地域活性化にはセカンドライフとYouTube・・
昨年の流行語大賞にもなった東国原英夫宮崎県知事の”どげんかせんといかん”に代表されるように今年も“地域活性化”がキーワードの一つになると考えています。Yaho!ニュースにも正月早々に「地方自治体 観光PRに 「ユーチューブ」活用広がる」の記事があり、私が以前書いた記事「地域2.0と地域活性化(4) --YouTubeやニコニコ動画じゃだめなのか?」も関連URLで紹介されていたため、驚くことに9月の記事がオルタナティブ・ブログの週間アクセスランキング(12/31~1/6)の8位にランクされており、最近になって自治体の動画投稿の注目度の高さを感じています。
今後、地域活性化のためのICTの活用やWeb2.0の活用をリアルの地場産業や地域コンテンツなどと絡めた仕組みづくりが、重要になってくると考え、最近のトレンドを少し整理してみたいと思います。
昨年12月20日、「第一回ICTを活用した地域のあり方に関する研究会」が開催されました。これまで地域にICTをどう生かしていくかというテーマで、2005年に「ICTを活用した住民参画」、2006年には「Web2.0時代の地域のあり方」、そして昨年は「ICTを活用した地域協動・住民参画のあり方」が議論されてきました。今年度の検討は、“ICTを活用した地域産業の育成について”と“ICTを活用した地域産業支援モデルについて”としています。
以前、「地域2.0と地域活性化(1) --地域SNSは普及していくのか?」等でも紹介させていただきましたが、地域SNSや地域ブログ等がWeb2.0による地域活性化施策が注目を浴びた時期がありましたが、今後は、Yahoo!ニュースにもあるように、地域の特色のある死蔵動画コンテンツをどう生かしていくということで、自治体のYouTubeやニコニコ動画の活用や次第に広がっていくことが予想されます。
地域活性化の一つに仮想世界を活用する動きも始まりつつあります。「地域SNSから地域仮想社会へ」でもご紹介させていただきましたが、11月19日、オガコムジャパン社は、「柏市の地域コミュニティが仮想世界セカンドライフを利用したコミュニケーション活性化事業をスタート」というリリースを発表しました。千葉県の柏市では柏SNSを利用していますが、地域コミュニティの活性化と発展のためセカンドライフという仮想世界を利用し、ライブコンサートなどを通じて感動を共有していく等の施策を展開していくようです。
そして、1月10日、デジタルハリウッドは、セカンドライフでの土地購入などの参入支援サービスなどを行うキューブジャパンと協同で、官公庁向けのセカンドライフ参入支援サービスを本格的に開始すると発表しました。地場産業のPRや、災害時における義援金の募金など、自治体の活動を本格的に支援するとしています(マイコミジャーナル 関連記事)。
「第一回ICTを活用した地域のあり方に関する研究会」やセカンドライフ導入支援でも言及されていましたが、住民参画とともに地場(地域)産業の支援やPRという点が大きくとりあげられています。“高齢者の健康維持・増進”や“CCA(Community-Supported Agriculture)という地域に支えられた農業”、そして“地域ファン・オーナー制度”等ICTを活用しながら地域産業を支援する仕組みなどが紹介されています。つまり、単純にウェブで情報を発信するだけではなく、うまくネットとリアルをより密接に絡めた施策を考えていく必要がありそうです。
最近、海外からの観光客が増えてきています。あるテレビ番組を見たとき、中国からの観光客が増えており、“銀座”を必ず観光ルートにいれているようです。“銀座”は中国の富裕層からも人気が高まり、“銀座”の各ショップのアンケートから見ても海外からの富裕層に期待していることがわかります。YouTubeの場合、英語や中国語で情報発信をすれば海外の人たちも見る機会も増え、クチコミで海外の裕福層の認知度もあがるでしょう。もちろんセカンドライフにおいても同様に、海外からの観光客誘致のための地場産業のPRをすることも可能でしょう。
これまで、地域SNS等は地域SNS間連携等も実証実験をしていますが、まだまだ地域の中のクローズドな環境がメインです。地域ブログは、外部からのブロガーも参加する等の成功しているところも増えてきています。そして、これからは海外からの視聴も多いYouTubeやセカンドライフの活用し、動画コンテンツや3Dコンテンツを活用する時期にきていると言えるでしょう。ICTやWeb2.0による地域活性化をさらにアクセルを踏んでいくためには、セカンドライフやYouTube等の積極的な活用を検討していくのも選択肢の一つにいれていく時代にきているのかもしれません。