プロセス、戦略、人間学の視点からプロジェクトを眺めます。

銀の弾丸はない。でも、道はある。

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こんにちは、プロセスデザインエージェントの芝本秀徳です。 

きょうは「近道はない」という話です。

■ 特定の知識や技術だけでは解決できない。

私は社会人になって、プログラマとして仕事をはじめて、そのあと、プログラマ兼チームリーダー、プレイングマネジャー(コーディングマネジャーw)、プロジェクトマネジャー、プロダクトマネジャーとして、仕事をしてきました。

仕事の性質や立場によって、直面する問題を違います。問題を解決するためには、必要な技術、知識を仕入れる必要があります。そのプロセスの中で痛感したことは、

 特定の知識や技術では、問 題を解決することはできない

ということでした。

たとえば、いくらプログラミングの勉強をしても、不具合はなくなりません。いくら設計が上手くできても、納期は遅れます。「技術力を上げれば、問題はなくなるんだ」と思っていくら勉強しても、解決できる問題は一部なのでした。

■ 固有技術と管理技術

知識、技術には大きくわけて、2つのカテゴリがあります。
すなわち、「固有技術」と「管理技術」です。

固有技術とは、直接的に顧客の価値を生み出す技術のことです。ソフトウェアであれば「プログラミング」「ソフトウェア設計」「データベース」などが、これにあたります。

これに対して管理技術とは、固有技術が価値を生み出すことを「助ける」、もしくは、鵜出す価値を「最大化する」ためのものと言えます。IEに代表される生産工学、品質管理(QC)、価値工学(VE)などが、これに当たります。

ここで考えなければならないのは、

・「固有技術」「管理技術」のどちらか一方だけでは、価値を生み出せない
・「固有技術」の中でも、特定のものだけでは問題を解決できない

ということです。

いくらプログラミングが速くても、チームのコミュニケーションが機能していなかったり、リスクへの備えができていなければ、品質や納期を満たすことはできないでしょう。一方で、いくらプロジェクトマネジメントをしっかりやろうとしても、プログラミングや設計能力が乏しければ、価値を生み出すことはできません。

■ 銀の弾丸はない

とくに「管理技術」には注意が必要です。管理技術は、次から次へと、流行っては消え、流行っては消えていきます。新しいものがでてきたときは、かならず「これさえあれば大丈夫!」という宣伝文句を掲げます。皆、飛びつきますが、やがて「これでは解決できない」と投げ出してしまい、そのとき出てきた新しい手法にまた飛びつくのです。これではいつまで経っても切りがありません。

どんな技術であっても、それだけではすべての問題を解決することができるわけがありません。

 銀の弾丸はない(No Silver Bullet)

ソフトウェアの世界では知られた言葉です。
「銀の弾丸」とは狼男を撃退するもので、問題を解決するための「特効薬はない」ということを指しています。

プロジェクトは複数の人間が、異なる仕事をし、それを統合することによって成果を生み出す活動です。人と人、仕事と仕事が関わる中で起こる複雑性を解決するための特効薬はないということです。これは、どれだけ技術が進化しても、それを運用するのは人間である限り、変わらない真実です。

■ 道はある

これは、解決方法がないということではありません。方法はあります。近道はないということです。

あらゆる技術は、「それが効く場面」があります。プロジェクトマネジメントは、「不確実性」に対処する方法論であり、プロセスデザインは「プロセスを安定させる」方法論であり、バリューメソドロジは「価値を高める」方法論です。それぞれ「効く」場面が違うのです。

プロジェクトマネジャーが、必要な場面で「効く」方法論を適用することができれば、プロジェクトの成功率は高まります。そのためには、それぞれの方法論を「統合的」「凝集的」に学ぶことができる場が必要だと考えています。

その「学びの場」を、現在企画中です。

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