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開発ツールビジネスの再生に格闘。マーケティングの視点で解説

バーチャルイベントはどうだったのか?

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お久しぶりです。1週間まるまる野菜生活に付き合っていて疲れたな、というのはともかく、イベントが終わってそのまま期末モードに突入して、そのイベントの総括をせずにここまで来てしまいました。2010年第1四半期も無事終わり、ここであらためてバーチャルイベントのまとめです。

集客に関する見込みと実際
以前のエントリで、Webセミナーなどのバーチャルイベントにおける参加申込数の推移について書きました。そのとき「当日申込数が、全体の5割ぐらいを占めています。」と書きましたが、デベロッパーキャンプでもそのとおり、5割以上が当日申込でした。

イベント直前まで、200名ぐらいの申込みで、リアルでやるデベロッパーキャンプと同じぐらいの登録をいただいていました。しかし、開催期間の2日間で、さらに240名あまりの申込みをいただき、あっという間に、リアルイベントの2倍を超えてしまいました。

各セッションの参加数は、120~160ぐらいです。実際には、さらに20~30名ぐらいの方が、ちょっとだけ覗いてみるような短時間参加されていました。つまり、全部に参加するというよりは、見たいものだけ見るという参加スタイルの方が多かったということです。

見たいものだけ、どこからでも簡単に参加できるというバーチャルの利点によって、400名超の参加者が得られたということです。

参加登録や入場に関するあれこれ
事前申込みは、参加したいセッションを選んでもらって、セッションごとに入場URLを送付するというWebセミナー機能をそのまま使ったものでした。でも、当日の飛び入り参加が期待できる、しかもそれが5割と考えると、面倒な入場方法は足かせになると考えました。

そこで急遽、当日参加用の仕組みを考案し、デベロッパーキャンプのページで、今やっているセッションに参加できるというユーザーインターフェイスをこしらえました。これについては、当日参加の入場行動の推移を見る限り、うまくいったようです。

ただし、各セッションを別々の入場としたために、続けて参加したい方には、ご不便をおかけしたようです。運営面を考えても、1日まるまる1本のながいセミナーとして、ひとつの入り口で済むようにすべきでしょう。

時間枠は守るべきか?
1日まるまる1本のながいセミナーとしたときに、時間割はどうすべきでしょうか。実際、時間が足りなくて存分に語っていただけなかったものもありました。2つの視点があります。バーチャルであり、物理面の制約が少ないのだから、延長可とすべき。あるいは、ピンポイントで特定のセッションを見たい人にとっては、前のセッションがずれ込んで時間割が変わっちゃうのは迷惑。

野球の放送時間延長のように柔軟に対応して、アナウンスもしっかりやればよいようにも思います。内容ありきですからね。ただ、休憩時間などのバッファを工夫して、なるべくスケジュールどおりにする努力をすることが必要でしょう。

運営面のあれこれ
今回、初のバーチャルということで、運営面でいろいろバタバタしたところがありました。しかし、提供する側が、「初めてだから」という言い訳をしてはいけないと思います。これは、弊社のマーケティング部門がしっかり反省すべきところです。

実際、運営する側として参考になりそうな注意点をいくつか挙げておきます。

  • バックアップは常に怠るな:本番にはなぜか魔物がいるものです。「テスト接続では動いたのに」-何度も聞きました。最悪マシンが落雷でおシャカになっても(これ実話なんですけどね)、何とかできるようにしないといけません。
  • ラインを確認せよ:テクニカルなことですが、音声、映像などのケーブル関係の構成の確認が重要です。特にバーチャルの場合、どのマシンから映像を配信して、どのマシンから音声を配信するか、またそれをどこから取り込むかなど、細かい部分でトラブルを生む要素があります。これらを、すべて概念的にも物理的にも(ケーブルが1m短い!とか、プラグが合わない!とかいってあわてないように)、しっかり事前確認をしておくべきです。
  • 役割分担を明確にせよ:バーチャルイベントは、手軽にできるのでなんとなく開始、終了になって、ぐたぐたな運営になりがちです。ディレクターをちゃんと決めて、開始、終了、タイムキープ、遅延時の対応、トラブルシューティングなど、役割分担と手順を明確にしておくべきです。

動画っていいよね
これまで、Webセミナーでは、スライドとデモ画面を配信していましたが、今回のデベロッパーキャンプでは、講師の顔も動画で配信しました。これが特に大きな情報ではないはずが、顔の見えるセミナーは、臨場感も説得力も違うようです。ビデオは積極的に使うべきでしょう。

ただ、画質はそれほどよくないのと、それなりに負荷がかかりますから、あまり、激しい動きのある画像は控えたほうがいいようです。デモ画面の更新パフォーマンスに影響を与えたり、見ていて酔ってきてしまうなど、悪影響大です。三脚で固定した画像で十分でしょう。

Twitterとかブログとか
デベロッパーキャンプのページでは、#dcamp_jp タグのつぶやきを表示するようにしました。現在進行中のセッション内容について、リアルタイムで共有できるのはいいですね。講師もこれに反応するようなしかけを入れると、双方向感が出てもっとよいのではないかと思います。

ブログはむしろサマリー的な役割で、イベントの前後に情報を共有したり、Twitterで流れていってしまう情報を固定しておくような位置づけであるとよいですね。いずれにしても、バーチャルイベントの限られた空間を広くするには、並行でいくつものコミュニケーション手段があるに越したことはありません。

次はどうする
さて、まだまだ改善の余地があるイベントではありますが、「バーチャルでやってくれてよかった」という声は多数いただいています。こうなると、仮に次をリアルイベントでやるにしても、バーチャルもあります、にしない訳にはいかないな、と感じています。

次のイベントはまだ先ですが、今回の結果をもう少し広く活用していただくため、いくつかの追加アクションを行っています。

  • 資料ダウンロード - 当日使用したプレゼンテーションやサンプルコードをダウンロードできます。
  • セッションビデオ - 順次、録画したビデオを編集して公開しています。全部を公開することはできないのですが、毎週1回ぐらいのペースで数多く出していきたいですね(外国人講師ものについては、字幕を入れる作業をしています)。
  • アンコールセッション - 4月14日15日に、特にお申込みの多かったセッションを取り上げて、アンコール開催します。特に、セッション時間が限られていて、全部網羅できなかったということもあったので、今度はお付き合いいただけるなら延長戦もありです。

ちなみに、このアンコールセッションの前に、ここで触れたようなバーチャルイベントの可能性についての対談を予定しています。

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