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勉強は自分でしろという会社

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プロセスデザインエージェント芝本秀徳です。

公式ブログには「研修費は会社が持つのが当たり前と主張する人」という記事をあげました。会社が研修や自己研鑽の費用を会社が持つべきという人は、研修を受けなくてもいい人だと言いました。

しかし、これは会社が社員に対して、教育の仕組みを持たなくていいということではありません。企業の最大のコストとも、資産ともなり得るのが「人」だからです。

■ コストと見るか、資産と見るか

人を単なる労働力としてみるなら、コストでしかありません。できるだけ単位時間あたりの生産性を上げて、コストを下げるしかありません。

しかし、現代の多くのビジネスは知識ビジネスです。これは何も知識を多く知っているのがいいわけではなく、知識を運用して、新たな価値、大きな価値を生み出すのが、多くの企業の使命となっているのです。

ここでいう「価値」を生み出すことができるのは「人」以外にはありません。新たな技術を開発し、それを組み合わせ、製品やサービスを設計し、世の中に送り出すのは、「人」にしかできない仕事です。

■ 外から人を引っ張ってくればいいか?

この話をすると「うちは社員研修にお金をかけている」とか、「何も自社で仕組みをつくらなくても外から優秀な人間を引っ張ってくればいい」という話になりがちです。

しかし、いくら社員を外部の研修にいかせても、外から人を引っ張ってきても、会社として「学ぶことを良しとする」文化がなければ、お金をドブに捨てているようなものです。

なぜなら、いくら外で研修を受けても、人を引っ張ってきても、文化がなければ定着しないからです。

■ 「学ぶことをよしとする」文化

学ぶ文化のない会社は、外で得た知識を使って仕事をしようとしても「理屈ばかり言うな」と頭でっかち扱いされがちです。

そんな環境では、そとから引っ張ってきた優秀なひともすぐに辞めてしまいます。「ここにいたら自分までバカになる」と怖れを抱くからです。それなのに、会社にずっといる人間は「理屈ばっかり言う人はうちには合わないね」などと、安心しているのです。

学ぶ文化を育むこと。それをしなければ、いくらお金をかけようが、人を引っ張ってこようが、文化をつくる姿勢がなければ、知識も人も定着しないのです。


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