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このひとたちは……何も変わってないのね

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 音楽著作権関係やCCCDの取材では、ずいぶんとイヤな思いをしたことがあるから、何か書くなら落ち着いてと思っていたけれど、しかし、この記事(速やかに「iPod課金」を——音楽関係7団体が強く要望)はちょっと無視できない。
 

 iPodに代表されるオーディオ機器は、自分が持っているオーディオデータの”スナップショット”を切り出して、音楽を楽しむフィールドを拡張してくれるありがたいアイテムのハズだ。決して違法コピー生成ツールではない。

 
 ところが、これに対して私的録音保証金精度を適用しようというのだから、開いた口がふさがらない。そもそも、既存の保証金分配の仕組みも、十分に納得ができるものとは思っていないのだが、今回はiPod課税ですか。そういえばデータ用CD-Rに保証金徴収を求めていた事もありましたね。
 

 せっかく音楽を楽しむ人(ほとんどの人は金額の多少こそあれ、お金をはらってくれる)が増えているというのに、音楽業界は自分たちで市場を小さくしようとしているようにしか思えない。
 レンタルはともかく、音楽配信やCD購入で得たデータをポータブル機器に適した形にして楽しんで何が悪いのか。そもそもDRMで保護された有料コンテンツは、DRMに対応したセキュアな機器でしか再生できず、インターネットによる拡散も防ぐことができる。それすら問題視するような発言には呆れてしまう。

 
 CDのリッピングにしたって、CDというメディアの特性を理解した上で販売したんじゃないの?と言いたくなってくる。これまで音楽を自由に聴きたいと思ってCDに投資してきたのに、それを移動時に便利な形で聴こうと思うなら、もう一度、著作権使用料を支払いなさいという。ほんと、全く理解できないよ。レンタルCDのコピーばかりを問題にして、CDを実際に購入している人の利便性や権利を全く考えていない。元をただせば、レンタルCDビジネスを合法として、そこからお金を吸い上げる仕組みにしたのは、自分たち自身じゃないか(相変わらず分配方法は納得できないけど)。

 
 音楽を楽しむフィールドが増える事は、決して音楽業界全体にとってマイナスではないハズだ。変化する市場に追従し、うまく市場全体を活性化できれば、絶対にプラスになる。なのに市場を縮小させるような事ばかりを言うんだから。それとも、多少締め付けても市場が縮小しないとでも思っているのだろうか?

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