と思われると思います。ここがポイントなんです。今回の機能強化では、よりWindowsエクスプローラと近い操作ができるようになったということです。さらにドラッグアンドドロップによるファイルアップロードによりあたかも別フォルダにコピーするような感覚さえ受けます。それはよりWindowsとシームレスな関係になっているということです。つまり、オンラインストレージであるSkyDriveが自分のPCのハードディスクと同じように扱えるということです。Windows8と呼ばれる次期WindowsではよりSkyDriveとWindowsの親和性が高まってくると思います。オンラインストレージを意識させないものとなっていくと思います。さらに、SkyDriveのデータは他のPC、MacやWindowsPhoneなどのモバイルデバイスからどこからでもアクセスできます。いつでもどこからでも今までと同じ操作でデータを利用できる、そんな環境が整備されつつあります。
次回は、SkyDriveの強化された共有機能についてお話したいと思います。