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開発ツールビジネスの再生に格闘。マーケティングの視点で解説

256字の男

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テレビ欄の番組紹介記事を書いていたベテラン記者が、何を書いても100字になってしまうので、それを苦に自殺。遺書も100字ぴったりだった、というブラックユーモア。清水義範氏の「百字の男」という短編です(単行本/文庫本で出版されている「深夜の弁明」の中に収録されています)。

製品発表間近になると、いつも思い出すのがこの短編。なぜかというと、自分も256字の男になるからです。一般流通で製品を販売されている方はご存知だと思いますが、各社のデータベースに製品を登録するときに、256文字、128文字、64文字なんて規定があり、パッケージの正面画像、立体画像など、それぞれ画像にもご指定があります。

これらの情報は、そのままオンラインショッピングサイトの製品情報として掲載されたりしますから、たかが256文字、されど256文字なのです。

登録フォームの計算式を見ると、256バイトでもなく全角256文字でもなく256文字なので、半角も全角も1文字としてカウントされるようです。そのため、英文字の長い製品名は、もうそれだけでアウト。例えば、Borland Together Developer for Microsoft Visual Studio .NETなんて、ナンセンス。こんな冗長な製品名をつけたセンスのないマーケティングをのろいます。

幸いなことに今回は「Turbo」なので、そこそこ短く、いろんな情報をそれなりに盛り込めます。もっとも、なんでも詰め込んでしまうと、なんだか分からなくなるので、例えば固有名詞には、簡単な説明の枕をつけたり、新規購入の方にはただの記号にすぎない機能名は、省略したり、記号と割り切って使ってしまったりします。

  例)

  • 文字数制限のないカタログだと
    ビジュアルコンポーネントVCL(Visual Component Library)を用いてドラッグアンドドロップ操作で高性能アプリケーションを開発
  • ちょっと文字数に余裕がある流通用説明文では
    ビジュアルコンポーネントVCLを用いてドラッグアンドドロップ操作で高性能アプリケーションを開発
  • 文字数に余裕がないと
    コンポーネントを用いてビジュアル操作で開発
  • もうカツカツだと
    ビジュアルに開発
  • あと1文字のとき
    ビジュアル開発

まあ実際には、こんな特定箇所を機械的に切り詰める作業ではないですが、最後の数文字があわないときには、ここにあげたようなテクニックを応用します。

この種の説明文は、ないと困るのですが、卓越した文章だからといってバカ売れするものでもありません。また一方で、技術的にウソがあってもいけないわけで、エンジニアからは注釈や説明を限定するような修飾語を求められます。その中で妥協した範囲で256文字に収めるのには、大ナタを振るう割り切りと勢いのほうが重要なのかもしれません。

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