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世界で進むデータ駆動社会への 戦略的取組 ~デジタル庁データ戦略推進WG資料から

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デジタル庁は2022年9月6日、「データ戦略推進ワーキンググループ(第4回)」を開催し、

データ戦略の推進状況
世界で進むデータ駆動社会への戦略的取組
データ戦略の今後の推進

などについて、議論・検討を行っています。

今回はこの中から、世界で進むデータ駆動社会への戦略的取組について、とりあげたいと思います。

欧米や中国などでは、各国がデータ戦略を最重点戦略の位置づけとなっています。

その背景には、

・データの価値が飛躍的に増大する中で、競争戦略、産業政策としてデータへの戦略的な取組が必要。
・各国やプラットフォーマよる囲い込みがある中で、それぞれの信頼性や規制の考え方に差異。
・デジタル保護主義、情報の偏在、フェイクニュース、サイバーリスク等の課題が拡大。

といったことをあげています。

米国(産業として重視)では、

政府では、Federal Data Strategy Action Plan(2020)を踏まえて、連邦政府所有データの価値を最大限活する用にあたり、省庁横断的な取組を推進すべくChief Data Officer Councilを設置。

国家規模の巨大IT企業が、ウクライナ政府の要請に基づき、国の重要データをクラウド移行するための協力や、インターネットシステム(スターリンク)の提供を実施。

といった取組をしています。

欧州(デジタル・シングル・マーケットを実現)では、

Digital Service Act(2020.12.)、Digital Market Act(2020.12.)、Data Act(2022.2)の法案の公表等、デジタル/データ関連法案の整備と積極的な実社会への適用により、域内のデジタル単一市場を形成。また、法律の柔軟的運用を支えるLegal Techを強化。

−European Strategy for Dataを発表(2020.2)。データスペースの構築や相互運用性の確保を図るとともに、個人情報、デジタル主権等を守る安全な環境整備を推進。

−GAIA-Xによる域内データスペースの統合を目指すにあたって、欧州委員会によるCEF Digital、IDSA、民間法
人のFIWARE等の動きが活発

といった取組をしています。

中国(データを使った国家運営と産業展開)では、

個人情報保護法(Personal Information Protection Law)を施行(2021.11)、データ安全法の施行(2021.6)
十四次五カ年計画でデジタル政策(2021.3)を公表。データの活用やデータエレメント市場等を推進。
一帯一路構想等による海外ビジネス展開

といった取組となっています。

スクリーンショット 2022-09-10 110151.png

出典:デジタル庁 データ戦略推進ワーキンググループ(第4回) 2022.9

この1年間で諸外国のデータ/デジタルに関する取組が大きく進展し、以下の動きをまとめています。

−データの価値が飛躍的に増大。データが国の競争力を左右するとし、各国の取組が活発化。
∙ 関連法案の整備、巨大IT企業への規制、メタバースやWeb3等の新技術の推進
∙ データの供給増大による新産業の創出とアカウンタビリティの確保
∙ AI活用等のデータ活用政策の強化 等

−データに関する安全保障上の議論が急速に展開
∙ 国家間によるフェイクニュースへ
∙ 地理空間情報の活用
∙ データの保全・インフラ活用の在り方の変化 等

−データ流通、活用のための仕組み作りが進展
∙ 相互運用性の確保、データ連携基盤の実装。自由で信頼のあるデータ流通の在り方/ルール整備。サイバー空間の脅威への対応
∙ データ人材の確保/育成等の強化 等

世界のデータ戦略について、以下のとおり整理しています。

スクリーンショット 2022-09-10 110249.png

出典:デジタル庁 データ戦略推進ワーキンググループ(第4回) 2022.9

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