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商社マンの営業として33年間(うち海外生活21年間)、国内外で様々な体験をした。更に、アイデアマラソンのノートには、思いつきを書き続けて27年間、読者の参考になるエピソードや体験がたくさんある。今まで3年半、ITmediaのビジネスコラム「樋口健夫の笑うアイデア動かす発想」で毎週コラムを書き続けてきたが、私の体験や発想をさらに広く提供することが読者の参考になるはずと思い、ブログを開設することにした。一読されれば「読むワクチン」として、効果があるだろう。

海外旅行・出張危険回避講座 (一読さえすればリスクは最小、そしてあなたは、海外旅行のプロ) その39 「キレイキレイ症候群」

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海外旅行・出張危険回避講座 (一読さえすればリスクは最小、そしてあなたは、海外旅行のプロ) その39 「キレイキレイ症候群」
 
(食事前には読まないでください)
 さて、今回の話題は、「キレイキレイ症候群」の問題提起編だ。
 海外旅行で何が心配と言えば、旅行中の毎日のトイレだろう。旅行中トイレに行きたくなくて、便秘になる人が多い。便所が合わなくて、無理して全部日本に持ち帰ってくる人もいる。体調を壊し、お肌も健康にも悪い。屁が異様に臭い。
日本の家庭のほとんど(と言っても、私の訪問先のご家庭ばかりだが)のトイレが、ウォッシュレット化している。

 日本のトイレの歴史は、BWとAWに分かれる。つまり「ウォッシュレット以前」と「ウォッシュレット以降」である。
 用便(すごいクラシックな言葉だが)の後、トイレットペーパーで大型肛門周囲付着物を除去し、さらに中小のネチャ便をふき取って、それで済ませていた昔は、一体何だったのだろうか。拭き取っても、依然として、バイキンだらけだというのは、野口英世でなくても分かる。
そこに水で洗うという方法で、肛門の衛生状態は、革命的に改善した。既に他界した父親が私に、「お前は俺の息子だから、遺伝的に痔になるぞ」と言っていたが、ウォッシュレットを使い始めて、「痔になる前に、水洗いしていれば、痔にはならないよ」と意見を変えた。
「水で落ちない糞はない。水で洗えない糞を出し始めたら、深刻な病気だ」と、アラビア人に言われた。
日本人はすでに国民ほぼ全員が、ウォッシュレット体験者で、丸の内、大手町の会社トイレはすべてウォッシュレット化完了しているはず。これは素晴らしいことだと思う。

 海外旅行では、事情が変わってくる。ウォッシュレットが入っている国は、韓国の一部と台湾だけだ。ただ、東南アジアでは、トイレの便器の横にスプレーガンの付いたホースが付いていて、それでウォッシュレットと同じことを行える。タイのスプレーガンは、痛いほどの強烈な水圧だ。間違って使うと、トイレの中を水浸しにしたり、隣のブースに水を飛ばすことになる。
 もう少し、西の国々では、ただのホースと蛇口になり紙は無くなる。更に、南西アジアでは、プラスチックの水の縦長の容器だけになり、左手利用の登場となる。もちろん紙はどこにもない。
 中近東の最新のホテルなら、ビデが付いている。これを利用すればよいだろう。ただ、小さなホテルでは、水道水を溜める屋上タンクが、強烈な太陽熱で、無茶苦茶熱くなり、ビデで肛門をやけどした人もいる。

 問題は先進欧米諸国だ。これらの国々は、トイレットペーパーで、拭い取れば肛門は十分にキレイと信じているトイレ未開民族だ。ばっちいのだ!
 まだ、AWの入り口にも達していない。欧米のトイレのウォッシュレット利用の問題は、トイレの中での電気配線の規制が極めて厳しく、トイレにコンセントを付けることも感電を恐れて、規制があり、一般の民家でも、ウォッシュレットを導入しにくいトイレが多い。
 問題は、これらトイレ未開国を旅する「肛門キレイキレイ症候群」の日本人が数週間でも旅行するときに発生する。常にキレイに保たれていた肛門の周囲は、紙こすり取り方式で、バイキンの残存を放置すると、一気に繁殖してしまう。つまり常日頃キレイにし過ぎの日本人の肛門は、一般バイキンでも、強烈な作用が生じてしまう。

 行きの飛行機の機内は、飛行機の振動が、どうも小腸、大腸ともに、便をどんどん圧縮し、直腸での水分吸収も進み、便が太く硬くなり、当然排泄できないというか、する気分にならない。現地で、安心してビール、美食を取ると、一気に衝動が発生する。この時には蛍光灯よりも太いのが出る。

 しかし、調子に乗って、酒を飲むと、次の日の観光の時にお腹がゆるくなる。私はできるだけ日本から納豆などを持っていって、日本生活善玉菌を保持しようとするが、海外で数日過ごすと、腸の中の善玉菌の種類に変化が起こるようだ(見たわけではないので確認できない)。だから、日本常在善玉菌と、欧米の善玉菌が腸の中でぶつかり、一時的軽い下痢現象を起こす。これが海外旅行3日目ほどの軽い下痢だ。
 この軽い下痢を持って、観光ルートを周り、排便が一日に4回ていどになり、その度に、紙で4回こすり取り、トイレットペーパーに含まれているシリカなどの固い粒子で、肛門の粘膜を傷つける。そこにゆるい下痢便が多数のバイキンを送り込む。ウォッシュレットは無い。日本での「肛門キレイキレイ症候群」のために、肛門周辺は極めて抵抗力がなくなってしまっている。傷ついた粘膜から、簡単にバイキンが入り、炎症を起こし、旅行そのものが地獄になる。化膿まで行ったら、立派な痔主になる。
 それを防ぐ方法は、次回に提案する。

ポイント
(1)ウォッシュレットの愛用者は、海外出張、旅行には対応(次回を御期待)を考えておく必要がある。
(2)海外で肛門がむずむずし始めたら、すぐに洗うこと

アイデアマラソン一口メモ
「なんでもノート」を持っている人は多い。アイデアマラソンも発想を書くことを中心としているが、「なんでもノート」の一種である。しかし、桜の木の満開のように、書かない。
 時系列に書く。そして、発想と発想の間は、1行空けることがコツだ。

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