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「燃やすマネジャー」と「燃やさないマネジャー」の分かれ道

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こんにちは、プロセスデザインエージェントの芝本秀徳です。

きょうは、プロジェクトマネジャーとしての分かれ道についてです。


■ 燃やすマネジャーは、いつまでも燃やす

プロジェクトマネジャーには2種類の人が存在します。つまり、

 プロジェクトを「燃やす」マネジャーと、「燃やさない」マネジャー

です。

ここでいう「燃やす」とは、プロジェクトでマイルストーン、納期が守れない、品質が確保できないなどして、メンバーの長時間動労が常態化するような事態を招くことを言います。

これまで数多くのプロジェクトマネジャーを見てきましたが、プロジェクトを燃やすマネジャーは、何度でもプロジェクトを燃やします。いくら経験を積んでも同じなのです。

燃やすマネジャーになるか、燃やさないマネジャーになるかの分かれ道は、2回目のプロジェクトで決まります。プロジェクトマネジャーとして、2回目のプロジェクトも同じ燃やし方をするマネジャーは、5年経っても、10年経っても燃やします。


■ 何もしなければ、必ず「燃える」

燃やすマネジャーと、燃やさないマネジャーの違いはどこからくるのか。それは「プロジェクトとは何もしなければ燃える」という認識を持てるかどうかです。

プロジェクトは「有期性」と「独自性」によって定義されます。つまり、「終わりがあること」と「繰り返しがないこと」が、プロジェクトという活動の特徴です。この二つの特徴は、つまり「不確実性」であり、プロジェクトというものは「何もしなければ燃える」ものなのです。

2回燃やすマネジャーは、この認識が欠如しています。ですから「燃やさない」努力をせずに、問題が起きてから反応するのです。これではいつまで経っても、プロジェクトが上手くいくはずがありません。

経営者側も、「このマネジャーは燃やす」ということを知っていながらも、他に人がいないという理由でアサインすることがあります。しかし、そんなマネジャーの下につくメンバーは不幸です。

これからプロジェクトマネジャーになる人たちは、決して「2回は燃やさない」ということを心に留めておいていただきたいと思います。

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