『ビジネス2.0』の視点:ITmediaオルタナティブ・ブログ (RSS) 『ビジネス2.0』の視点

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「iPad」の可能性は様々なです。もちろん、ビジネスシーンとしても様々な可能性が考えられます。

林信行氏の著書「iPadショック」では、第5章に「ビジネスシーンにも広がる」という章があります。iPadはエンターテイメント系に優れていると言えるのですが、ビジネス利用での動きが紹介されています。

iPadのビジネス活用においては、

  • iPadの周辺機器など関連ビジネスに注目する企業
  • 社内コミュニケーション端末として利用を考える企業
  • 顧客とのコミュニケーション端末として考える企業

の3つの動きがあるとしています。

周辺機器などの関連ビジネスは対象が限定的ですので、その他2つについて詳細に書かれていますので、ポイントをご紹介したいと思います。

まず、社内コミュニケーション端末としてですが、

iPadには、「iPhone Configuration Unity」という無料ソフトを使えば、パスワード管理や利用機能制限などができます。また、無線LANやVPNの設定やExchange Serverの接続設定などができます。また、SSL v3仕様にも対応しています。

さらに、iPadはサーバーで集中管理をするシンクライアントとしての利用も期待されています。コスト的にも従来のパソコンと比べると安価になっており、キーボードを使えば、通常のPCとかなり近い形で利用することができるでしょう。

iPadには、ワープロ機能の「Pages」、表計算ソフトの「Numbers」、そして、プレゼンテーションソフトの「Keynote」があり、通常の業務を行う上では一通り整っていると言えるでしょう。個人的には、プレゼンテーションの幅を広げる「Keynote」に注目しています。

また、IBMの「Lotus Notes」やオラクルやサイベース、そしてセールスフォースのサービスがiPhoneに対応しており、iPadにも近いうちに対応するだろうとしています。

既に、米国ではiPadによる導入事例も出てきています。メルセデス・ベンツは。米販売店システムにiPadを導入しています(関連記事)。

米ガートナーは4月7日に発表した資料によると、iPadの効果あっても、企業のタッチ入力採用は限定的であり、2015年時点で、企業の新規PCのタッチ対応率は1ケタと予想しています。その理由としては、入力作業の多さ、慣れやアプリケーションなどの問題から採用は進まないとみています。

しかしながら、法人分野で現在タッチ対応PCの利用が進んでいる現場作業や警察などの業種では、端末の価格下落や、アプリケーションの洗練などで採用が加速するとみられるとし、企業全体でも、従業員が自己所有のタッチ対応PCを職場に持ち込むようになり、最終的には企業はタッチ対応PCを受け入れるだろうとみています(関連記事)。

次に、顧客とのコミュニケーション端末としてですが、社内利用と比べると急速に普及していく可能性があると考えられます。

まずは、製品の販売やプロモーションに利用する企業ですが、アパレルブランドのGAPや高級プランド品販売のGLITグループでは、iPad専用のカタログ/販売アプリを提供しています。日本においては、ベルメゾンが無料配信をしています。私も試してみましたが、ユーザーは、ベルメゾンのカタログをiPad上で電子カタログを、ページをめくるような操作で閲覧しながら、ワンタップでベルメゾンネットに接続し、商品を購入することができます(関連記事)。

そして、顧客との直接コミュニケーションする端末としての利用ですが、大別すると、

  • 小型デジタルサイネージ
  • 接客用ツール
  • ユーザに条件付きで配る

の3種類に分けられるとしています。

これまでのデジタルサイネージは、なかなか広告効果が測定しにくいというデメリットがあるのですが、iPadのようなパーソナルな小型サイネージは、これまでのサイネージのが概念を大きく変えていく可能性もあるでしょう。

接客ツールとしても日本でも活用が始まろうとしています。みずほ銀行とソフトバンクは、5月31日、銀行サービスの試行導入実施を7月1日から数店舗で実施するとしています(報道発表資料)。試行内容としては、

①営業店ロビー・窓口での活用   
・店頭窓口での利用 ・・・・ 多機能情報端末によるわかりやすい商品のご案内・ご説明    
・ロビーのお客さま向け ・・・・ 電子雑誌、動画・テレビ・音楽、各種金融情報のご提供    
②渉外担当端末への活用 ・・・・ 外出訪問時等の情報サポート端末としての活用

があげられています。

また、6月7日には、大塚製薬が医療用医薬品の情報提供ツールとして多機能情報端末「iPad™」を7月より1,300台導入するという報道発表がされています(報道発表資料)。

最後にユーザに条件付きで配る取り組みですが、電子新聞などの購読を数年しばりで契約する代わりに、無料または割安で提供する方法も考えられるとしています。

以上のように様々なビジネスとしての可能性を「iPadショック」を参考にしながらとりあげてみましたが、まだまだ企業内に普及するには、相当な時間がかかるのではないかと感じています。まずは、顧客とのコミュニケーションツールとして、ビジネスの分野で徐々に広がりを見せていくのではないかと考えられます。この広がりは、iPadだけでなく、今後本格的に、参入が予定されているAndroidなどを搭載したタブレットも含めた大きな動きとなっていくのかもしれません。

   

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林 雅之

林 雅之

ICT企業勤務。クラウドサービスの開発企画を担当。
国際大学GLOCOM客員研究員。社団法人クラウド利用促進機構アドバイザー。
著書『「クラウド・ビジネス」入門』

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