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クラウドインテグレータの役割

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クラウドビジネスの進展に伴い、これまでのSI(システム・インテグレーション)のモデルから、サービスインテグレーション、つまり、クラウドを活用したクラウドインテグレーションのモデルが脚光を浴びつつあります。

2013年9月4日、テラスカイとサーバーワークスは、資本・業務提携を発表し、 テラスカイのSalesforceを活用したインテグレーション、サーバーワークスのAWSを活用したインテグレーションを相互に連携させ、お客様にサービスを提供していく方針です(関連記事)。

両者とも、今後のSalesforceとAWSをインテグレーションできるエンジニアの採用を大幅に増やしていく計画をたてており、クラウドサービスを活用したベンダによるクラウドインテグレーションの分野は、大きな成長分野になると考えています。

クラウドインテグレータとは

以前のブログ「クラウドビジネス再入門(4)クラウドエコシステム形成のための5つのプロセス」で、ご紹介をさせていただきましたが、クラウドブローカーおよびクラウドインテグレーターについて以下のとおり整理しました。

3.Cloud BrokerやCloud Integratorの仲介・支援

該当のサービスの普及が進むと、運用管理や付加価値サービスなど高度なニーズが出てきます。そのため、Cloud Consumer とCloudService Provider 間の契約締結を仲介し、サービス同士のマッシュアップや付加価値をつけて再販するCloud Brokerの役割が大きくなります。Cloud Consumer のオンプレミスのシステムからクラウドへマイグレーションをするといった導入支援を行うCloud Integratorのニーズも高まってくるでしょう。

代表的なCloud Brokerは、クラウドのマネジメントプラットフォームを提供するRightSacleなどがあります。Cloud Integratorは、AWSの場合、アイレット社の「cloudpack」やサーバーワークス社などが該当すると考えられます。

クラウドビジネス再入門(5)中小SI事業者の現状とクラウドビジネスへの展開」のブログでご紹介をさせていただきましたが、

中小SI事業者は、近年、下請け案件数の減少や構築単価の減少傾向に加え、クラウドサービスの普及に伴い、システム構築運用案件の減少が見込まれています。さらに、大手SI事業者は、中小ユーザの開拓も強化していることから大手SI事業者との競合も増えるなど、中小SI事業者の取り巻く環境は厳しさを増しています。

そこで中小SI事業者の選択肢の一つとなっているのが、クラウド事業者と連携し、大手のクラウド事業者のクラウドエコシステムの枠組みに入り、クラウドを基盤として自社サービスやインテグレーションモデルを展開していく動きです。

2013年9月9日の記事、「クラウドはシステムインテグレーションをどう変えるのか - ZDNet Japan」の記事では、

クラウド化が進行する範囲は日々拡大している。情報システムの構築に際し、クラウドが前提とされるようになった場合、システムインテグレーションの手法は変化し、バックアップの考え方も根本的に考え直す必要も出てくるといえるだろう。

という指摘の中で、

クラウドを武器として事業を展開していけば、ベンチャー級の企業でも大手企業の大規模システム構築に参画する可能性も出てくる。

と書かれており、中小SI事業者を始めとしたベンチャークラスの企業でもクラウドを通じて大規模案件を構築する実績も数多く出ています。今後のクラウドビジネスの成長の鍵は、このクラウドインテグレーターが鍵を握っているといっても過言ではありません。

2013年9月18日(水)19:30から、『クラウドSIerのありかた』というテーマで「第12回CUPA・Café」がUstreamで配信され、3社が登壇されます。

http://www.ustream.tv/channel/cupa-cafe 

9月のテーマ:『クラウドSIerのありかた』

対談者:

株式会社エクシード  益子純一 様

株式会社サーバーワークス  大石良 様

株式会社FIXER 松岡清一 様

司会: CUPA理事 竹下康平

この3社は、AWSやWindows Azure、Bizホスティング Cloudnなどのクラウドサービスを活用してインテグレーションを展開しています。どのような話になるのか、個人的にも注目しています。

 

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