「ポジションが人を作る」とよく言われる。自分の個性は加味してかまわないが、客観性を持って、「経営者という自分の立場をいかに演じるか」をじっくり考えてほしい。 「そんな不自然なことは嫌だ」と言う人もいるかもしれないが、これは不自然どころか、経営者としてごく当たり前の義務だ。
例えば、自分を振り返ると、プログラマだったせいか、「大義名分」「ビジョン」の裏にロジカルなものがないと、声を発するのも照れてしまったりするし、照れたそぶりをしたら語るのが楽だったりする。一方、僕の知り得るIT関連以外の、社長さん、経営者は、ドカンと座り「大義名分」「ビジョン」を照れなく語る。もしかすると、その裏にロジカルなものがあるかもしれないが、それを感じさせないくらいの強い気迫を感じる。まさに「演じている」のだ。ロジカルなものがないと照れずに話せないということは「堅実」と取ることもできるので良いのだが、「照れたそぶりをする」というのは、減らしていかないと反省する。
「演じる」以外にも、「演出する」ことも大事だと、『レバレッジ・マネジメント―少ない労力で大きな成果をあげる経営戦略』』に書いてある。会社全体、会社全体を「舞台」として考えたら、「お客のいない舞台」は商売にならないし、「演出家のいない舞台」というのもまた、成り立ちにくい。
演劇で演出を担当する者は演出家と呼ばれる。総合芸術である演劇において、全ての表現(俳優の演技、舞台美術など)を統括し、方向性を与え調和をはかる役割を持つ。同じ戯曲であっても、その演出家によって色合いがかなり変わってくる。『演出 - Wikipedia』より
演出家兼脚本家のようになってしまうが、ある仕事に取りかかる前に、プロジェクトに関わる人々のキャラクターや、性格をザッと眺めて、その中で「既に成功しているビジョン」を描き、どのような演出が必要か?を考えたりすることがある。脚本などが既にあって、それに対して役者を探すスタイルの演出ではなく、すでに役者がいて、そこから演出と脚本を書くスタイルの演出だ。例えば、「うちの人はユーザインタフェースというものに、異常に関心が強いな」とか、ボトムアップ的なところを拾い上げて、ロジカルに落とし、そこから「大義名分」「ビジョン」を作り出し、適切な演出方法を考える。僕自身は、修行中なので、その辺まだうまくできていないが。
「演じる」は基本的に、経営者だけではなくて、社会人としても必要なことで、ある意味、放っておいて良い気がするが、「演出する」は、個々人の「幸福感」「満足感」「成長感」にも繋がっていくので、ちゃんとやっていかないとだなぁ・・・と思う。
東洋経済新報社
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