プロセス、戦略、人間学の視点からプロジェクトを眺めます。

リーダーが気をつけるべき「権限」の取り扱いとは

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「私が責任者だから方針には従ってもらう」

「私がリーダーだから指示には従ってもらう」

よく耳にする言葉ですが、こんなことを言ってもメンバーはついてきません。これは、

「おれはエラいんだから、言うことをきけ」

と言っているに等しいんですね。そんなこと言われて誰がついてきますか。

確かに、プロジェクトマネジャー、プロジェクトリーダーといわれる人には、権限が与えられています。しかし、権限があれば人がついてくるかといったら、そんなことはありませんね。

プロジェクトをうまく回すためには権限が必要ですが、権限の扱い方を間違えれば、プロジェクトが破綻してしまいかねません。プロジェクトマネジャーは権限を持つがゆえに、細心の注意を払ってそれを取り扱う必要があるのです。

  1. 権限は上から与えられると同時に、下から預けられている 権限は経営者やお客様など、プロジェクトのオーナーから与えられるものです。確かにそうなのですが、これは権限の半分の側面にすぎません。リーダーはメンバーからも権限を預けられているのです。リーダーは、チームのベクトルを合わせ、ゴールに導くために、メンバーから一時的に権限を預けられているのです。リーダーとして認められなければ、当然その権限は取り上げられます。リーダーには「権限は預かりもの」だという謙虚さが必要です。
     
  2. 権限でチームワークは買えない 強制によって人を好きになることがないように、権限によってチームワークが生まれることはありません。チームワークは相互の信頼によって生まれます。お互いを信頼し、お互いを頼りにすることで、チームワークは生まれるのです。「おれがリーダーなんだから言うことを聞け」というのは「カネならある。好きになれ」と口説いているようなものなのです。
     
  3. 正しいか、間違っているかの議論は何も生まない チームで仕事をすることの意味は、それぞれが強みや専門能力を活かし合って、一人ではできないことを成し遂げることです。しかし、人それぞれに価値観と考え方があり、意見がぶつかることもあるでしょう。そのときに「どっちが正しいか」で議論すれば、永久に平行線です。人それぞれに、何を正しいと考えるのかは違うからです。しかし、権限で人を従わせようとすると、「自分と同じ考え方をしろ」「自分が言っていることは正しい」とやってしまうのです。「正しいか、間違っているか」の議論からは何も生まれません。チームで議論すべきは、ゴールに近づくために「機能するか、しないか」なのです。
     
  4. 権限は役割に対して与えられている 権限が与えられると、人よりエラくなったような気になってしまいますが、エラくともなんともありません。権限は「役割」に対して与えられます。人に与えらるわけではないのです。役割を果たすために必要だから与えられるのですから、人間がエラいわけでもなんでもないのです。ここを勘違いすると、傲慢なリーダーになってしまいます。そして、傲慢なリーダーは、遅かれ早かれリーダーではなくなってしまうのです。
     
  5. 権限は徐々に共有する チームには成長の段階があります。チーム成立期には、トップダウン的なマネジメントが求められます。チームにゴールと方針を示し、ベクトルを合わせるためには、トップダウン的なアプローチが必要だからです。しかし、チームが成長していけば、リーダーのあり方も変わらなければなりません。預かっていた権限を返していくのです。権限を共有することによって、チームは自律的になり、自ら問題解決ができるようになっていきます。

プロジェクトマネジャーという立場は、責任が重いわりに、見返りが少ない仕事です。実際には権限も大きくありません。上と下の挟まれて辛い立場にあります。「やってられるか!」と思うことも少なくないでしょう。

そんな立場ですから、ついつい「権限」で人を従わせようとしてしまいます。しかし、権限は人を従わせるためにあるのではなく、物事を進めるためにあるのです。権限は振りかざすものではありません。懐に忍ばせておいてこそ、効力を発揮するのです。
 

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