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Twitterのやりすぎは道徳感をマヒさせるかも、という研究

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 道徳感につながる感情(賞賛とか同情とか)がわくには時間がかかるので、次から次へと情報が流れ込むTwitterのようなツールを使い続けると人間はそうした感情をしっかり体験できなくなり、結果的に道徳感が損なわれることになるかも、という研究結果を南カリフォルニア大学の心理学教授、アントニオ・ダマジオ氏が来週国立科学アカデミーのサイトに発表するそうです(PHYSORG.comより)。

 脳のどの部分が反応するかをスキャンする機械をつけた被験者に数種類の感情を引き起こさせるストーリーを読ませて、反応時間を調べるという実験(かなりおおざっぱな説明ですが)を行ったところ、他人の身体的苦痛のサインにはすぐに反応するのに、賞賛や同情など、美徳や精神的苦痛に関する情報で引き起こされる感情が立ち上がるのには6~8秒かかったそうです。

 でもいったん引き起こされたそうした感情は、身体的苦痛に対する感情より長く持続したそうな。だからあまりにハイスピードでさまざまな情報が流入してくると、人間的な感情がわく前とか感情を整理できないままに次の情報が入ってきちゃう状態が続き、道徳感がマヒしちゃうということらしいです。

 それってでも別にTwitterじゃなくてもテレビのニュースでもそうだよね(幼児惨殺事件の直後に「桜が見ごろです」とか)、と思っちゃいますが、まあ、ゲームでもインターネットでも携帯電話でも、社会現象化すると必ずこういう研究が発表されます。

 研究者の1人は、デジタルメディアを批判しているわけではなく、「ツールの問題ではなく、ツールをどう使うかの問題です」とちゃんと言ってます。

 私はTwitterをITニュースの情報源として使っているのであまりぴんときませんが、たしかに数秒ごとに入ってくるつぶやきに「魂の叫び」がまじっていても、やりすごしてしまいそうです。

 ITニュースが消化できないうちにどんどん流入してくるので知能がマヒしているかもな佐藤でした。

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