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バードマンの試写会に行きました。アカデミー作品なのにヤフーで酷評だけど非常に良かった

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ものすごく面白かったけど、業界の人にフォーカスしてるので、一般の人にはオススメしにくい内容だった一方で、なにかコンテンツを作っている人には超劇的におすすめ。アカデミー賞もゴールデングローブ賞も、むちゃくちゃたくさんの賞を取り捲ったのに、 Yahooの映画批評では一部に「意味わかんない」「長い」とボロカスに書かれる。すごい分かる。けれど、面白い。

yahoo_kokuhyou.gif

個人的にはすごくよかった。ぼくも全部を理解できたわけではない。上の動画も予告編詐欺に近いし、内容やテーマも地味だ。カッコ悪いシーンも多い。多くの業界人にとって最も特筆すべき点は全編長回し風の映像であることだけど、普通に人は評価しにくいと思う。ただ、ある程度年をとって、映画業界やコンテンツ業界に興味ある人には面白い。 昨今の映画業界の闇が凝縮されている。単純に内容を書くと、「かつて大ヒットを飛ばしたが、今は落ちぶれまくった俳優が 再起をかけて舞台劇に挑戦する」という内容だ。かつて、1989年にバットマンを演じてたマイケル・キートンがこういうオファーを受けたのがすごい。そして、タイトルが「バードマン」。もう皮肉すぎる。

日本で言うと、「仮面ライダー」の中身をやった俳優はその後どうなるのか?というテーマに近い。 そして、端々に今のハリウッドに対する皮肉が込められている。ゴールデングローブ賞を 総なめにしたのは、業界人である審査員の言いたいことを代弁しているセリフが多いからだろう。

  • 「ひたすらコミックを映画化して、観客はブリキの着ぐるみしか見ていない」
  • 「facebookやtwitterに出てなかったら、存在しないのと同じ」
  • 「見て、2時間で35万再生!」
  • 「プレビューに来ている年寄りは内容よりも、上演後のケーキしか見てない」
  • 「役者でもなんでもない批評家が酷評を書いて、打ち切りになる。彼らはノーリスクだ。」

作り手の気持ちで見ると、「予告編でこのカットを使おう」とかなり計算されて コンテを切っているように思う。予告編は釣りに近いカットが多いし、「そんなエサでおれが釣られるかクマー!」と笑える人でないといけない。 また、妄想と現実がごちゃごちゃに描写されていて分かりにくいシーンも多い。 予告編は派手なのに全体的に地味でヤフーで酷評なのもすごい分かる。

内容でも語られるとおり、観客が見たいのは、ヒーローとか血とかアクションであって、芸術性やテーマ性は実は見てないというのを分かっていてやっている。そして、それをロコツに言っている。大衆はバカだという気持ちも分からんでもない。

かつてヒットした役者が再起をかけて舞台に挑むという単純な内容ながら、現代においては かなり複雑なテーマを含む。ネットのせいであり、お金のせいであり、メディアのせいであり、 大衆のせいであり、大事なものが何なのか分からない。

役者もセレブも元セレブもツイッタラーも一般ピーポーも、父も母も子供も認められたいし忘れられたくないというのは 永遠のテーマだと思う。

東京にいると、かつてヒットを飛ばした人で、今もがいている人にたまに出会う。 そういう人たちを思い出しながら見るといろいろ思うことが多い映画だった。

あと、賞というのも、内容ではなくて、大人の事情で決まってしまうことも多い世界なので、この映画が賞を取り捲った事情に関して想像するのも、いろいろ思うところは多い。

しかし、面白かったけれど、絶対にデート向きではないと思う。

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