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研究で、はたして情報産業に影響を与えることが出来るのか?

あなたがなにをやってるのかぜんぜんわかんない!

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さらに自分にとっては頭の痛い話が続きますが、もう毎日の様にこの問題に苦しめられています。

研究者、特に理論系の人間は、難しいことをやるのが商売みたいなところがあります。そうすると、普通の人にはわからないことを取り扱わなくてはなりません。誰にでも出来るなら、研究者なんて要らないわけです。ところが、研究内容がわかってもらえないということは、価値を認めてもらえないことになってしまうのです。

「あなたがなにやっているのかぜんぜんわかんない」というのは大学時代にはそんなに悩むことは無かったのですが、今では本当に苦しめられます。企業では、全くの専門外の人に意義を説明しなくてはならないからです。

特に難しい研究ほどこの問題は深刻です。いずれご紹介すると思いますが、多分世界でも一握りしかわからないだろう(日本だと全部追いきれる人は一人ぐらいしか思いつかない)、とかいう研究を意地で私は追い続けています。もうここまで難しくなってくると、正当性を評価できる人間がほとんどいないわけで、正しさを信じさせるには、何とか難しい国際会議にでも通すしかないわけです(ものすごく苦しんでいますが)。

幸い、この研究、「正しい」ことさえ示せれば、意義はかなり直線的に説明できますが、これは非常に重要なことです。時々研究には、ただ難しいだけではなく、最終的な成果すら、難しくてなんの役に立つのかわからない、おもしろさがわからないとか言うことがあります。(数学では特にそういうものがありますが) そういうものを研究していると、よっぽどスポンサーが気前が良くない限り(ほとんどありえない!)、霞を食って生きているわけではないので、研究を維持することが出来なくなります。

わかりやすい研究で画期的なものがうれしいんですが、そういうものは、また別の問題があったりします。身もふたも無い話ですが、わかりやすいんなら、アイデアだけいただいて、研究者なんてめんどくさい人たちに頼まずに自分たちでやっちゃいますよ。ということになってしまうわけです(まぁ、だからこそ、私は、それなら研究者にしか出来ないことをやってやるとか言う感じで、突っ走ってしまったわけですが...)。

いずれこのお仕事についてはお話できると思います。正しいことを証明するのはすごく難しいのですが、結果はかなりわかりやすいお話ですので。

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