グローバル化する中で日本人はどのようにサバイバルすればよいのか。子ども×ICT教育×発達心理をキーワードに考えます。

英語教室(English Classroom)の設置とICT活用

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理科を担当されている望月陽一郎先生(中学校教諭)に「主体的・対話的で深い学び」を実現するための取り組みを取材しています。望月先生は現在英語科の先生と、「英語教室(English Classroom)」づくりに取り組んでいるそうです。

今回(第21回目)は、

  • 英語教室(English Classroom)にみられる特別教室のメリット
  • 特別教室におけるICTの活用

を中心に伺ってみたいと思います。

【望月陽一郎 先生・略歴】
大分市 中学校教諭(理科担当)。大分県教育センタ- 情報教育推進担当主事、指導主事、大分県主幹等を経て、現職。
https://www.facebook.com/yoichiro.mochizuki/aboutを参照。

◯「英語教室(English Classroom)」について

望月先生:今年度は英語の先生が「英語教室(English Classroom)」をつくりたいと年度当初に提案がありました。特別教室にすることで英語に特化した設備や掲示などのメリットがあります。そこで私も

  • iPad(昨年度から教室に持ち運びしていたもの)
  • 新しく配備されたWindowsノートパソコン

などがすぐに英語の授業で使えるように春休み中から準備を手伝いました。

 中学校は教科担任制ですが、子供たちは理科・英語・音楽・美術・保健体育・技術・家庭それぞれの授業を、教室から特別教室に移動して受けることになります。英語教室(English Classroom)ができたため、教室で授業を受けるのは、国語・社会・数学だけとなりました。

-私が中学生・高校生の時は教室で英語を習いました。時々、リスニングの練習で録音機器がある視聴覚室で英語の授業を受けた経験がありましたが。望月先生は英語の先生から英語教室の設置とICT活用についての相談を受けたとおっしゃったので大変驚きました。今は英語科の専用の教室があるのが普通なのでしょうか。

望月先生:英語教室はあまり聞きませんが、あってもおかしくはないと思います。

-私の学生時代は体育や家庭科、芸術系の授業は専門の教室で受講しましたが、今は大半が特別教室で行われているのですね。

◯特別教室でのICT機器の活用の工夫について

-特別教室を設置するメリットはどこにあるのでしょうか?

望月先生:特別教室だと専用の設備(理科室では実験器具など。英語教室ではフラッシュカードなど)を置くことができるため、先生も時間的な余裕ができ、リフレクションシートによる振り返りをさらに広げることができると私は考えています。実際英語科の先生も、「Can Do Card」というシートを今年度から準備して取り組んでくれています。ひとつの成果ですね。

-リフレクションシート(子どもたちによる授業のふり返り)を活用する時間が確保できるのはいいですね! ICT機器の活用(プロジェクター・iPad・新しいノートパソコンなど)については、どのように設置されたのですか?

望月先生:今年度つくられた「英語教室(English Classroom)」でICT機器を活用しやすくするため準備したものは次のとおりです。

  • スタンド型スクリーン(立てて固定)→教室天井についていた常設のスクリーンを使用
  • プロジェクターを置く机(延長タップを準備してコンセントから延長しました)
  • プロジェクター(昨年度学校で購入したHDMI対応(音声も流すため)HDMIケーブルは新しく準備しました))
  • iPad(有線アダプタ+HDMIケーブルで接続する)
  • 新しく導入されたノートPC(Win10+Office2016 無線LANでインターネット(教育用フィルタリングつき)につながる)
  • bluetoothマウス(無線マウスを新規準備してPCのそばにいなくても操作できるようにした)
  • いまはこれらを少しずつどの場面で使うか実践を始めてもらっている段階です。

-個人的には

  • プロジェクター(昨年度学校で購入したHDMI対応(音声も流すため)HDMIケーブルは新しく準備しました))

に特に注目しました。

[補足]HDMIケーブルについて、Amazonの解説を引用させていただきますね。

 HDMIケーブルとは、パソコンやレコーダー、ビデオカメラなどのデジタル家電の映像と音声をデジタルテレビに送るためのケーブルである。劣化しにくいデジタル信号を用いているため、高解像度の映像もゆがみ無くにじみ無く伝送することができる。またHDMIケーブルは音声の転送に対応した機器同士を接続した場合、映像と音声を1本のケーブルでまとめて送ることができる。

https://www.amazon.co.jp/HDMI%E3%82%B1%E3%83%BC%E3%83%96%E3%83%AB-%E3%82%B1%E3%83%BC%E3%83%96%E3%83%AB/b?ie=UTF8&node=369447011

より引用

望月先生:HDMIケーブルやbluetoothマウスをうまく使うことで、ノートパソコンをCDプレイヤー代わりにもできないかなと考えました。英語ではCDを使うことがよくありますが、できるだけ使う機器をまとめてしまう(数を減らす)ことが、スムーズに授業をすすめるポイントですからね。

-CDプレイヤー代わりにもできる、というのがいいですね! 「bluetoothマウスを使うことでPCのそばにいなくてもよい」も注目しました。bluetoothマウスを使うメリットは何ですか。

望月先生:「映像を転送するのでなく、操作を転送できる」ことです。

-そこがポイントなのですね。「操作を転送する」とは具体的にはどういうことなのでしょうか。

望月先生:プロジェクターにHDMIケーブルでつながっているノートパソコンのそばに行かないと操作できないのでは授業中の先生の「動きを制限」してしまいます。bluetooth無線でつながるマウスであればそばに行かなくても操作できます。そうすることで限られた授業の時間を英語の活動にあててもらうことが可能になります。

 また、教室内のどこからでも操作できるということは、子どもたちの間をまわりながらでも、スクリーンに映し出された画面を操作できますね。

◯今後の展開について

-もし予算に問題がないとしたら、「英語教室(English Classroom)」に、さらにやってみたいことはありますか?

望月先生:先程の話の発展型としてプロジェクターにノートパソコンの映像を転送できると、さらに教室内の自由度が増すのですけどね。今は投影が有線なのでどうしてもそばに置かないといけません。特別教室は面積が広い場合が多いので、室内での無線接続は大いにメリットがあると思います。

-特別教室にICT機器を設置する際に、意識した方が良い点がありましたら教えてください。

望月先生:中学校などでは、このように普通教室だけで授業するわけではないので、普通教室に集中して常設機器を整備してもあまり意味がないことを、整備する側に知ってもらう必要がありますね。Facebookで「英語教室(English Classroom)」について話題に出したところ、反応がすごくありました。それだけ新しい取組だということでしょう。

うちの学校でも初めて作った特別教室でもあり、これから機器だけでなく授業づくりについてもサポートしていきたいと思っています。

-英語科の先生はどのような感想をおっしゃっていますか。

望月先生:すでに機器の活用をすすめているようです。今使っているプロジェクターを設置している場所が、天井に設置されたスクリーンを使っている関係で、どうしても子どもたちの席の間になってしまい、子どもたちの影が入ったりするということです。そのため「短焦点」のプロジェクターが使えないだろうかという相談を受けています。なんとか準備したいと思っているところです。

-こういった実践から出て来る情報を先生同士で交換するとよいですね。

おわりに

今回は「英語教室(English Classroom)」のお話と特別教室でのICT機器の活用についてのお話を伺いました。これから特別教室向けの機器設置がどんどん進んでいくとよいですね。今回の事例が多くの先生方の参考になればと思いました。

新学期が始まり、まだ一ヶ月ほど。家庭訪問の時期にもなりました。望月先生をはじめとする教育現場の先生方は大変ご多忙だったのではないかと思います。学年主任や教科、英語教室の相談などご多忙な中、インタビューにお答えくださった望月先生、記事を読んでくださった皆さまに感謝の気持ちでいっぱいです。大変ありがとうございました。

参考記事

先導先生 - DiTT(デジタル教科書教材協議会)
※望月先生の45の取組みが紹介されています。

まとめ記事

今までに取材した「授業でのICT活用のポイント」「学校でICT機器を活用する時のポイント」「教材作成時に気をつけたい著作権の問題」などについては、以下の記事にポイントをまとめました。ぜひご参考にされてくださいね。

第16回~20回目のインタビューは下記のURLからご覧いただけます。

▼アクティブ・ラーニング(子供たちが学びに向かう姿)の視点からの授業改善(その1)
https://blogsmt.itmedia.co.jp/kataoka/2016/06/active-learning.html

▼アクティブ・ラーニング(子供たちが学びに向かう姿)の視点からの授業改善(その2)
https://blogsmt.itmedia.co.jp/kataoka/2016/07/active-learning.html

▼アクティブ・ラーニング(子供たちが学びに向かう姿)の視点からの授業改善 学期末の子供たちの感想編http://blogs.itmedia.co.jp/kataoka/2016/08/active-learning.html

▼リフレクションシートから見る「主体的・対話的で深い学び(アクティブ・ラーニング)」の視点
http://blogs.itmedia.co.jp/kataoka/2017/01/reflection-sheet.html

▼「主体的・対話的で深い学び」を促すための「板書・教材提示のバランス」
http://blogs.itmedia.co.jp/kataoka/2017/03/presenting.html

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