スマートグリッドとクラウドの関係
先日、今泉さんが主催する第二回の「非専門家によるスマートグリッド勉強会」に参加してきました。本勉強会の内容は今泉さんが「スマートグリッドの現状についてのメモ(1)」の中で書かれています。
スマートグリッドは、最近はテレビや新聞等でも取り上げられるようになり、注目度は高まってきています。スマートグリッドの概要については先日のブログで簡単な整理をさせていただいていますのでお読みください。
私が第二回の勉強会で説明をさせていただいたテーマは「スマートグリッドとクラウドの関係性」についてです。その説明概要をここで簡単にご紹介させていただきたいと思います。
クラウドコンピューティングの普及に伴い、大規模なデータセンターの需要が高まり、当然、大量のサーバー等で大容量のデータを扱うデータセンターの電力管理が重要となってきます。
海外では、グーグルやマイクロソフト等は、海外の広大な土地にデータセンターを敷設し、ダムの水力発電を利用したり、寒冷地に建設し、消費電力を抑えるといった取り組みがなされています。日本国内にあるデータセンターは海外の大規模なデータセンターと比べると相当な差が開いており、規模の経済については圧倒的な不利な状況にあります。
しかしながら、日本が技術で先行する太陽光発電や蓄電池等を活用し、データセンターの電力管理をしていくことができれば、何とか国際競争にキャッチアップしていける可能性はあるでしょう。
その可能性を考えた場合、寒冷地であり、かつ広大な敷地を持ち、風力発電や太陽光発電が充実している北海道は大規模なデータセンターを建設する立地メリットは非常に高いのではないかと考えています。
例えば、岩見沢市では、5月サンマイクロのコンテナ型のデータセンターを空路で運び設置し、消費電力の測定などの実証実験を実施しています。また、室蘭工業大学では、雪冷房を利用した省電力型の「ホワイトデータセンター」の模型には、雪山の利用やデータセンターの廃電を使った温室栽培等が紹介されています。
また、北海道庁では、北海道におけるデータセンターの立地アセスメントを実施し、最適なデータセンターの評価を実施しています。評価の高い石狩市では、市のホームページに「データセンターの誘致」について紹介しています。
このように、大規模でありクリーンエネルギーを利用したグリーンクラウドデータセンターを設置する環境においては北海道は適していると言えるでしょう。
一方で九州などの南の地域においては、日照時間が長いため、太陽光発電を有効に利用できたり、また九州では工場が多いため、工場の余った電力をデータセンターの電力利用に活用するといったこともできるでしょう。
これまで、東京近郊のデータセンターのニーズが高かったのですが、スマートグリッドの活用や、環境への配慮、そして広大な土地活用等を考えた場合、別の選択肢というものが見えてくるのではないかと感じているところです。