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「出版を早めたのはジョブズの死が分かっていたからですか?」

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ニューヨークタイムズの人気IT系ブログ「Bits」に「スティーブ・ジョブズ」の著者、ウォルター・アイザックソンさんへのインタビューが載りました

アイザックソンさんはいろんな雑誌で自著について語っているので、それほど新情報はないのですが、インタビュアーのニック・ビルトンの質問にちょっとびびりました。「ジョブズが今もまだ生きていたら、それでも伝記を書くことを引き受けましたか?」「自分の名前が今後ずっとスティーブ・ジョブズに関連付けられることを心配していませんか?」「出版予定を早めたのは、ジョブズが亡くなるのが分かっていたからですか?」

このくらいの質問(のぶしつけ度)って普通なのかな。最初の質問については、アイザックソンさんは本の中で引き受けたいきさつを書いています。2つ目の質問には、「スティーブの本は、私が書いた多数の伝記の1冊だから気にしない」とのお返事。

出版時期の前倒しは、私もちょっとびっくりしました。当初2012年3月に予定されていた出版時期が一旦11月21日に、ジョブズが亡くなった翌日には10月24日に繰り上げられました。

アイザックソンさんによると、原稿は6月に完成していたそうです(翻訳の井口氏のお手元には7月に届いたそうです)。もちろん結末は違ったわけですが。11月21日に出版を早めた理由としては、「結末を8月のCEO辞任にしようと思ったから」だとしています。でも、その後の章についてはアイザックソンもジョブズも死を覚悟して書いてます。やっぱりどこかの段階で、結末を最期の時にして、死の直後に出版しようと考えたんですよね。なんだか非情な気もしますが、出版人としては当然のことです。

でもじゃあ、不思議なのは最初に設定した2012年3月という予定にどういう意味があったんだろうってところ。ビルトンはそうは質問していませんが、ジョブズが来年3月に亡くなると思ってたのか? と考えちゃいます。それはなんだかいやだなぁ。

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