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「デジタル教科書」に関する取組みについて

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デジタル教科書に関して、様々なところで議論や検討が始まっています。主な取組みで公表されている情報について少しまとめてみたいと思います。

デジタル教科書がにわかに注目を浴びたのは、昨年12月が発表した「原口ビジョン」です。原口ビジョンの中では、協働型教育改革として、「デジタル教科書を全ての小中学校全生徒に配備(2015年)」、「フューチャースクールの全国展開を完了(2020年)」を掲げています(関連記事)。

文部科学省が発表した「平成21年度学校基本調査速報」の調査内容によると、小学校の児童数は、7,063,606名で中学校の生徒数は 3,600,319名となっています。5年後に児童・生徒数が減少するとはいえ、もし目標設定どうりに進むとすれば、1000万近くの児童・生徒が電子教科書を持つという計算になります(関連記事)。 

なお、フューチャースクールの予算については、総務省が昨年12月に発表した「平成22年度 総務省所管予算(案)の概要(PDF)」の中で、「ICTを使った「協働教育」の推進」で10億円が新規予算に盛り込まれており、「ICTによる教育改革(協働教育システムの実現)を推進 するため、フューチャースクール推進事業を、文部科学省 と連携して実施」するとしています(関連記事)。

フューチャースクールに関しては、総務省が2月10日に公表した『 「スマート・クラウド研究会中間取りまとめ(案)-スマート・クラウド戦略-」にも記載されています。教育クラウドをテーマとして、教育現場で使われるデジタル教材やナレッジデータベースを「教育クラウド」を介して全国に提供することにより、ICT機器を活用して、お互いが教え合い、学び合う「協働教育」(フューチャースクール)の実現に効果が高いと期待されるとしています。

また、文部科学省では、4月22日、第一回の「学校教育の情報化に関する懇談会」を開催しました。当日はライブ中継も実施し、各構成員から活発な意見が出されていました。本懇談会での懇談事項としては、(1)授業におけるICTの活用について(デジタル教科書・教材、情報端末・デジタル機器、学校・教員等の在り方を含む)、(2)ICTを活用した校務支援について、(3)ICTの活用に関する教員へのサポート等についてなどが対象となっています。デジタル教科書は本懇談会においてはテーマの柱となるでしょう。

そして、政府は、2010年3月19日、IT戦略本部<高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部(第52回)>にて、新IT戦略「新たな情報通信技術戦略の骨子(案)」を公表しました。本骨子においてもデジタル教科書について触れられています。   

情報通信技術を活用した21世紀型スクールへの転換   
情報通信技術を活用して、①双方向でわかりやすい授業の実現(情報端末の一人一台配備とデジタル教科書等を活用して児童生徒の興味や関心を高める授業や子ども同士が教え合い学び合う協働教育の実現等)、②教職員の負担の軽減(校務支援システムの全国普及、学校・家庭・地域の連携の推進等)、③児童生徒の情報活用能力の向上(児童・教員等への情報通信技術教育の充実)、を進め、21世紀にふさわしい学校に転換   

本内容については、総務省の原口ビジョンやフューチャースクール推進事業などが反映されているように見受けられます。

民間企業においてもデジタル教科書推進の動きが広まっています。4月5日呼びかけ人により、「デジタル教科書協議会(仮称)」の設立が公表されました。事務局は融合研究所で設立に関する資料も公表されています(資料)。

「2015年に全ての小中学生がデジタル教科書を持つ」という政府目標の実現を図るため、「デジタル教科書協議会(仮称)」を設立し、課題整理、政策提言、ハード・ソフト開発、実証実験及び普及啓発を進め、政府(文部科学省、総務省等)とも連携して活動を進めていくとしています。   
主な活動内容としては、以下の4つをあげています。

  1. デジタル教科書の要件の検討
  2. ビジネスモデル、普及方策の検討
  3. 実証実験の企画・実施
  4. その他課題の整理・検討・提言

慶應大学の中村 伊知哉先生のツイッターでのつぶやきによると、5/10にデジタル教科書協議会に発起人会開催が予定されています。また、中村先生は、4月26日に、「デジタル教科書協議会の設立」というブログを投稿されています。

また、ツイッターにおいても、デジタル教科書について、ハッシュタグをつけて、活発に議論されています。#e_textbook

また、民主党情報通信議員連盟は、4月14日マニフェスト案「情報通信八策」を提示していますが、その中でもデジタル教科書について触れられています。ITPROの関連記事を引用します。

第4項目は、「情報通信を最大限活用し、子どもたちの学力・創造力を向上させる」である。政策目的として、双方向でわかりやすい授業、教職員の負担軽減、児童生徒の情報活用能力の向上の実現を挙げる。具体策としては、まず第1に「小中高で、学習効果を高めるデジタル教科書を100%普及させる」「小中高校のすべての教室で無線LANを整備しインターネットを活用した教育を実現する」を挙げた。ICT支援員の充実など教員の情報通信活用能力の向上も図っていく。

以上です。

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