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「報連相」なんかやめてしまえ

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「報連相」という言葉がある。報告・連絡・相談は社会人の基本であって、仕事を円滑に進めるための必須条件であると信じられているわけだが、本当にそうなのか。

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例えば、報告のためには「立派な報告書」を作らなければならない。そのためには、それ相応の時間がかかる。また、ウソを書くわけにはゆかないが、あまりネガティブな内容だと報告者の能力や良識を疑われるので、自分で何とかなりそうな些細なトラブルや状況の変化は報告書には書かないようにする。進捗がはかばかしくないときは、ビジネス環境やお客様の状況が厳しいと言い訳し、だから「自分は悪くない」と、さりげなく気付かせることができるような文学的表現を駆使する。

そうやって時間をかけて文章を仕上げるわけだが、結果として現場の「感覚」や「雰囲気」は抜け落ちてしまう。

些細なトラブル、ちょっとした状況の変化、現場の感覚が伝わらないままに、現場で何とかしようともがくほどに事態がどんどん深刻化してゆく。そして、どうにもしようがなくなり、大炎上ということはよくある話しだ。そうなってやっと相談するという「報連相」も多いような気がする。

脚色された「報連相」のための会議を開き、その会議では何も決めないままに結論を先送りし、根回しと称して個別相談でものごとを決めてゆく。もし、そんなことが常態化しているとすれば、これは明らかに、潜在的リスクを相当溜め込んでいるとみるべきだろう。また同時に、業務の生産性を阻害し、売上や利益の喪失をもたらしている。

この無駄を取り除けば、結果として労働時間は減らせる。非生産的でリスクを増大させるような仕事のやり方を見直し、リスクを些細な段階で共有でき、価値を生みだすことに労働時間の全ての費やすことができるようにすることが、働き方改革の本質ではないのだろうか。そうすれば結果として、少ない労働時間でも付加価値を大きくすることができ、営業利益を押し上げる。

働き方改革とは、そこで働く人たちがその能力を生産的業務に集中させることで効率を高め経営指標やワーク・ライフ・バランスの改善にも寄与するという、誰にとってもハッピーな取り組みのはずだ。

以前クラウドSIerになるための条件について、次のよう記事を紹介したことがある。

  • MS Officeを捨ててください
    • 瞬時にドキュメントを共有できるGoogle AppsもしくはOffice 365 を使ってください
  • 社内のファイルサーバを捨ててください
    • Google Drive/BOX/Dropboxを使ってください
  • メールを捨ててください
    • Slackを使ってください
  • Excel/MS Projectのプロジェクト管理を捨ててください
    • Redmine/Atllasian Confluenceを使ってください
  • 社内のソースコード管理サーバを捨てて下さい
    • GitHub/Bitbucketを使ってください
  • 社内検証サーバを捨ててください
    • パブリッククラウドを使ってください
  • 私用のスマートフォンで"どこでも"仕事をさせてください
    • これはオフィスで、といった決まり事はなくしてください

つまり、クラウドSIerになるとは、スピードと高い生産性を生みだす仕事の仕方を実現してこそ、成り立つビジネスだということになる。つまり働き方改革のための取り組みそのものだ。改めて、「クラウドSIerの条件」を見直してみると、次のような働き方の基本が見えてくる。

  • 道具としてのクラウドを積極的に活用する。
  • リモートワークを含め、オフィスやお客様先に縛り付けない働き方を許容する。
  • チャットを使いリアルタイムに担当や組織を超えたフラットなコミュニケーションを実現する。

不確実なビジネス環境の変化に即応することが、お客様の経営課題だ。それができなければ、もはや生き残ることはできない。開発や運用の自動化、あるいは高速開発は、そんな顧客のニーズに直結している。また、そのためには管理やコミュニケーションのありかたを大きく変えなくてはならない。そのための手段は、クラウドに揃っており、常に最新の状態で提供されている。

クラウドに揃っている道具を使えば、場所や時間の制約はなくなり、仕事の効率や品質を落とすことなく、都合のいい場所で仕事ができるようになる。また、子育てや介護などで「決められた場所や時間」が難しい人たちを戦力として活かすこともできる。

「リモートワークによる裁量労働制を認めるとサボる人間が増えるのではないか」

そんな心配をする経営者もいるが、サボる人間は何処で仕事をしてもサボるものだ。それよりも、意欲のある人に多様な働き方の機会を与え、より大きなパフォーマンスを上げてもらう方が、事業価値を高めるには効果的だ。

また、SlackなどのチャットやGitHubなどのコラボレーションのための道具を使えば、意思の疎通や業務の進捗の把握は、オープンにそしてフラットになるから、お互いへの敬意や協調・協力の意識が高まる。結果として、自律したチームを生みだすことになる。

少子高齢化が急速に進み、今後益々労働力は減少するのだから、工数を増やすことで収益や利益を伸ばしてゆこうという収益構造は、どう考えても成り立たたない。さらに追い打ちをかけるように「労働時間を減らす」ことへの社会的、政治的圧力は高まりつつある。もはや「工数で稼ぐ」を根本的に変えなければ、企業として成長はないし、生き残れない。

働き方改革の圧力を「困ったこと」と後ろ向きに捉えるのではなく、むしろ事業転換のきっかけとして、積極的に捉え活かしてみてはどうか。そうでもしなければ、生き残る術はないということもまた現実だ。

ITビジネス・プレゼンテーション・ライブラリー/LiBRA

LiBRA 9月度版リリース====================
RPAのプレゼンテーションを作りました。(ITソリューション塾の最後にむに掲載)
他にもいくつかのプレゼンテーション・パッケージを新規追加・更新致しました。
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プレゼンテーション・パッケージ
【新規】RPAについてのプレゼンテーション(25ページ)
【更新】新入社員のための最新ITトレンドとこれからのビジネス(187ページ)
【更新】ビジネスリーダーのためのデジタル戦略塾・最新のITトレンド(203ページ)
【更新】フィン・テックとブロックチェーン (40ページ) *テクノロジー・トピックスより分離

ビジネス戦略編
【更新】デジタル・トランスフォーメーションの実際 p.16
【新規】デジタル・ディスラプターの創出する新しい価値 p.17
【更新】もし、変わることができなければ p.18
*人材開発・育成編をビジネス戦略編より分離し、新しくパッケージし直しました。

ITの歴史と最新のトレンド編
【新規】人類の進化と知識 p.12
【新規】自然科学発展の歴史 p.13

サービス&アプリケーション・先進技術編/IoT
【新規】インターネットに接続されるデバイス数の推移 p.10
【新規】新規事業の選択肢とモノのサービス化 p.44
【新規】IoTのビジネス戦略 p.47
【更新】LPWAネットワークの位置付け p.72

サービス&アプリケーション・先進技術編/AI
【新規】AI導入/データの戦略的活用における3つの課題

開発と運用編
【更新】DevOpsとコンテナ管理ソフトウエア p.57
【新規】開発と運用の方向性 p.58

テクノロジー・トピックス編
*変更はありません。ただし、FinTechとブロックチェーについては、別資料としてまとめました。

ITインフラとプラットフォーム編
【更新】仮想化の役割 p.70
【新規】仮想化の役割/解説 p.71

サービス&アプリケーション・基本編
*変更はありません

クラウド・コンピューティング編
*変更はありません

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