グローバル化する中で日本人はどのようにサバイバルすればよいのか。子ども×ICT教育×発達心理をキーワードに考えます。

【やってみた】国家資格キャリアコンサルタント試験 試験対策と勉強方法

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先日、国家資格キャリアコンサルタント試験(第3回)の合格発表がありましたね。受験したみなさまに良い結果が訪れていますように。

そして、第4回以降を受験する方に向けて「日本キャリア開発協会 (JCDA)とキャリアコンサルティング協議会」の試験結果(合格者数、合格率など)の部分を最新データに置き換え、「出題された問題の考察」等も適宜、アップデートすることにしました。

これから受験する皆さまのご参考になりましたら、うれしいです。

なお、私は昨年末(第2回)に日本キャリア開発協会で受験し、学科・実技ともにギリギリの点数で合格。実技試験を受験した時点で、「薄氷を踏むようなロープレだった」と思って帰宅中に胃痛になりました。身体の感覚が実際の点とシンクロしていたのが驚きでした。自分が受験した時をふり返り、今後受験するみなさまの参考になればと思った次第です。

これから書くことはすべて筆者の主観・私見です。認識の誤りがあるかもしれません。受験期メモを読むような感覚で、お読みいただけましたら幸いです。

日本キャリア開発協会 (JCDA)とキャリアコンサルティング協議会の試験結果

国家資格キャリアコンサルタントは、日本キャリア開発協会 (JCDA)とキャリアコンサルティング協議会の2つの団体で受験可能です。

第3回キャリアコンサルタント試験の学科及び論述試験は、両団体ともに2017年2月19日に開催。※学科試験は両団体共通の問題。論述試験は、団体ごとに問題が異なります。

実技試験(ロールプレイング)は、

  • キャリアコンサルティング協議会:同年2月25日(土)・26日(日)
  • 日本キャリア開発協会:同年3月4日(土) ・ 3月5日(日)

に開催されました。

第3回試験のデータを比較すると、合格率は二つの団体の間でほぼ同じになったのが決定的な点でした。第2回試験の時は、10%以上の差がありましたので、両団体での調整がようやくうまくいったと考えられます。以下、団体ごとにデータをご紹介しますね。

前回との違いが大きい部分は、下線を引きました。合格率は比較できるように第2回のデータも併記しました。

日本キャリア開発協会 (JCDA)

以下、https://www.jcda-careerex.org/files/result/124summary.pdf のデータを引用しました。表示のみ筆者が加工しました。

【学科試験】

  • 受験者数 1,461人
  • 合格者数  925人
  • 合格率  63.3%  (第2回は、74.8%

【実技試験】

  • 受験者数 1,652人
  • 合格者数 1,022人
  • 合格率  61.9% (第2回は、59.4 %)

※実受験者数:1,931人

---

【学科、実技試験 同時受験者】

  • 受験者数 1,175人
  • 合格者数 571人
  • 合格率  48.6% (第2回は、50.7%)

※筆者の私見ですが、学科、実技試験 同時受験者は、

  • 初めて受験した人と、
  • 学科もしくは実技試験の片方にだけ落ち続けて、再受験した人

の両方が含まれると考えられます。

キャリアコンサルティング協議会 (以下、CC協議会)

以下、hhttps://www.career-shiken.org/files/grade2goukaku_C_2nd.pdf のデータを引用しました。表示のみ筆者が加工しました。

【学科試験】

  • 受験者数 750人
  • 合格者数 496人
  • 合格率  66.1%(第2回は、77.2%

学科試験の問題はJCDAと共通。

【実技試験】

  • 受験者数 858人
  • 合格者数 564人
  • 合格率  65.7% (第2回は、74.3%

※実受験者数:1,027人

---

【学科、実技試験 同時受験者】

  • 受験者数 585人
  • 合格者数 296人
  • 合格率  50.6% (第2回は、67.2%

学科試験の合格率だけ見ると、

  • JCDAで学科を受験した人の合格率 第2回74.8% → 第3回63.3%
  • CC協議会で学科を受験した人の合格率 第2回77.2%→ 第3回66.1%

で10%程度減っています。両団体共に共通の問題でしたので、学科試験の難易度が前回よりも高くなったと考えられます。

【学科問題の補足】

私が自宅で実際に第3回試験・学科問題を解いてみて感じたのは、

  • 出題内容や出題形式がキャリアコンサルティング技能士2級の過去問に接近した印象を受けたこと
  • 時事問題の出題が増え、正解を導くのが難しかった

ことでした。私はキャリアコンサルティング技能士2級の過去問アプリを解いていたので、時事問題以外の部分(キャリア理論、心理カウンセリング系の部分)で点を稼ぐことができました。自宅で解いた際は80点を取ることができました。間違いが多かったのは時事問題の部分でした。

[使用したアプリ]

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論述問題は、出題内容が団体ごとに異なります。実技試験の基準もJCDAとCC協議会では若干、採点基準が異なるようです。私が受験したJCDAでは「経験代謝」「傾聴」ロジャースの3つのスタンス、等が重視されている印象でした。

クライエントの体験・経験を丁寧に傾聴し、「その経験をしたときにクライエントはどんな気持ち・感情だったのか」も丁寧に訊いて共感していくか、ポイントなように受け止めました。あくまでも私の個人的な解釈です。

一方、CC協議会で受験した人の話を立ち話でちょっと訊いた限りでは、「キャリア技能士試験に近いスタンスだったようだ」と感じた次第です。クライエントの悩みを解決するという意識も必要なのかな? と筆者が思った次第です。CC協議会の問題はキャリア技能士2級に近い方向性を感じます。JCDAとは採点基準が異なるようです(筆者の主観です)。

【補足】過去問題は、両方の団体のウェブサイトで公開されています。

学科対策

私が受験したのは第2回試験でした。そのため、「国家資格キャリアコンサルタントの過去問題が第1回試験しかない!」という状況でした。

私個人として、CC協議会のウェブサイトで紹介されていた「キャリア技能士2級の過去問題アプリ」を購入し、電車の中や家事の合間などに時続けました。第1回国家資格キャリアコンサルタント試験の過去問題とキャリア技能士2級の過去問題を見較べたら、重複している部分が多かったからです。

一ヶ月くらい解き続けていたら、アプリの正解率が70%を超えるようになりました。

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【補足】第3回試験では、第1回・第2回試験の時よりも「時事問題」の出題量が増えました。

  • 厚生労働省の白書、
  • 労働経済市場の動向、
  • 職業能力開発に関する部分

を丁寧にチェックすると、さらに加点が望めそうです。

その他、学科試験のバイブルと呼ばれているらしい木村周『キャリアコンサルティング 理論と実際(第4版)』と日本マンパワーのテキスト6冊を繰り返し読みました。基礎の部分を繰り返し読んでしっかり身につければ、本番で難しい問題が出ても合格ライン7割を超えることは可能だと考えたからです。

実際に本番の点数も70点(合格ライン)を少し超えた点数で、合格できました

【参考】 キャリアコンサルティング 理論と実際 4訂版
木村 周

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すでに人事やキャリアコンサルタントとして働いている人たちは高得点だったようです (筆者の推測)。しかし、私は未経験者でしたので、独学でも身につけられる部分を増やす・確実にする、という方針で取り組みました。

論述対策

私は日本マンパワーの国家資格キャリアコンサルタント養成講座を修了した後、受講生仲間で開催した学科対策勉強会に参加しました。養成講座のアシスタントの先生が学科対策の指導ができるCDAホルダーの方をご紹介くださったおかげです。

勉強会では学科試験対策だけでなく、CDAホルダーの方による論述問題の対策もしていただきました。私の場合はJCDAでの受験でしたので、諸富祥彦『カール・ロジャース入門』を繰り返し読みました。

傾聴やロジャースの三つの態度ができているかどうか、を論述・実技試験で問われるようなことを学科対策の指導ができるCDAホルダーの方がお話しくださったからです。

【参考】 カール・ロジャーズ入門―自分が"自分"になるということ
諸富 祥彦

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論述問題を書くときは、

  • 冒頭に結論を書く(例:逐語録1と逐語録2の違いは○○である。なぜならば・・・)

を意識しました。

冒頭に結論を書いておけば、時間切れにならないと考えたからです。大学受験の小論文のテクニックを活用しました。

キャリア技能士2級を保有している先輩からも同様のアドバイスをいただいたので、実際の試験でもその通りに書きました。

論述試験は50分間。にも関わらず、回答をひととおり書き終わるまで49分かかりました。冒頭に結論を書いたのは、作戦成功だと思いました。

論述問題の解答は意外と時間がかかりますよ。これから受験する皆さまは、お気をつけてくださいね。

【論述問題の補足】

論述問題は団体ごとの個性の違いがでているものの、求められる方向性・回答のレベルは「キャリア技能士2級」の問題に接近している印象があります(あくまでも筆者の見解)。どちらの団体で受験するにしても、両方の団体の過去問題に加えて、キャリア技能士2級の過去問題も解かれた方が良さそうでした。

実技試験対策

ロジャースの逐語録

日本マンパワーの養成講座でご一緒した仲間たちのロールプレイング対策 勉強会に参加しました。しかし、コツがつかめるようになるまでは大変思いをしました。埼玉勉強会だけでなく、東京の勉強会も掛け持ちで参加。

さらにNVCカードを活用したワークショップに行って、自己理解・共感・感情の反映等を学ぶ取り組みをしました。

ロジャースがカウンセリングした逐語録の冊子も買って読みました。ロジャースの発言と日本語訳の両方が対比できるようになっています。非常にエキサイティングなやりとりでした。

【参考】

ロジャーズのカウンセリング(個人セラピー)の実際
カール ロジャーズ 畠瀬 稔

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意外にもイメージしていた傾聴とは違っている気がしました。どちらかといえば、積極技法に近いやりとりも多いような・・・。試験でマネをしたら落ちてしまいそうな印象でした。

とはいえ、カウンセリングの逐語録としては、ロジャースが1時間近く沈黙してクライエントの話し出すのを待っていたり、的確にクライエントの心を開くような声かけをしていたり、非常に興味深い内容でした。

試験対策ではなく、カウンセラーをめざすものとして、1回は読んでおきたい大切な本に思いました。個人的にオススメしたいです。

「クライエントを質問攻めにしない」ためには?

コツがつかめたと思えたのは試験1週間前でした。それまではクライエント役さんに「何を質問したらいいんだろう」と焦ってしまったり、「こうしたらどうですか?」と唐突にアドバイスをし始めてしまったり。ロープレが15分持たないで、同じ所をループするの繰り返しでした。

先輩方のご厚意による指導に加えて、『マイクロカウンセリング技法』付属DVDの模範ロープレを見ながら傾聴や言い回しをシャドウイングし続けました。

【参考】 マイクロカウンセリング技法―事例場面から学ぶ
福原 眞知子

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その結果、私がクライエント役さんに質問しなくても、

  1. クライエント役さんのことばを「伝え返し」し、
  2. 「非言語」によるコミュニケーション(うなずき、目によるコミュニケーション、姿勢、手の動きなど)で「共感」を示す
  3. クライエント役さんがひととおりお話しされた後、私が「要約」(一段落をまとめる)

を繰り返せば、クライエント役さんの方から話したいことをどんどんお話くださることに気がつきました。ラポール形成がうまくいったロープレの時は、ほとんどクライエント役さんに質問をしていませんでした。クライエント役さんの方からいっきに5分くらいお話ししてくださったりしたので。

「どうして」「なぜ」などWhy系の質問をすると詰問になりやすいため、「どのように○○されたのですか? 」「そう思われたきっかけは何かおありだったんですか? 」という類いのHow系の尋ね方をするようにしました。

『マイクロカウンセリング技法』付属DVDおよびテキストの逐語録を比較したら、How系の質問をしたときにクライエントさんの心がだんだん開く印象だったからです。

実技試験の時に質問が多くなってしまった時は、私の心が折れかけました。クライエントさんの口が重くなってきてしまったからです。

しかし、「目の前にいるこの人に幸せになって欲しい」と心から強く願ってお話を続けたらなんとか15分間、ラポール形成したままで追われました。

問題は口頭試問でした。実技試験で点数を落としたのはなんとロープレではなく口頭試問だったのです・・・。勉強会で事前に練習していた質問とは違うことを訊かれた際、ロープレでうまくいかなかった部分を答えてしまい、加点を逃しました。

改善できる部分を言った後に、ロープレでうまくいった点も言う必要があったのだ、と後で気がついた次第です。

まとめ

実技試験を受験して思ったのは、

  • 「目の前にいるこの人に幸せになって欲しい」という気持ちで、真摯にクライエントに向き合う
  • 口頭試問はロープレ以上に対策が必要
    (事前にある程度、質問されることを想定しておき、回答もだいたいは考えておくと良さそう)

の二点でした。

あとは、椅子に座るとき、立つとき、ドアの開け閉めのマナーができているかも意外と大事なようです。加点につながると言うよりは、キャリアコンサルタントとして就職支援する立場のものならばできておきたい点、ということなのかな? と思いました。

このメモ的な体験記が今後、受験する皆さまのご参考になりましたら、うれしいです。誤りがありましたら申し訳ありません。

謝辞

養成講座の先生のご指導にも感謝です。養成講座の仲間たちが協力し合って勉強会を開くことができたおかげで、様々な体験ができました。助け合いの大切さ、ありがたさを思い知りました。

養成講座のアシスタントの先生が既に試験に合格している先輩方を集めてくださり、CDAホルダーの先輩方のご厚意・ボランティアによって実技の指導を受けることができました。大変ありがたかったです。

学科指導をしてくださったCDAホルダーの先輩がキャリア技能士のおともだちたちと共に、

  • 言いたいことを適切に言えていない部分は、こう表現してみてはどうか、
  • 片岡のロープレのいいところ・改善できる点(問題解決したくなってしまう)

等をご指導くださいました。ご指導くださったみなさまに感謝です。

養成講座の先生やCDAの先輩方、キャリアコンサルティングを勉強されているみなさまなど、多くのみなさまのご尽力、助け合いのおかげで合格までたどり着けました。大変ありがとうございました。

うれしい気持ち、ありがたい気持ち、感謝の気持ちをみなさまにお伝えしたかったので、この場を借りて謝辞としてまとめさせていただきました。

追記(2017.4.3)

「【やってみた】国家資格キャリアコンサルタント試験 私なりの勉強法」を多くの方が読んでくださいました。大変ありがとうございました。

この記事が好評だったため、新しい試験が開催されるごとに「キャリアコンサルタント試験」の結果(受験者数、合格者数、合格率等)と「出題問題の傾向」部分を更新することにしました。

回を重ねて古くなってしまったデータ(過去の試験のデータと過去問題の考察)は、個人ブログ「片岡杏紗のiPhone生活レビュー」のキャリア系のコーナーで紹介することにしました。

受験生の皆さまの参考になる記事をめざして、適宜、アップデートしていきたいと思います。今後ともよろしくお願いいたします。

編集履歴:2017.4.3 16:08 試験結果のデータを最新のものに差し替え。それに伴い、文章を一部改稿。試験の難易度や出題傾向の変化に伴い、【補足】と追記の部分を追加。題名を「【やってみた】国家資格キャリアコンサルタント試験 私なりの勉強法」から変更。同日23:30 「キャリア協議会:」→「キャリアコンサルティング協議会:」に、「iPhone」を半角に修正。同日16:08 に冒頭から二文目に追加した「「【やってみた】国家資格キャリアコンサルタント試験 私なりの勉強法」を多くの方が(以下略)」を追記の冒頭に移動。冒頭から二文目に「受験したみなさまに良い結果」から「そして、」「[使用したアプリ]」を追加。【論述問題の補足】の部分を見出し「学科対策」の直前から、見出し「実技試験対策」の直前に移動。

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