『HARD THINGS(ハード・シングス)』は会社での下世話な諸問題に悩む人なら起業家じゃなくても読むといいです
今日発売の、著名ベンチャーキャピタリストであるホロウィッツさんが書いた『ハード・シングス』を、お仕事をいただいたよしみで編集ご担当の中川様から1冊いただきました。
まだ60%くらいしか読んでいないんですが、発売当日に紹介したいので途中だけど感想文です。
ホロウィッツさんは、泣く子も黙るベンチャーキャピタル「アンドリーセン&ホロウィッツ」のパートナー。マーク・アンドリーセンはNetscapeで有名ですが、ベン・ホロウィッツさんの方はベンチャー以外の普通の人にはあまり知られていないかも。
今の(米国の)VCには多いですが、ホロウィッツさんは自分も起業したり雇われCEOをやった経験を持ち、それを活かそうとアンドリーセンと一緒にVCを立ち上げました。
なので、この本で紹介されている仕事についての教訓はみんな、彼の実体験に基づくとってもリアルで地に足がついたものです。自分の失敗から得た経験則を惜しげもなく開陳しているところは、板倉 雄一郎氏の『社長失格』を思い出させます。
ちなみに書名のハード・シングス(HARD THINDS)は、きっつい試練の数々、みたいな意味で、ホロウィッツさんがくぐりぬけてきた艱難辛苦を表しています。
もちろん、CEOでなければ直面しないようなハードな場面もたくさん出てきますが、もっと下世話な、例えば問題のある社員への対処法とか、リストラで気をつけるべきこととか、も紹介しています。
私はリストラを経てフリーになったんですが、当時の人事の人とか直属の上司がこの本を読んでくれていたらどんだけ救われてただろう~としんみり。
結果的に今は楽しく暮らしていますけど、もうちょっとやり方があったんじゃないか、とか思っていたことが書かれていましたよ。
会社経営者とか従業員とかに日々振りかかるハード・シングスの数々を読めば読むほど、関係なくなってよかったーとフリーの私は思うわけですが、会社を辞めるわけにいかない人は、起業家じゃなくてもCEOじゃなくても、読むといいと思いまーす。
例によって装丁も素敵(カバーを外すとすごくシンプルで、電車の中でみせびらかしながら読みたい感じ)ですが、約400ページあるので、通勤中に読む人はKindle版もお勧めです。