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開発ツールビジネスの再生に格闘。マーケティングの視点で解説

年初恒例のキックオフ終わり。でも今年は日本

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例年、演奏会との日程調整にハラハラドキドキのキックオフだが、今年は、1月上旬早々に演奏会を無事終え、その翌週からリージョンごとにキックオフを開くという、エグゼクティブにはちょっとハードな変則パターンでの実施となった。

先週前半がアメリカ、後半がヨーロッパ、最後が今週中盤のアジアである。サンフランシスコ開催が常のアメリカに対して、ヨーロッパはバルセロナでの開催とのこと。ぜひ、アジアも相乗りして、バルセロナ行きたい、と盛り上がってみたものの、アジアのスタッフが全員バルセロナに行くのは相当割高。あえなく却下されてしまった。

結局、一番人数の多い日本で開催するのがなんだかんだいって安く上がるだろうし、日本は通訳の問題なんかもあるし、と、あまり盛り上がらない結論となってしまった。さらに、日本でやるなら、どっかの温泉で、なんて思っていたものの、それなりの人数、多方面から来日することが分かって、郷に入っては郷に従わなければならない温泉カルチャーをキックオフに持ち込むのは、無理かな、とこれも断念した。

最終的にちょっと気分を変えて横浜。ひとつ重要なのは、泊まるということだ。

キックオフのような集まりは、一日中仕事のことを考えているわけではないけれど、日常に戻る隙を与えないことで、ひとつのことにみんなで取り組む気持ちを作ることができる。もちろん、本人の参加意識に依存するのではあるけれど、家に帰ることで、一旦日常にリセットされてしまうのは間違いない。

横浜なら、泊まりもありだし、ベイエリアの景色もきれいで、中華街もある。成田や羽田へのアクセスも悪くないから、海外のスタッフにも受けがいいはずだと考えた。

さて、実際やってみると、やはり主催側は大変だ。何しろ、コンテンツは彼らが握っているわけで、限られた情報から、入れ物を用意しなければならない。実際、タイムテーブルが決まったのは、前日の午後だ。

もうひとつ大変だったのはインドチームの来日。以前新宿でCodeGearのキックオフをやった記憶があるけれど、そのときは、あまり彼らの食事をケアしてあげられなくて苦労をかけた。今回は、ちゃんとベジタリアンフードを用意することにしたので、レストランやらホテルへの説明、交渉などに時間を割くこととなった。

そんな交渉も快く受け付けてくれたレストランで、前日夜には懇親会。

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早めに日本に来て、登山を満喫してきた写真大好きのシンガポール人、池袋の安宿に泊まって、朝から築地、両国(相撲)、渋谷、上野とアグレッシブにこなしてきたオーストラリア/ニュージーランドの若者など。旧知のメンバーも多く、大いに盛り上がった。

ところで、この写真の右端に写っているのは、Tony de la Lama。彼の来日も久しぶりで、ボーランド時代にJava Business Unitを統括していて、JavaOneで横浜に滞在したことがある。現在は、開発ツール部門のR&Dとコーポレートマーケティングを統括。開発拠点は世界中に分散しているため、ロシア語の名刺もあったりするのだ。

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さて、肝心のキックオフだが、例年どおり、内容はこれから出てくる製品の話なので、ここではまだ書くことができない。しかし、既に方々で予告しているように、今年はモバイル開発が可能になる「マルチデバイス」向け開発がキーになるのは間違いない。

今回は、APACの主要メンバーとエグゼクティブが数名来日するとあって、思い切ってオフィスを2日間クローズして、社員全員参加としてみた。業務が止まってしまうのは、大変申し訳ないことなのではあるけれど、それは、どうしてもここでしか見られないことを見てほしかったからなのだ。

つまり、物事がどのように決まっていくか、である。

実際こんなことがあった。初日に、とある日本人スタッフが「こうあるべきだ!」と声高に主張し、皆が拍手した。すると、翌日、エグゼクティブが本社と電話会議をして、代案を出してきたのだ。

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外資系で本社と距離があるローカルオフィスにいると、どうしても上からの指示に従って、とにかく作業としてやるだけ、となってしまうことが多い。しかし、その決定のプロセスでは、我々にとって役に立つように、あるいは、多くの国で役に立つようにと、いろいろ検討されているわけだ。重要なのは、そのプロセスに入ること。だまって待っていてはダメなのだ。

キックオフは、毎年何らかのかたちで開かれ、多くの海外の同僚と直接経験を共有する機会を持つことができている。問題はその機会を利用するか、なのだが、皆の様子を見ていると、数年前より、相当積極的に会話している気がする。こちらが「行ってこい」なんていう必要は、もうないみたいだ。なんか、頼もしくなってきたなぁ。

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おまけ
会場のホテルの宴会場では、毛皮の即売会が行われていた。入口の案内パネルを見ると、毛皮のエンバではないか。そういえば、昔からのエンバカデロのパートナー日揮情報さんは、エンバカデロのことを「エンバさん」と呼ぶ。

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ついに共演である。

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