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脳梗塞の疑いで内科受診してもらいました。

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定期的に入れ歯の検診にいらっしゃる80代男性のIさん。

背筋がピンと伸びて颯爽と歩き、快活な話しぶりが印象的だったのですが今回は違いました。
背中を丸めてゆっくりと足を引きずるように入って黙って1枚の紙を差し出しました。
「ことば出ないのでひつだんでおねがいします」(原文のママ)
顔つきもいつもと違う。まぶたと頬がダランと垂れ下がった感じで表情がありません。
ただ事ではない。

確認のため父にも見てもらったところ私と同じ結論でした。

これは脳梗塞の可能性が高い。
一刻を争います。

大至急、内科を受診するよう伝えました。

2週間後に再来院されたIさんは表情も明るくなって、背筋が伸びて、足元もしっかりしていました。
「先生の見立てどおり脳梗塞でした」
あの後、内科から緊急で総合病院に搬送されたそうです。

幸いなことに発見が早かったため症状が軽く1週間の入院で済みました。

後は定期的な通院と薬の服用で回復する見通しです。
「命拾いをしました」Iさんも私たちもホッと胸をなで下ろしました。
今回のように命に関わる病気が歯科で発見されるケースは数多くあります。

新しい病気も次々と発見されています。
見逃したら大変なことになるかもしれません。
私たち歯科医師も医療の一端を担っていることを肝に銘じて、これからも勉強を続けていこうと気を引き締めました。

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